LSEサマースクール体験記 2019年度

LSESummerSchool
経済学部 経営学科 PDP3期生(2017年4月入学)
正智深谷高等学校出身
■留学先大学:London School of Economics and political science
■留学期間(現地滞在期間):2019年7月~8月
私はパラレル・ディグリー・プログラム(PDP)の3期生として、武蔵大学に通いながらロンドン大学の学士号も取得するために経済・経営などを英語で学んでいます。英語に触れる機会が非常に多いこともあって、将来は外資系企業に就職や大学院に進学することを考えています。そこで、ロンドン大学を構成するカレッジであり、経済学で世界的に有名なLondon School of Economics and Political Science(LSE)のサマースクールに興味を持ちました。世界中から集まった優秀な学生と接点を持ち、同じ環境で刺激を受けながら勉強することで物事に対して広い視野を持つことで、自分の成長や今後のモチベーション向上に繋がるのではないかと思い、LSEのサマースクールに約3週間参加しました。

以下サマースクールの説明です。1日のスケジュールとして、午前と午後でレクチャーとクラスに分かれており、私が履修したIntroductory Microeconomicsは午前にクラス(約20人)で午後にレクチャー(約60人)でした。レクチャーでは、教授によるテーマごとの講義を3時間受け、クラスではProblem Sets(PS)という練習問題の解説をティーチングアシスタント(TA)がしてくれます。それゆえ、午後のレクチャー後、翌日のクラスに備えてPSをあらかじめ解いておく必要があります。PSには、レクチャーで習ったことを咀嚼し応用しなければ解けないような記述式問題が多くあります。ですが試験では、ロジックが適切であれば答え(例えばTRUE or FALSE)が間違っていたとしても、その問題に対する回答として正解と認められ得点になります。このPSと採点システムはロンドン大学の試験でも採用されていて、それに備えて普段からPSを解いているので、LSEのサマースクールのみならずPDPをやっていて自分の成長に繋がると一番実感しているポイントです。試験は中間と期末に実施され、全レクチャーを分割したものが試験範囲になります。Introductory Microeconomicsの試験形式は大きくsection AとBに分かれていて、Aは命題に対するTRUE or FALSE問題で理由も求められます。Bはquestion 1と2のどちらかを選択し、すべて記述式問題です。成績は中間試験の結果50%と期末試験の結果50%の合計で決まります。

LSEのサマースクールに参加して一番驚いたことは、学生のレベルです。話を聞いた限り、有名な大学を卒業した後に他の学問を学びたい人、サマースクールでいい成績を取りLSEをはじめとする院に進学するのを目標としている人など、高い志を持った学生が世界中から参加しに来ていました。講義中にかなり予習しなければできないような質問を積極的にする姿勢や、講義の内容をその場で理解し質問に繋げる能力に圧倒されました。日本では講義中、積極的に発言や質問をする学生は少なく、教授と学生のコミュニケーションは少ないと思います。ですがLSEのサマースクールに参加して、質問により教授は学生がよく理解していないところを理解し、より詳しく説明してくれるということを実感し、私も今後このような講義の在り方を目指したいと思いました。
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LSE試験最終日farewell partyにて
生活面として、LSEはロンドン市内に複数の学生寮を所有しています。私が選んだのはSydney Webb Houseの一人部屋です。ルームメイトに気を遣うこともなく、共有キッチンとランドリーが寮内にあるので不自由なく過ごすことができました。ブッフェスタイルの朝食は、月曜日から金曜日までLSEのレストランでとることができ、料金は家賃に含まれています。LSEのキャンパス内には勉強できるスペースが多くあり、自習を後押ししてくれます。この寮はLSEまで歩いて45分、バスで25分と遠くにあるのですが、イギリスの夏は夜9時でも日が出ていて明るく、治安が悪いといった印象はあまりありませんでした。LSEの徒歩圏内に大英博物館やバッキンガム宮殿、ウェストミンスター寺院などの観光地が多くあり、イギリス文化や歴史に触れることができました。

LSEでは、ソーシャルプログラムといってLSE主催のイベントが毎日開催されています。初日と最終日にはパーティがあり、放課後の特別講義やウォーキング・サイクリングクラブなど無料で参加することができます。他にもミュージカル、オックスフォードやハリーポッター:ワーナーブラザーズスタジオへのバスツアーなど、格安で参加できるイベントも多くあります。私は約100年もの歴史があるPrince Edward Theatreでミュージカル「アラジン」を観ました。息を呑むようなセット、特にマジックカーペットの演出と350以上の豪華な衣装、素晴らしいキャスト&オーケストラに大変感動しました。貸し切りのテムズ川サンセットクルージングにも参加しました。乗船した船は一般の観光客が乗っている船より大きいため、タワーブリッジの下を通過する時には橋が封鎖され、稼働したので感動しました。このクルージングで多くのLSE留学生と会話することができ、交流を深められました。

普通なら半年かけて習う内容を、サマースクールでは約3週間とかなり短い期間で学ぶためハードスケジュールでした。ですが日本ではあまり見られない、学生が積極的に質問する姿勢や、議論や協力して勉強する姿勢を見ていい刺激を受け、同じ環境で高水準の授業を受けられたことはいい経験になったと思っています。自分が目標とした点数を試験でとることできませんでしたが、結果としてA評価をもらい大変有意義で充実した夏休みをロンドンで過ごすことができました。