授業紹介
フランスの芸術
市民革命や産業革命による変動のなか、市民社会が形成される19世紀の欧州では、芸術のあり方も大きく変化します。この変革期に位置する作品を取り上げ、造形表現の特質を捉えながら、歴史的文脈や思想的背景を検討し、美術の見方や考え方を学んでいきます。
ヨーロッパの神話と伝説
ヨーロッパの神話伝説(フォークロアを含む)からいくつかの作品を選んで概観し、それらの類似点や相違点について学びます。また、そのなかで語られている要素や世界観が、社会とどのようにかかわっているかについても考察します。
越境文化論
古今東西、えてして芸術家は旅好きの傾向があるようです。より自由な着想が湧き立ちやすい環境を求め、あえて日常空間から離れようするボヘミアンな気質も要因に挙げられるでしょうが、何より、情報を得られる手段が限られていた古い時代、文化的先進地域を直接訪れることは、新しい芸術の潮流を学ぶ唯一の方法でもありました。この授業では、ルネサンス期のヴェネツィアに焦点を当て、繰り返される芸術家たちの旅行や国際交流により、海洋都市ヴェネツィアにおいて、どのようにして独自の絵画伝統が作り上げられたか学びます。
比較芸術論1
「ルネサンス」とは、もともと「再生」を意味するフランス語です。15~16世紀を中心とするルネサンス期の芸術家たちは、古典古代と言われる古代ギリシャ・ローマの文明文化にあこがれを抱き、その「再生」を夢見て写実的な芸術表現を模索しました。この授業では、そうした彼らの「古代復興」の取り組みに焦点を当て、ルネサンスの美術作品では、どのような点で古典古代からの影響が見られるのか、どのような点では芸術家の独創性が発揮されているのか、具体的に作品を比較し、史料を読解しながら分析を行います。
比較芸術論2
オリエンタリズムやエキゾチシズムといった概念を踏まえながら、ジェンダー・セクシュアリティの問題と人種の問題がいかに交差し、個人にどんな問題をもたらしうるかを考えます。
ドイツ語圏の芸術
皆さんはたとえばヴァルトブルク城という言葉を聞いて何を思い浮かべるでしょうか。芸術には、作品同士をつなぐ主題、モチーフが隠されています。 本授業ではドイツ語圏の音楽、演劇、建築などを横断的に学びつつ、芸術のダイナミズムを捉える視点を養います 。
フランス文学史
フランス文学の歴史をそのはじまりから現代に至るまで、古典主義やロマン主義などヨーロッパの芸術全般を理解するために欠かせない重要な概念にも注目しつつ、作品の抜粋などを参照しながら学びます。
現代ヨーロッパ社会論
現代のヨーロッパの社会について、ヨーロッパ統合、移民問題、若者の学業と就職事情などの観点から現状を把握したうえで、それぞれの側面を歴史的に遡って捉えなおし、ヨーロッパの<いま>の理解を深めます。
ヨーロッパ対外交流史
現代ヨーロッパの社会や文化には、ヨーロッパ外部に根ざす要素が数多く見出されます。社会の構成員の出自が多様化しているのは、その一面です。ヨーロッパが外部世界とどのように交流し、認識をつくり上げ、変貌したのか。およそ5世紀にわたる歴史を巨視的に鳥瞰します。
オーストリア・東欧文化論
19~20世紀のオーストリア(ハプスブルク帝国)の歴史を概観しつつ、チェコ人あるいはユダヤ人など、異なる民族や集団が織りなす文化圏を、主に近代ヨーロッパにおける<他者>という視点から考察します。
ドイツ語の世界
外国語としてドイツ語を学ぶ場合とは違う観点からドイツ語をとらえる授業です。ドイツ語に現れる人間言語の法則、ドイツ語とヨーロッパ社会史の関係、ドイツ語と日本語の共通点などを取り上げます。