SIM留学体験記
2023年度 SIM留学体験記 PDP7期生
経済学部 経営学科 PDP7期生(2021年4月入学)
藤枝明誠高等学校 出身
■留学先大学:Singapore Institute of Management
■留学期間(現地滞在期間):2023年8月~2024年6月
私は、Singapore Institute of Management への10か月間の留学を通し、大きく言語、学習、文化、経済の面から多くのこと学んだ。
1つ目は、言語面である。シンガポールでは主に英語と中国語が話されており、それに加えて公共交通機関等では他の言語も使われている。異なる言語が飛び交う環境で生活をする中で自身の英語力と今まで自分が学んでこなかった日本語と英語以外の言語に関して新たな視点を持つことができた。英語については、いわゆるシングリッシュやアジア独特の英語に馴染みがなく聞き取ることにかなり苦労した。英語を母語としていない人が多い中で自分だけがうまく話せないことにストレスを感じ、授業でのディスカッションや普段の買い物も最初は毎回不安であった。しかしシングリッシュ独特の発音や表現を学びつつ、自分が思っていることを伝えることができるように日常会話のフレーズを調べたり友人が使っていた言葉をノートに残すことで日常会話の語彙が広がったと感じている。また英語力を今後も向上させ、英語ネイティブとも渡り合えるようになりたいと感じる一方で、私と同じように英語で話すことや発音、文法に苦戦している人を多く見かけた。彼らは学問を学んだり、働いたりするために英語を学んでいるが、すべての人が英語をうまく使いこなしているわけではないということも知った。英語が完璧でないことに対して過度に不安を覚えるのではなく、自分なりに英語を学び、間違いが多少あっても日常的に使えるようになることも重要であると感じた。
また英語以外の言語に初めて触れる機会にもなり多くの学びがあった。最初の大学オリエンテーションではシンガポール人の学生はみんな中国語で会話をしており、自分からある程度英語で強引に話しかけることがあったり、街中で英語が通じず買い物に苦戦したりすることがあった。英語だけでなく、最低限のレベルでいいので現地の言語のフレーズや発音を知っておくだけでも何か新しい機会を得るきっかけになると感じた。
2つ目の学習面では、主に授業や試験対策を通して言語面以外にも多くのことを学ぶことができた。授業では教科書の内容以前に教授のシングリッシュを聞き取ることが難しかったため授業についていくことができるように予習と復習に多くの時間を割いた。授業前後に図書館に行くようにすることで学習時間を確保するようにしていた。またグループディスカッションになった際には、英語と授業内容の両方で準備をしていないとディスカッションについていくことができなかったため、予習に特に気を使っていた。授業で分からないものがあったときは、生徒数が多く教授に授業後に質問ができないこともあったので、同じ授業をとっている学生に声をかけて分からない所を聞いたり、試験前に一緒に勉強をしたりした。また統計に関する科目を履修したが、ロンドン大学が指定する教科書がなかったため、外部の参考文献等を読み、授業の予習と復習をしていた。試験が近づくにつれ授業がなくなり日本人留学生同士で会う機会が減ったが、分からないところがあるときには質問をして協力して試験対策を進めていた。日本とは異なる環境で試験へのプレッシャーを感じながら計画を立てて試験勉強をするというのは精神的にも体力的にも苦しかったが、最後まで試験を終えることができ自信につながった。
3つ目はシンガポールに長期滞在をすることで生活や文化の違いを大きく感じた。主にはルールやマナーと宗教や思想の違いである。シンガポールは法律が非常に厳しいため、街中にゴミが落ちていることは少なくきれいに保たれている場所が多い。また治安も良く、身の危険を感じることは基本的にないためルールという面では日本に近い、もしくは日本より厳しいというものも多かったが、マナーの感覚は日本と異なるものを多く感じた。公共の場での声量や電話、自動車ドライバーや接客業のマナー等は日本の感覚と違うものもあり、最初はその違いに戸惑うこともあったが、徐々に慣れていき感覚の違いを知り、受け入れることができた。
宗教や思想に関する違いは留学前と後で自分の視野が最も大きく広がったと感じているものの1つである。まずシンガポールには国民の休日があるが、それらは各宗教に関連しているものがあり、キリスト教、仏教、イスラム教の祭日は休日になっている。シンガポール国内に異なる宗教を信仰する人が存在し、それを国全体が理解をしているという点は日本と異なっていると感じた。宗教だけではなく、思想という点での違いも様々なものが存在したが、私に馴染みがなかったものは食生活に関するものだ。例えばハラル食品である。日本でも徐々に増えてきてはいるが、実際にはどのようなものかはよくわかっていなかったためハラルとノンハラル食品で、食後のトレー返却口が違っていたり、友人にハラルの人と同じテーブルでノンハラル食品を食べるのはやめておこうと言われたりして自分が異なる習慣を持つ人と同じ空間で生活をすることに対しての知識や経験値がなかったということを痛感した。そのほかにも食事を選ぶ際には、ハラルかどうか、ベジタリアンかどうかを決めることができ、異なる食習慣を持つ人を受け入れる体制が整っているという点は日本と異なっているのではないかと感じた。
4つ目は先進国と発展途上国と呼ばれる国の間にある経済面、物価面での違いを大きく感じた。滞在中、観光名所をいくつか訪れたが、マリーナ・ベイサンズとその周辺の金融街は日本では感じたことのない独特の雰囲気があった。夜になっても高層ビルの明かりが消えず24時間ビジネスが動いているように感じられた。1度、金融街の中にある銀行の支店を訪れ、お話を伺う機会があったが、その際も多国籍で多様性のある環境の中で、シンガポールがアジアの経済の中での大きな役割を果たしているという話が強く印象に残った。シンガポールの物価は非常に高く、留学期間中に円安が進んだ影響もあり留学中に物価がさらに上がっていくことを実感しながら生活していた。シンガポールはほぼすべての食品を輸入に頼っているため、全てのものの値段が高く、食費は日本で生活していた時の2倍以上かかり、常に値段を気にして買い物をしていた。
一方で私は滞在中にマレーシアとインドネシアを訪れた。シンガポールと比べると物価が安く、特にマレーシアはシンガポールから橋を1つ越えるだけで物価が明らかにシンガポールと比べ安くなったり、インフラ面においての違いが目に見えてあったりするなど非常に興味深い経験になった。インドネシアでは自国通貨のルピアが通貨として比較的弱いため物価が更に安く、またインフラや衛生面でのシンガポールや日本との違いはさらに大きいように感じた。物価という点においては各国でのビッグマックの値段を見ていたがシンガポール、マレーシア、インドネシア、日本で比べる際には明らかに違いがあった。
私はこの留学を通して上記のようなことを学んだ。この留学を通して得た経験や新たな価値観を今後の就職活動や社会に出るときに活かし、グローバルで多様な環境で活躍することのできる人材になりたい。また言語の面においてはまずは英語の能力を更に向上させることができるように日々努力していきたい。
藤枝明誠高等学校 出身
■留学先大学:Singapore Institute of Management
■留学期間(現地滞在期間):2023年8月~2024年6月
私は、Singapore Institute of Management への10か月間の留学を通し、大きく言語、学習、文化、経済の面から多くのこと学んだ。
1つ目は、言語面である。シンガポールでは主に英語と中国語が話されており、それに加えて公共交通機関等では他の言語も使われている。異なる言語が飛び交う環境で生活をする中で自身の英語力と今まで自分が学んでこなかった日本語と英語以外の言語に関して新たな視点を持つことができた。英語については、いわゆるシングリッシュやアジア独特の英語に馴染みがなく聞き取ることにかなり苦労した。英語を母語としていない人が多い中で自分だけがうまく話せないことにストレスを感じ、授業でのディスカッションや普段の買い物も最初は毎回不安であった。しかしシングリッシュ独特の発音や表現を学びつつ、自分が思っていることを伝えることができるように日常会話のフレーズを調べたり友人が使っていた言葉をノートに残すことで日常会話の語彙が広がったと感じている。また英語力を今後も向上させ、英語ネイティブとも渡り合えるようになりたいと感じる一方で、私と同じように英語で話すことや発音、文法に苦戦している人を多く見かけた。彼らは学問を学んだり、働いたりするために英語を学んでいるが、すべての人が英語をうまく使いこなしているわけではないということも知った。英語が完璧でないことに対して過度に不安を覚えるのではなく、自分なりに英語を学び、間違いが多少あっても日常的に使えるようになることも重要であると感じた。
また英語以外の言語に初めて触れる機会にもなり多くの学びがあった。最初の大学オリエンテーションではシンガポール人の学生はみんな中国語で会話をしており、自分からある程度英語で強引に話しかけることがあったり、街中で英語が通じず買い物に苦戦したりすることがあった。英語だけでなく、最低限のレベルでいいので現地の言語のフレーズや発音を知っておくだけでも何か新しい機会を得るきっかけになると感じた。
2つ目の学習面では、主に授業や試験対策を通して言語面以外にも多くのことを学ぶことができた。授業では教科書の内容以前に教授のシングリッシュを聞き取ることが難しかったため授業についていくことができるように予習と復習に多くの時間を割いた。授業前後に図書館に行くようにすることで学習時間を確保するようにしていた。またグループディスカッションになった際には、英語と授業内容の両方で準備をしていないとディスカッションについていくことができなかったため、予習に特に気を使っていた。授業で分からないものがあったときは、生徒数が多く教授に授業後に質問ができないこともあったので、同じ授業をとっている学生に声をかけて分からない所を聞いたり、試験前に一緒に勉強をしたりした。また統計に関する科目を履修したが、ロンドン大学が指定する教科書がなかったため、外部の参考文献等を読み、授業の予習と復習をしていた。試験が近づくにつれ授業がなくなり日本人留学生同士で会う機会が減ったが、分からないところがあるときには質問をして協力して試験対策を進めていた。日本とは異なる環境で試験へのプレッシャーを感じながら計画を立てて試験勉強をするというのは精神的にも体力的にも苦しかったが、最後まで試験を終えることができ自信につながった。
3つ目はシンガポールに長期滞在をすることで生活や文化の違いを大きく感じた。主にはルールやマナーと宗教や思想の違いである。シンガポールは法律が非常に厳しいため、街中にゴミが落ちていることは少なくきれいに保たれている場所が多い。また治安も良く、身の危険を感じることは基本的にないためルールという面では日本に近い、もしくは日本より厳しいというものも多かったが、マナーの感覚は日本と異なるものを多く感じた。公共の場での声量や電話、自動車ドライバーや接客業のマナー等は日本の感覚と違うものもあり、最初はその違いに戸惑うこともあったが、徐々に慣れていき感覚の違いを知り、受け入れることができた。
宗教や思想に関する違いは留学前と後で自分の視野が最も大きく広がったと感じているものの1つである。まずシンガポールには国民の休日があるが、それらは各宗教に関連しているものがあり、キリスト教、仏教、イスラム教の祭日は休日になっている。シンガポール国内に異なる宗教を信仰する人が存在し、それを国全体が理解をしているという点は日本と異なっていると感じた。宗教だけではなく、思想という点での違いも様々なものが存在したが、私に馴染みがなかったものは食生活に関するものだ。例えばハラル食品である。日本でも徐々に増えてきてはいるが、実際にはどのようなものかはよくわかっていなかったためハラルとノンハラル食品で、食後のトレー返却口が違っていたり、友人にハラルの人と同じテーブルでノンハラル食品を食べるのはやめておこうと言われたりして自分が異なる習慣を持つ人と同じ空間で生活をすることに対しての知識や経験値がなかったということを痛感した。そのほかにも食事を選ぶ際には、ハラルかどうか、ベジタリアンかどうかを決めることができ、異なる食習慣を持つ人を受け入れる体制が整っているという点は日本と異なっているのではないかと感じた。
4つ目は先進国と発展途上国と呼ばれる国の間にある経済面、物価面での違いを大きく感じた。滞在中、観光名所をいくつか訪れたが、マリーナ・ベイサンズとその周辺の金融街は日本では感じたことのない独特の雰囲気があった。夜になっても高層ビルの明かりが消えず24時間ビジネスが動いているように感じられた。1度、金融街の中にある銀行の支店を訪れ、お話を伺う機会があったが、その際も多国籍で多様性のある環境の中で、シンガポールがアジアの経済の中での大きな役割を果たしているという話が強く印象に残った。シンガポールの物価は非常に高く、留学期間中に円安が進んだ影響もあり留学中に物価がさらに上がっていくことを実感しながら生活していた。シンガポールはほぼすべての食品を輸入に頼っているため、全てのものの値段が高く、食費は日本で生活していた時の2倍以上かかり、常に値段を気にして買い物をしていた。
一方で私は滞在中にマレーシアとインドネシアを訪れた。シンガポールと比べると物価が安く、特にマレーシアはシンガポールから橋を1つ越えるだけで物価が明らかにシンガポールと比べ安くなったり、インフラ面においての違いが目に見えてあったりするなど非常に興味深い経験になった。インドネシアでは自国通貨のルピアが通貨として比較的弱いため物価が更に安く、またインフラや衛生面でのシンガポールや日本との違いはさらに大きいように感じた。物価という点においては各国でのビッグマックの値段を見ていたがシンガポール、マレーシア、インドネシア、日本で比べる際には明らかに違いがあった。
私はこの留学を通して上記のようなことを学んだ。この留学を通して得た経験や新たな価値観を今後の就職活動や社会に出るときに活かし、グローバルで多様な環境で活躍することのできる人材になりたい。また言語の面においてはまずは英語の能力を更に向上させることができるように日々努力していきたい。
2022年度 SIM留学体験記 PDP6期生
経済学部 経営学科 PDP6期生(2020年4月入学)
千葉県立千葉高等学校 出身
■留学先大学:Singapore Institute of Management
■留学期間(現地滞在期間):2022年9月~2023年5月
千葉県立千葉高等学校 出身
■留学先大学:Singapore Institute of Management
■留学期間(現地滞在期間):2022年9月~2023年5月
- 学習面について
Singapore Institute of Management (以下SIM) では、Macroeconomics, Microeconomics, Core Management Concepts, Statistical Methods for Market Researchの4科目を履修していた。基本のスケジュールとして、各科目1週間に1コマ180分の授業が1回あった。武蔵大学PDPでは各科目1週間に90分×2コマだったので(2021年度まで)、総授業時間は同じだが、集中力をより長く保つ必要があった。また、やはりどの科目の先生もシンガポールの独特なアクセント (いわゆる「シングリッシュ」) でお話しされるため、初めはほとんど聞き取れず焦ったこともあったが、聞き取れなかったところを質問しているうちに、徐々に理解できるようになった。また、ひと授業に1人は知り合いを作るようにすることで、自習の進捗状況や聞き逃した部分を質問できたので、初回授業で勇気を出して声をかけたのが重要だったと感じた。
勉強方法に関しては、武蔵大学でPDP科目を履修しているときと大きく変わらず、予習や復習、過去問の演習などを地道に行った。しかし、SIMで履修した200番代の科目は、今まで履修してきたIFPやBSc100番台の科目とは少し性質が異なると感じたのも事実だ。今まではSubject Guideや授業のスライドを読めば直感的に頭の中でその状況が思い描け、そのため理論も実感を持って覚えることができていた。しかし、200番代の科目からは、具体的な状況例を思い浮かべるのが難しく、そもそも何のトピックについて話しているのか、その中の何がポイントなのかを読み取り理解するのに長い時間を要した。そのため、他のEssential Readingやインターネットの論文や動画を使って調べるなど、深みにハマってしまうこともあったので、効率的に試験勉強をするという意味ではそこが反省点だったように思う。
自習方法に関しては、SIMは少なくとも留学当時は授業録画を提供してくれていたので、それをよく利用して復習していた。場所はSIM大学内の図書館か自習スペースだが、図書館はとても寒いので、女子の多くは自習ペースで勉強していた。私も自習スペースで自習していたが、午前中まで授業があって午後からではすべての席が埋まっているときは、自宅に帰って勉強した。賃貸契約するときにWifiのスピードや快適さにこだわってよかったと思った。 - 生活面について
食事は、ランチは学校で、夜ご飯は家で自炊していた。ランチはS$4~6くらいで済ませられるため、武蔵大学の学食と変わらないくらいだった。自炊が許されている物件だったため、夜ご飯は自炊することが多く、スーパーで食材を買って帰っていたが、お肉や魚などの値段が高いので、安くなるセールの時に買うなどの工夫は必要だった。ただ他の海外に比べて、シンガポールでは日本の食材や調味料はほぼすべて揃っているため、食が原因でホームシックになることはほとんどなかった。
平日は勉強している時間が長かったが、休日はよく友達やフラットメイトとカフェや観光地に出かけた。シンガポールの物価は高いため、毎週観光客のように遊んでしまうとかなりお金がかかってしまうが、ローカルな遊び方もたくさんあるため、シンガポール人の友達とたくさん遊んだ。カフェやレストランに行くと、少なくともS$20~40ほどかかってしまうところ、綺麗めで新しいホーカーやコピティアムに行けば変わらず美味しいものがS$5~10で楽しめるので、よく行っておしゃべりを楽しんだ。ローカルなところに行くと、かなり訛りが強くなり、稀に中国語しか話せない方もいたが、皆優しくて親切なので、安心して身振り手振りで楽しむことができる。
治安に関しては、かなり安全で、昨今の日本よりも安心して暮らせるような気がする。そのため、日が沈むまでに帰らなきゃいけないとか1人で歩いてはいけないということはほぼ全くなく、勉強に集中するにはとてもいい環境だと思う。 - 文化について
アジア圏内ではあるため、欧米ほど個人主義的ではなく、調和を重んじつつも、自分の譲れない主張はしっかりと発言する文化だと感じた。それは友人関係でも表れていたように感じた。日本人の大学生同士では意見がぶつかり喧嘩したりすることはかなり稀のように思うが、シンガポール人同士では大学生でも意見が合わなければ激しく口論することはよくあり、友達同士がディスカッションを通してさらに仲良くなっていく様子は、日本の大学生にはない友人文化だと感じた。
また、友人たちの家を訪れた際に、シンガポール人の文化や宗教の多様性を強く感じた。一口にシンガポール人と言っても、中華系・マレー系・インド系などの違いによってさまざまなバックグラウンドを持っており、家の内装や宗教的なレイアウトが大きく異なるため、HDB(国民の7割が住んでいる国営マンション)内の隣り合う部屋同士で、全く異なる宗教が共存している様子はとても印象深かった。飲食店でも様々な宗教や食のポリシーに配慮したメニューが用意されているのが標準であり、全員が住みやすい環境を協力して創っている様子は、シンガポールの多様性を重んじる文化をよく表していると思った。