SIM留学体験記 2024年度

国際教養学部 経済経営学(EM)専攻 PDP8期生(2022年4月入学)
宮城県・私立宮城学院高等学校 出身
■留学先大学:Singapore Institute of Management
■留学期間(現地滞在期間):2024年9月~2025年6月
2024年の秋から2025年の夏にかけて、私はSingapore Institute of Management(SIM)にて約10ヶ月間の留学を経験しました。高校生の頃、私はアメリカと日本に留学した経験もありましたが、当時は学校側や先生方、ホストファミリーが生活の多くをサポートしてくださり、自分で何かを判断したり手続きをしたりする場面は少なかったと思います。それに対して、今回の留学では、旅行すらしたことない国でビザや住まい、授業の手続き、トラブルの対応まで全て自分で行う必要がありました。「海外で生活する」ことの本当の意味を、改めて実感する経験となりました。
宮城県・私立宮城学院高等学校 出身
■留学先大学:Singapore Institute of Management
■留学期間(現地滞在期間):2024年9月~2025年6月
2024年の秋から2025年の夏にかけて、私はSingapore Institute of Management(SIM)にて約10ヶ月間の留学を経験しました。高校生の頃、私はアメリカと日本に留学した経験もありましたが、当時は学校側や先生方、ホストファミリーが生活の多くをサポートしてくださり、自分で何かを判断したり手続きをしたりする場面は少なかったと思います。それに対して、今回の留学では、旅行すらしたことない国でビザや住まい、授業の手続き、トラブルの対応まで全て自分で行う必要がありました。「海外で生活する」ことの本当の意味を、改めて実感する経験となりました。
- 学業面での挑戦 SIMでの授業は、基本的に講義形式が多く、武蔵での授業スタイルに似ている部分がありました。ただ、やはりシンガポール特有のSinglishやインド系のアクセントがかなり強い先生がいらっしゃるのと、ほとんどの授業の進むスピードが武蔵にいる時よりも倍くらい早いので、最初の方はついていくのに苦労しましたが、段々慣れていくと、スピードやアクセントの違いにも少しずつ対応できるようになり、授業の内容も理解しやすくなっていきました。また、SIMでは一コマの授業が3時間で、最初は3時間にわたる授業に集中し続けるのが難しく、途中で何度も集中力が途切れてしまっていましたが、後半になるにつれて自分なりのペースをつかみ、最後の方はしっかりと3時間集中して受講できるようになりました。
- 異文化の中での暮らしと生活環境への適応 今回の留学では学生寮ではなく、日本から一緒に留学した友人と大家さんとシェアハウスをして生活しました。高校時代は学生寮で生活し、高校卒業後は上京して一人暮らしをしていたため、全くの初めてというわけではありませんでしたが、シンガポールでの契約形態やルールが日本と大きく異なるため、最初の家探しは想像以上に大変でした。
- 吹奏楽と人とのつながり 今回の留学中、久しぶりに吹奏楽を再開したことは、自分にとってとても大きな意味がありました。小学校から高校時代に続けていた楽器を、シンガポールで再び演奏する機会を持てたことは、生活のリズムや精神的な安定にもつながり、勉強以外の面での充実感を与えてくれました。
- 留学を通して得たもの この約10ヶ月の留学を通して、私は単に語学力を伸ばすだけではなく、様々な面で自分自身の中に少しずつ変化が積み重なっていったことを感じています。毎日の中で出会った新しい人や出来事、思うようにいかなかったこと、想像以上に楽しかったこと、その全てが自分の視野を広げ、これからの自分に深く影響を与えるような経験だと思っています。
SIMでは履修できる科目の選択肢が多く、ソーシャルメディアの経営やマーケティングなど幅広い分野に触れることができた点は非常に魅力でした。また、SIMでは同じUoLのコースを履修している学生も多くいるため、学内には勉強する雰囲気が自然と周囲にあり、モチベーションを維持しやすい環境でした。特に、試験が近づくと、図書館やキャンパス内の共有スペースでは多くの学生が勉強しており、自分も自然と机に向かう習慣がついていきました。実際、試験勉強を通して自分の中で変化を感じたのは、「計画的に学習に取り組む姿勢」が少し身についてきたことです。以前は試験前に焦って勉強することも多かったのですが、今回は早めに復習を始めたり、どの科目にどれだけ時間をかけるかを自分で考えて進めたりするようになったので、少なくとも勉強方法や取り組み方に関しては、これまでよりも確実に良くなったと感じています。
また、中間や期末に出された課題は、実際の試験形式に近い内容になっており、解答の構成を意識して取り組むことで、本番に向けた良い練習にもなりました。こうした積み重ねを通じて、課題でできなかった部分を復習することで、自分の学び方を見直す機会にもなったと思います。
さらに、現地の気候や食生活にも最初は中々慣れることができず、体調を崩すことが何度もありました。シンガポールは一年を通して高温多湿な気候が続くのと、外食が油っこく味付けの濃いものが多かったこともあったため、特に最初の方は体調の管理に苦労しました。
そうした中で、少しずつ現地の気候や生活リズムに体が慣れていくとともに、日本にいる時よりも自炊をするようになり、自分の体調や好みに合った食事を整えることができるようになりました。慣れない土地で健康を維持することの大切さや、自分自身の生活リズムをつくる力の重要性を改めて感じました。
また、シンガポールでは生活費が高く、物価の感覚にもずれがあり、出費が思った以上にかさんでしまいました。そこで、家計簿アプリを使い始めたことで、自分がどれくらいお金を使っているのかを可視化できるようになり、節約や計画的な支出を意識するようになりました。これまでなんとなく過ごしていた日常に対して、お金の使い方や生活を管理する力への意識が高まったことは、大きな学びの一つでした。
所属した吹奏楽団は日本人駐在員を中心に構成されていますが、現地のシンガポール人のメンバーも多数在籍しており、色々な人と関わることができました。日本語と英語が入り混じる中で練習や会話をする中で、自然と文化の違いや考え方の違いにも触れることができ、音楽を通じた交流も多く、音楽の持つつながりの力を感じることができました。
また、団体のメンバーの多くが社会人だったため、練習の進め方や時間の使い方、責任感の持ち方など、演奏以外の面でも多く学びました。限られた時間の中で練習に取り組み、演奏会にも参加したことで、留学生活にメリハリが生まれ、心の支えにもなりました。勉強とは異なる形で目標に向かって努力し、仲間とひとつの成果をつくり上げる経験は、協力する喜びや達成感を実感させてくれました。
最初のうちは、日常の些細なこと一つひとつにも戸惑うことが多く、自分の思うようにいかない場面もたくさんありましたが、そうした中で一つずつ考えて決めていくことを繰り返すうちに、自分のペースややり方が見えてきた気がします。語学力だけではなく、どこにいても自分らしく生きていけるように思える気持ちが、少しずつ自分の中でできているように感じています。
また、シンガポールという多文化社会の中で過ごすことで、自分が当たり前だと思っていたことが、実際はそうではないと感じることが何度もありましたが、色々な価値観があることを受け入れたり、尊重したりすることの大切さを感じる機会にもなりました。
この留学での経験が、これからの進路や人生にすぐ答えをくれるわけではありませんが、自分で決めて、自分で動いて、ちゃんと最後までやりきったことは、今後どんな場面でもきっと支えになると思います。これからもこの経験を忘れずに、迷った時には自分の選択を信じて、一歩ずつ進んでいけたらなと思います。