SIM留学体験記 2022年度

経済学部 経営学科 PDP6期生
経済学部 経営学科 PDP6期生(2020年4月入学)
千葉県・県立千葉高等学校 出身
■留学先大学:Singapore Institute of Management
■留学期間(現地滞在期間):2022年9月~2023年5月
  1. 学習面について
    Singapore Institute of Management (以下SIM) では、Macroeconomics, Microeconomics, Core Management Concepts, Statistical Methods for Market Researchの4科目を履修していた。基本のスケジュールとして、各科目1週間に1コマ180分の授業が1回あった。武蔵大学PDPでは各科目1週間に90分×2コマだったので(2021年度まで)、総授業時間は同じだが、集中力をより長く保つ必要があった。また、やはりどの科目の先生もシンガポールの独特なアクセント (いわゆる「シングリッシュ」) でお話しされるため、初めはほとんど聞き取れず焦ったこともあったが、聞き取れなかったところを質問しているうちに、徐々に理解できるようになった。また、ひと授業に1人は知り合いを作るようにすることで、自習の進捗状況や聞き逃した部分を質問できたので、初回授業で勇気を出して声をかけたのが重要だったと感じた。
    勉強方法に関しては、武蔵大学でPDP科目を履修しているときと大きく変わらず、予習や復習、過去問の演習などを地道に行った。しかし、SIMで履修した200番代の科目は、今まで履修してきたIFPやBSc100番台の科目とは少し性質が異なると感じたのも事実だ。今まではSubject Guideや授業のスライドを読めば直感的に頭の中でその状況が思い描け、そのため理論も実感を持って覚えることができていた。しかし、200番代の科目からは、具体的な状況例を思い浮かべるのが難しく、そもそも何のトピックについて話しているのか、その中の何がポイントなのかを読み取り理解するのに長い時間を要した。そのため、他のEssential Readingやインターネットの論文や動画を使って調べるなど、深みにハマってしまうこともあったので、効率的に試験勉強をするという意味ではそこが反省点だったように思う。
    自習方法に関しては、SIMは少なくとも留学当時は授業録画を提供してくれていたので、それをよく利用して復習していた。場所はSIM大学内の図書館か自習スペースだが、図書館はとても寒いので、女子の多くは自習ペースで勉強していた。私も自習スペースで自習していたが、午前中まで授業があって午後からではすべての席が埋まっているときは、自宅に帰って勉強した。賃貸契約するときにWifiのスピードや快適さにこだわってよかったと思った。
  2. 生活面について
    食事は、ランチは学校で、夜ご飯は家で自炊していた。ランチはS$4~6くらいで済ませられるため、武蔵大学の学食と変わらないくらいだった。自炊が許されている物件だったため、夜ご飯は自炊することが多く、スーパーで食材を買って帰っていたが、お肉や魚などの値段が高いので、安くなるセールの時に買うなどの工夫は必要だった。ただ他の海外に比べて、シンガポールでは日本の食材や調味料はほぼすべて揃っているため、食が原因でホームシックになることはほとんどなかった。
    平日は勉強している時間が長かったが、休日はよく友達やフラットメイトとカフェや観光地に出かけた。シンガポールの物価は高いため、毎週観光客のように遊んでしまうとかなりお金がかかってしまうが、ローカルな遊び方もたくさんあるため、シンガポール人の友達とたくさん遊んだ。カフェやレストランに行くと、少なくともS$20~40ほどかかってしまうところ、綺麗めで新しいホーカーやコピティアムに行けば変わらず美味しいものがS$5~10で楽しめるので、よく行っておしゃべりを楽しんだ。ローカルなところに行くと、かなり訛りが強くなり、稀に中国語しか話せない方もいたが、皆優しくて親切なので、安心して身振り手振りで楽しむことができる。
    治安に関しては、かなり安全で、昨今の日本よりも安心して暮らせるような気がする。そのため、日が沈むまでに帰らなきゃいけないとか1人で歩いてはいけないということはほぼ全くなく、勉強に集中するにはとてもいい環境だと思う。
  3. 文化について
    アジア圏内ではあるため、欧米ほど個人主義的ではなく、調和を重んじつつも、自分の譲れない主張はしっかりと発言する文化だと感じた。それは友人関係でも表れていたように感じた。日本人の大学生同士では意見がぶつかり喧嘩したりすることはかなり稀のように思うが、シンガポール人同士では大学生でも意見が合わなければ激しく口論することはよくあり、友達同士がディスカッションを通してさらに仲良くなっていく様子は、日本の大学生にはない友人文化だと感じた。
    また、友人たちの家を訪れた際に、シンガポール人の文化や宗教の多様性を強く感じた。一口にシンガポール人と言っても、中華系・マレー系・インド系などの違いによってさまざまなバックグラウンドを持っており、家の内装や宗教的なレイアウトが大きく異なるため、HDB(国民の7割が住んでいる国営マンション)内の隣り合う部屋同士で、全く異なる宗教が共存している様子はとても印象深かった。飲食店でも様々な宗教や食のポリシーに配慮したメニューが用意されているのが標準であり、全員が住みやすい環境を協力して創っている様子は、シンガポールの多様性を重んじる文化をよく表していると思った。