金融学科 ゼミの学び

キャッシュレス決済が 進む国、進まない国の違いとは?

身近な話題から為替まで 各種データを用いて分析

身近な話題から為替まで 各種データを用いて分析
データ分析を通じて世界の金融市場における現象を考察する(専門ゼミナール第1 部・第2 部)
いができるキャッシュレス決済。若い世代を中心に当たり前になりつつあるキャッシュレス決済ですが、国や地域によってその導入比率に違いはあるのでしょうか。実態を調べるとともに、背景にあるものや違いが生まれる理由などを金融に関する多様なデータベースから調べていくと、国によるキャッシュレス決済比率の違いには政策対応や人口構成の違いなどが影響していることがわかってきました。   同様のデータ分析を用いて、本ゼミでは為替や金融、経済に関連した事象への理解を深めています。たとえば、以前の日本であれば、戦争や金融危機などの不確実性が高まる状況になると一気に円が買われて円高になりました。それは、円が「安全資産」とみなされていたためだと考えられてきました。ところが近年では、ロシアによるウクライナ侵攻という有事にもかかわらず円安傾向にあります。それは円が安全資産ではなくなったためなのか。このようなケースでも、国内外のさまざまなデータベースから該当するデータを見つけ出し、分析することで理由を探っていきます。そうして実践的に金融や経済の知識を深めるとともに、データ分析の手法を習得していくこともめざしています。

3回のプレゼンを通じて 研究テーマをより深く理解

3回のプレゼンを通じて 研究テーマをより深く理解
本ゼミでは国際金融・経済について学習します。知識を深めるため、キャッシュレス決済のような経済トレンドも含め、学生が関心を持ったテーマでグループごとに研究活動を行います。自ら調べ、考える力を育むため、こちらからは極力答えを出しません。アドバイスする場合も複数案を提示しますが、そこから1つを選ぶのは学生自身です。自分で研究成果を作り上げる達成感が成長につながると考えます。プレゼンテーション能力の向上もめざしています。人前で話すためには自分自身が正確に理解している必要があり、人に伝えることでさらに理解を深めてほしいと考えるからです。その実践の場として他大学と合同で行うインゼミ、経済学部のゼミ大会、本ゼミ内で行う英語での個人プレゼンテーションという3回のプレゼンの機会を設けています。本ゼミに入るまで英語でプレゼンをした経験のある学生はほぼいませんが、チャレンジすることで英語を学ぶモチベーションが高まることも期待しています。

大野 早苗 教授

一橋大学商学部卒業。
同大学院商学研究科修士課程修了、博士後期課程単位取得。博士(商学/一橋大学)。
高千穂大学商学部助教授、武蔵大学経済学部准教授を経て、2011年より現職。
専門は国際ファイナンス。