武蔵のゼミを知る5つのキーワード

武蔵のゼミを紐解く

武蔵大学が重視する「ゼミ」の目的は、周囲の学生との知識や思考の違いを認識した上で、新たな考えや課題解決策を創造していくこと。ここに「知と知を摩擦する」武蔵のゼミの真髄があります。巻頭では、学生一人ひとりの知性を磨き上げるためのゼミの仕組みをキーワードから紹介していきます。

5つのキーワード

全学生が4年間

ゼミ室

継続的な知見の蓄積が発想の引き出しを増やす

武蔵大学では、1年次から全学生がゼミをスタートさせ、4年間にわたる体系化されたカリキュラムのもとで学びを深めます。さまざまな研究テーマに挑み、幅広い知識が身につくばかりでなく、テーマごとに現状分析や調査、発表などを繰り返すことで研究手法に関する多様な知見が蓄積されます。この経験値が、未知の課題と対峙した際の思考のベースになり、対話や新たな発想の源泉になるのです。
※国際教養学部国際教養学科経済経営学専攻の1年次は、ゼミに代わる少人数形式の授業を予定しています。

武蔵のゼミは、知のスパイラル

 課題に対する調査・分析に始まり、意見をまとめ、議論を通じて内容の精度を高めていくゼミのサイクル。これを何度も経験するなかで1本のスパイラルが形成され、新たな発想を生み出す原動力になります。

知見と経験を積み重ねて成長します

1年次から(1)現状分析→(2)課題発見→(3)調査→(4)討論→(5)発表→(6)振り返りのサイクルを積み重ね、レベルアップしていきます。

12名*の少人数形式

「知と知の摩擦」が学生の思考を揺さぶる

すべての学生が主体的に参加できる人数を重視。一人ひとりが周囲の多様な価値観、刺激に満ちた考えにふれ、自分の意見を磨きます。自分と他者との双方向のコミュニケーションで協働的に学び合うことに、ゼミの意義があります。議論を深めるべく質問を投げかけ、さまざまな意見を整理するのが教員の役割。学びを繰り返すなかで、自学自習では到達できない新たな知見の獲得をめざすのが、武蔵大学のゼミです。
1ゼミ当たりの平均人数
武蔵大学のゼミ
 <教員の声 / 人文学部 ヨーロッパ文化学科 香川檀 教授>
—一人ひとりへの専門的な指導が可能—
私からの一方的な説明ではなく、 学生が互いの発表から新たな気づきを得て、 理解を深めることを重要視しています。そのなかで個々の学生の興味に応じて的確にアドバイスを行 えるのは、 少人数だからこそです。

<学生の声 / 人文学部 ヨーロッパ文化学科 2016年4月入学>
—深い議論で視野が広がる最適な距離感—
少人数だからこそ、時間をかけて充実した発表をできるのがゼミの魅力です。その分、周囲からの意見や質問も多く、発表後はディス カッションに。 これが発見につながり、物事を多面的に見る大切さを実感させてくれます。

教員のバックアップ

オフィスアワー
武蔵大学では、学生のゼミ活動を実り豊かなものにするために、全方位から徹底サポート。ミスマッチを防ぐために、教員がゼミのテーマや授業の進め方などを紹介するガイダンスや面談を実施するほか、ゼミに入った後も、学生が自由に相談できるオフィスアワーを設けています。教員は学部学科の垣根を越えた情報交換などを行い、ゼミ内容の改善を図っています。

400以上の豊富なゼミ

武蔵大学のゼミ

学生の探求心に応じて研究テーマを選択可能

さまざまな専門領域を持つ教員が集い、学生一人ひとりの興味・関心に応えるゼミが武蔵大学には豊富に用意されています。学生は、所属するゼミで担当教員の専門知識に応じたアドバイスを存分に活用しながら、自分自身が専門的に研究したいテーマを主体的に設定。「知のスパイラル」によって理解を深めながら、4年間の集大成となる卒業論文・卒業制作に取り組むことができます。

学びを広げる+51ゼミ

プラスαの学びが新たな「知」を育む

各学科のゼミに加えて「総合科目〈実践セクション〉」や「学部横断型ゼミナール・プロジェクト 」※など、少人数のゼミ形式で学べる授業があります。どれも学部や分野を越えた学びで、他学部の学生との交流が新たな「知」を創造するもの。物事を多角的にとらえる視点や、そのベースとなる幅広い知識が身につくなど、より高度な成果が得られます。

※学生がそれぞれに身につけた専門性を応用して、企業のCSR報告書を作成し、企業担当者の前で発表する産学連携型の授業です。異なる学部の学生がひとつのゼミで学ぶことで、横断的なアプローチによる課題解決の重要性を認識するとともに、社会で求められる「多様な視点」を身につけることを企図しています。
学部横断型ゼミナール・プロジェクト

学生の声

人文学部 英語英米文化学科(2016年4月入学)
他分野の人と学ぶ場合は、まず相手の意見を間くことが大事だと実感しました。意見が分かれたときでも相手の意見を尊重した上で自分の意見を述べ、議論をうまくまとめられるようになり、成長を感じました。
社会学部 メディア社会学科(2016年4月入学)
CSR報告書の作成という未経験の研究に挑戦し、複雑な作業を分担しながら、チームのなかで主体的に行動する力が身につきました。実際に企業の方とお会いしてお話を聞く経験ができたのも、良い刺激になりました。
経済学部 金融学科(2016年4月入学)
一緒に授業を受けることのない他学部の人たちと活動することで、自分が学部で学んだことの強みを再確認できました。また、自分では思いつかない発想やアイデアを得ることができ、視野が広がりました。

成果を発表する4舞台

達成感も悔しさもすべてが成長の糧になる

ゼミ大会
武蔵大学では、学生が成長を実感できる集大成の場として、学部ごとに研究成果を発表する機会を設けています。学生はスライド資料をつくり込み、発表内容の台本を作成。制限時間内に収まるように何度もリハーサルをして臨みます。研究の意義や価値を他者に説明し、証明するための場でもあり、日々のゼミ活動を有意義にするためにも、この発表の場を重要視しています。

学外にもある発表の場

インターゼミナール
大学生観光まちづくりコンテスト本選の様子
武蔵大学では、他大学と共同でプレゼンテーションやディスカッションなどを行うインターゼミナール、通称「インゼミ」も実施しています。 毎年高い評価を受けており、学内での発表と同様に、インゼミを目標に設定する学生もいます。ほかにも、さまざまなコンテストに出場しています。
武蔵のゼミは1951年から
徹底した少人数教育は武蔵大学の前身にあたる旧制武蔵高等学校時代からの伝統です。これを受け、武蔵大学も創立当初から全学生が履修できるゼミをカリキュラムの中心に置いてきました。
1951(昭和26)年にはすでに1年次から4年次までゼミが必修となり、フェイス・トゥ・フェイスの教育が学生の学習に効果を発揮したのです。当時多くの大学が規模の拡大を目指していた中、武蔵大学では独自のシステムを徹底。こうしてゼミナール制度は、武蔵大学の教育の根幹として受け継がれ、同時に絶えず時代とともに進化を続けながら「ゼミの武蔵」として、社会から高い評価を受けることになりました。