プロジェクトの目的

武蔵大学は開学以来、少人数制で自ら調べ、自ら考える「ゼミナール」での教育に力を注いできた伝統があり、この「学部横断型ゼミナール・プロジェクト」はそれをさらに発展させたものです。
異なる学部の学生が、ひとつのチームを構成し、それぞれの学部の専門性を共有しあい、協働せずには解決しえない課題を与えることによって、「横のつながり」の重要性を認識させ、自己管理力、チームワーク、リーダーシップ、そして生涯学習力の向上を目指しています。

学部横断でひとつのチームを構成、ひとつの課題に取り組む

学部横断でひとつのチームを構成、ひとつの課題に取り組む
Mission1
異なる専門性・価値観をもつ複数の学部の学生同士がひとつの課題に向けて取り組むことで、同一学部内のゼミでは経験したことのない種類のチームワーク、リーダーシップ、自己管理力を育成する。

Mission2
プロジェクト期間を通じて、各種評価ツールの活用、SNS(ブログ)への活動記録の記入、事前・中間・事後のキャリアコンサルティングを実施。単なる課題解決にとどまらず、生涯学習力につながってゆく「正確な自己評価」能力の育成を目指す。

Mission3
課題=「社会課題への提案」を通して、企業の内側から、社会の一員という立場に立って社会活動を見つめ、「社会的責任」を果たすことの意義と難しさを実感させる。

武蔵大学の教育理念と学部横断型ゼミナール・プロジェクト

武蔵大学の教育理念と経済学部、人文学部、社会学部、国際教養学部の四学部の全学年が同じキャンパスで学ぶという立地を生かし、学部の枠にとらわれることなく、他学部の良い点や異なった考え方を学びながら、自らの学部の専門性も再認識する体制を構築したのが本プロジェクトです。

武蔵大学は建学の三理想を教育の原点とし、「リベラルアーツ&サイエンス」の理念に従って、総合知と専門知ならびに他者と協働する力・実践力の育成を教育の基本目標としています。大学で学んだ「知」を生かしながら、企業からの課題を受けて、PBL*という学習方法を実践することで、自らの専門がどのように社会に役立つのか、そして生かされるのかを実感できるように構築されています。

課題は「社会課題への提案」です。セメスターの前半は各学部の特性を生かした分析を行い、中間発表会で報告します。後半は、学部横断チームとなり、前半での各学部の調査結果を生かして、協働で担当企業が果たしてきた社会的役割を明らかにするとともに、企業を通してどんな未来を創っていったら良いのか提案する小冊子を作成します。最終報告会では、企業の方を招いて最終成果をプレゼンテーションします。


* PBL=Project-based-learning

このプロジェクトの目的

社会課題について調査し、小冊子を実制作することを通して、学生自らも一市民として持続可能な社会を築くために果たすべき役割を意識することを目指しています。また、今まで知らなかった他学部の学生とその専門性に触れ、協働で一つのものを作りあげる活動を通して、異なる考え方や価値観を知り、現実社会を生きる上で必要となる「多様な視点」を学生が身につけることを企図しています。また授業を通して、実際の企業の方とのコミュニケーションがとれるので、実社会を深く知る機会となります。大学の専門性と実社会の間の隔たりが問題視される現在において、大学での専門性を感じつつ、社会でそれを応用するための両者の「橋渡し」となることを目指して本プロジェクトは設計されています。

「学び」としての利点

このゼミナールは、あくまでも学生の「学び」のために企画されたものであり、実社会を疑似体験するキャリア支援的側面は二次的なものとなります。それは以下のような考えに基づくものです。

このゼミナールでは、普段あまり知ることのない他学部の「学び」に直接触れるため、相互理解が必要となります。異なる分野を知ることにより、今まで強く意識することのなかった自らの「専門」の意義を確認することができます。分担を行う際、自分にできることは何か、そして他の人に任せ、助けてもらえることは何かをはっきりと自覚することになります。武蔵大学では、リベラルアーツ&サイエンス教育によって総合知・専門知・他者と協働する力・実践力をバランスよく身につけてほしいと考えています。そのため、大学の<知>を漠然としたものと感じたまま卒業してほしくはありません。むしろ、自らの専門のもつ意義を確認し、誇りを持って足場を固めてもらえることを願っています。