センターからのメッセージ

総合知を身につけ、実践力を養う

武蔵大学は学部学科(専攻)の学びとは別に全学生に向けた分野横断的な共通の学びの機会を提供しており、それをリベラルアーツ&サイエンスと呼んでいます。リベラルアーツとは人が自由かつ自律的に生きるために必要な総合知と実践力を得させる学問の総称であり、古代ギリシア・ローマ時代の教育にさかのぼります。古くは文法・修辞学・弁証法・算術・幾何・天文・音楽などから成り、体育の理論と実践を含むこともありました。リベラルアーツの精神は現代の大学制度のなかでは教養科目もしくは総合科目などの授業群に反映されていますが、武蔵大学では英語・ドイツ語・フランス語・中国語・韓国朝鮮語などの外国語科目を含み、かつ全学共通の専門科目も組み入れています。第二の専門である副専攻もリベラルアーツ&サイエンスの学びの一部です。サイエンスとは法則や理論、観察や実験、データの収集や分析を重んじる科学を意味し、専門性が高いと言えますが、それらの基礎的部分はリベラルアーツの学びと重なっています。サイエンスの代表例は物理学や化学、生物学などの自然科学ですが、経済学や社会学、政治学などの社会科学もサイエンスの仲間です。

武蔵大学のリベラルアーツ&サイエンスは文理の壁を越えること、つまり文理融合を目指しています。総合科目に自然科学系の授業が置かれているのはそのためです。一部の専門科目も理系の教員が担当しています。理系の専門家たちがどのようなファクトに注目し、データを提供しているかを知り、総合知を身につけて各人の専門知を補ってください。なお専攻分野によっては数学や統計学などの数理科学の活用も不可欠です。

リベラルアーツ&サイエンス教育センターは全学生対象の総合科目の企画立案と運営に責任を負っています。副専攻の運営もセンターの役割です。総合科目は「情報とコミュニケーション」「歴史と文化」「現代社会」「自然と環境」「心と体」「ライフマネジメントとキャリアデザイン」の6分野で構成されており、センターと各学部の教員が協力するなかで授業を展開しています。総合科目には講義セクションと実践セクションがあり、後者は実験や実習を含む少人数授業です。学部学科(専攻)で専門知を深めると同時にリベラルアーツ&サイエンスの学びを通じて総合知に磨きをかけ、応用力・実践力も養ってください。4年間の学修を通じて獲得した知と力を用い、各人の将来の希望や目標を実現させ、他者と協働しながら人類共通のグローバルな問題や課題の解決に取り組んでください。