ダイバーシティセンター長からのメッセージ

20234月よりダイバーシティセンターが発足しました。本センターは、学生が有する多様な個性を尊重し、その能力を十分に発揮できる環境を整えることを目的に設置されたものです。

 

2016年に「障害者差別解消法」が施行され、2015年には「文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針」が公表されました。本学も「障害学生支援基本方針」に基づき、施設のバリアフリー化や別室受験等の定期試験に関する支援など、様々な支援を行って参りました。

 

大学における学びでは幅広い教養と高い専門的能力が求められますが、障害の有無にかかわらず、学生が必要な能力を身につけられるよう、大学は責任をもって環境整備に取り組む必要があります。しかし、従来は在籍している障害のある学生を念頭に置いた支援が中心で、あらゆる障害の種類・程度に対応した支援が実施可能な体制とはなっておりませんでした。支援の実施には専門的知見などを要するものもあり、本学の既存の経営資源だけでは十分な対応が困難な場合もありました。

 

そこで、ダイバーシティセンターを新たに設置することとなりました。センターには専門のコーディネーターが常駐し、学生の支援ニーズを伺った上で、各部局と連携しながら支援方法を決めていきます。また、多様な支援ニーズに応えられるよう、学外の有識者とも連携を図って参ります。

 

ダイバーシティセンターの支援対象には、障害学生だけではなく、セクシュアルマイノリティ学生、異なる文化・宗教等をバックグラウンドとする学生など、多様な学生が含まれます。すべての学生が障害等の有無によって分け隔てられることなく、互いに個性、能力を認め合い、誰もが安心して充実した大学生活を送れるよう、サポート体制を構築して参りたいと思います。
 

副学長・経済学部教授 大野 早苗