2024年度の活動報告
活動の実績
研究会ではHirata氏のブラジルで生まれ、日本での「デカセギ労働」体験、歌のもった位置づけ、そしてブラジルに帰国後の移民アーティストとしての活動やその体験から考えたことなどを聞くことができた。それにより、さまざまな国での「移民」であることの意味とダイバーシティについての理解が深まったといえるだろう。
研究会第2回は、2024年11月25日にセミクローズドで行われた。自分が男性同性愛者であることを著作に書くに至った経緯や、当時の状況、社会のありかた、出版の意図などを話してもらうとともに、現在のジェンダーやセクシュアリティという概念の理論的な検討、フェミニズムとゲイの解放運動の現在と将来的展望、LGBT概念やクィアといった概念がもたらしたものなどについて語ってもらった。プライバシーの観点から、参加は研究会のメンバー、学生、知り合い等に限られたが、密度の濃い話を聞くことができた。
研究会第3回は、2024年12月16日に行われた。『ビリガマ 高卒に厳しくなってきたゲイ社会をたくましく生きる店子の日常』(2024年ポット出版)『ぼくは、かいぶつになりたくないのに』(2018年日本評論社)などの著作をもつ漫画家青井こうき氏と、ユニット『八方不美人』メンバーの女装歌手ちあきホイみ氏に、現在の活動にいたるライフヒストリーなどと、LGBTの現状について話していただいた。とくに青井氏は、セクシュアルマイノリティであることと階層や学歴、また成育歴などの関連について、ちあき氏には女装歌手にいたる人生と職業との両立について、話していただいた。会場からは、非常に考えさせられ力づけられる話であったという声を多数いただいた。