2007年度の活動報告

武蔵大学経済学部経営学科 高橋徳行

1.活動の概略

今年度(2007年度)は、現地ヒアリング活動として、北海道帯広市で地元の素材を活用したり、地元の市場にターゲットを絞ったりすることによって、競争力を構築している企業3社の事例、生食用のりんごで行き詰った産地を高付加価値の加工品を開発することによって新しい産業の創出と、地元のりんご農家の経営の安定化を実現した青森県板柳町の町役場主体の活動事例、そして日本古来の主食である米を活用し、酒の醸造メーカーが、保湿機能改善効果のある米のエキスや潰瘍の治療に効果のある米のエキスを開発し、苦節40年の末、30億円企業に育てた事例を取材した。

講演会活動としては、2月16日に、大型店進出によって活気を失った倉敷駅前の商店街を、ハードではなくソフトの資源(歴史的資源)を見直し、ハイタッチなサービスを重視することで活気を取り戻すことに大きな役割を果たした商店街振興連盟の元会長を招いた。その他、2月23日には、当研究会の代表である高橋が、今までの活動を振り返り総括するための報告会を行った。さらに、3月5日には、武蔵大学経済学部経営学科の授業の一環で行なわれた練馬駅南口商店街の活性化プロジェクトに参加した学生の報告会を後援した。

それ以外の活動としては、懸案であった、当研究会の名簿の整理、ニュースレターの発行(計2回)を行い、また、取材時の記録等のために必要な機器類を購入するなど、組織運営の制度化のために必要な措置も講じた。

来年度(2008年度)は、研究会発足5年目に当たることから、ニュースレターの発行の定着化、統一テーマによる定例研究会の実施などを、新たな目標として、活動を継続していきたい。

表 2007年度活動実績一覧

日時

テーマ

主な内容

第1回

2007年9月11~13日

コミュニティ・ビジネスの経営(地元密着型の経営)

現地調査

1.株式会社柳月の現地ヒアリング
2.株式会社山本忠信商店の現地ヒアリング
3.株式会社東洋農機の現地ヒアリング

第2回

2008年2月12

地方自治体によるコミュニティ・ビジネスの展開

現地調査

青森県板柳町の現地ヒアリング

第3回

2008年2月16

テーマ
商店街の活性化

講演会

倉敷商店街振興連盟会長西山敬二氏による「江戸末期の朝市復活」をテーマとした講演会の実施

第4回

2008年2月23

テーマ
コミュニティ・ビジネスとアントレプレナーシップ

報告会

武蔵大学経済学部の教員である高橋徳行が、今までの活動のまとめと今後の方向性を考えるために報告会を行なった

第5回

2008年3月18

テーマ
日本古来の技術を生かしたベンチャービジネス

勇心酒造株式会社の現地ヒアリング

参考

2008年3月5日

テーマ
商店街の活性化

練馬駅南口商店街活性化プロジェクトに参加した学生による報告会を後援