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2018年度活動報告

武蔵大学経済学部 高橋徳行


【2018年度の活動実績の概略】
 
 今年度は、大きく分けて2つの活動を行った。
 第1は、コミュニティビジネス「研究」講座の実施である。この講座は、2012年度から継続して実施している。研究講座は、コミュニティビジネスをより深く学習したい人やすでにビジネスを始めている人を対象に、コミュニティビジネスを取り巻く環境や周辺のホットな話題を取り上げ、関心だけある人、自分では始めるつもりはないがサポートすることに興味のある人、これから始めることを検討している人、そしてすでに始めている人たちなど、幅広い人たちを対象としていることに特徴がある。最終的な狙いは、コミュニティビジネスにかかる「コミュニティ」の形成である。そのため、研究講座は、単に講師の人が話しをして「終わり」というのではなく、最後の30分程度を、参加者同士の交流の場にあてている。
 今年度も計5回実施した。今年度のテーマは日本の伝統産業とした。
 受講者の、テーマに対する興味の高さは一貫しており、講演者と受講者間の活発な議論が見られ、「コミュニティの形成」という使命は果たせている。しかし、参加者が今回も定員割れをしたことは反省点である。受付窓口は、昨年度と同様に武蔵エンタープライズに置いたが、今年は区報の掲載も行わなかったため、周知不足は引き続き今後の課題としたい。講座のコンセプトは表1、各講座の日時、タイトル、講師名は表2、参加人数は表3に示した。
表1 コミュニティビジネス研究講座コンセプト
 地域に根差して培われてきた伝統技能や産業では今、事業継承の困難に直面しながらも、インバウンドを含めた観光事業への参入や、グローバルな取り組みが増えています。新しい切り口で地域の活性化を牽引する、コミュニティビジネスの事例として、伝統産業の温故知新をお聞きします。






表2 コミュニティビジネス研究講座の実施内容
開催日時タイトル(テーマ)講師
第1回平成3011月20日(火)
18:30~20:30
日本の伝統を次世代につなぐ仕組みづくり森 恵里佳氏
株式会社和える 
第2回平成3011月27日(火)
18:30~20:30
「加賀百万石の漆芸」
金沢漆器の継承
岡 能久氏
株式会社能作
代表取締役会長
第3回平成3012月 4日(火)
18:30~20:30
地域産業と傘文化の継承
~傘村創成に向けて~
橋本 肇氏
株式会社福井洋傘
代表取締役社長
第4回平成3012月11日(火)
18:30~20:30
今、日本の古いが新しい。
老舗企業にワクワクを。
高田 尚志氏
高田織物株式会社
専務取締役
第5回平成3012月18日(火)
18:30~20:30
「伝統産業を絶やさない!」
打刃物士たちの挑戦の軌跡
加茂 勝康氏
タケフナイフビレッジ
協同組合理事 伝統工芸士
表3 受講人数(定員30名)
第1回第2回第3回第4回第5回
受講者総数15名14名15名16名15名
内 学生数 3名 1名 4名 3名 4名

 第2は、地域のコミュニティをベースとする活性化の取り組みに関する現地調査である。
 今年度は4つの地域に対して、計4回のヒアリング調査を行った。日程、テーマ、そして主な内容は、表4のとおりである。継続調査1件と新規調査3件である。
 
表4 現地調査の概要
日程テーマ等主な内容
2018年
10月6日
現地調査
福井県福井市
地域活性化
(新規)
地域の伝統工芸の産地は、激増するインバウンドの増加によって、地域から世界へ市場が拓かれ高付加価値が見出されつつある。その現状と課題について、現地調査した。打ち刃物と洋傘の企業の取り組みを、コミュニティビジネス講座で紹介し、研究会に還元した。
2019年
2月24日~25日
現地調査
岡山県西粟倉村
地域活性化
(新規)
地域起業の成功事例として、現地調査を行った。
森林が95%以上を占める源流の村が、森の再生を通じ、地域の雇用や活性化につなげる地域づくりビジョン「百年の森林構想」を策定した。以来、30社のベンチャー企業が創出され、現在は、年間の出生数が20人を超えるなど、自然増によって1500人台を維持している。現地のベンチャー企業についてインタビューと視察体験を実施した。
2019年
2月26日~27日
現地調査
岡山県倉敷市
児島
地域活性化
(新規)
地域の伝統工芸の技術力に、高付加価値が見出されつつある企業の取り組みの実態について、現地調査した。コミュニティビジネス講座で紹介された畳縁の企業、高田織物株式会社の視察および、デニムの世界的産地と評される児島「ジーンズストリート」活性の中心人物にインタビューを実施した。
2019年
3月29日
~30日
現地調査
沖縄県読谷村
地域活性化
(継続)
地域資源を生かした活性化策をさらに発展させるために、新たに閑散期への対応策として、琉球ランタンフェスティバルというイベントを開催し、集客している。その取り組みに関する現地調査および継続調査。
 
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