2017年度の活動報告

武蔵大学経済学部 高橋徳行

2017年度の活動実績の概略

 今年度は、大きく分けて4つの活動を行った。
第1は、練馬区産業振興公社(練馬ビジネスサポートセンター)主催の講座「創業!ねりま塾『子ども起業塾』~社会ってどんなところ?~」の開催である。企画、場所の確保、当日運営のサポートを大学と練馬区が協働し、講座そのものは外部講師に依頼するという形を取っている。詳細は、表1のとおりである。

表1 「創業!ねりま塾『子ども起業塾』~社会ってどんなところ?~」の実施内容

日時

729日(土) 10:0018:00
※開催場所、武蔵大学1号館1201教室

参加人数

20名(定員20名)

対象

小学4~6年生

講師

コーディネート講師
川口 佐和子氏(中小企業診断士)
造形指導
清水 聖氏(株式会社飛翔舎「アトリエそるり」代表取締役)

講座内容

 起業する際に必要な経営知識を得たうえで、チームごとに会社を起業する。紙粘土で作成した商品を販売し、その売り上げを競う形で進められた。未来の産業人材育成も加えて、紙粘土での商品作成から子どもの創造力を養う狙いもある。

 第2は、コミュニティビジネス「研究」講座の実施である。この講座は、2012年度から継続して実施している。研究講座は、コミュニティビジネスをより深く学習したい人やすでにビジネスを始めている人を対象に、コミュニティビジネスを取り巻く環境や周辺のホットな話題を取り上げ、関心だけある人、自分では始めるつもりはないがサポートすることに興味のある人、これから始めることを検討している人、そしてすでに始めている人たちなど、幅広い人たちを対象としていることに特徴がある。最終的な狙いは、コミュニティビジネスにかかる「コミュニティ」の形成である。そのため、研究講座は、単に講師の人が話しをして「終わり」というのではなく、最後の30分程度を、参加者同士の交流の場にあてている。
 今年度も計5回実施した。今年度は、女性起業家をテーマに、さまざまな立場で、女性をサポートしている人たちに講演を依頼した。テーマに一貫性を持たせたことは、良い試みであった。しかし、反省点としては、参加者が定員割れをしていることである。今年度も練馬の公設掲示板での告知ができなかったため、周知不足が原因の一つと考えられる(区報の掲載については協力いただいた)。受付窓口は、昨年度と同様に武蔵エンタープライズに置いた。
 各講座のテーマ等は表2、そして参加人数は表3に示した。

表2 コミュニティビジネス研究講座の実施内容

 
開催日時
テーマ
講師
第1回
平成29年10月3日(火)
18:30~20:30
起業だけで終わらせない。成長を続ける会社がやっていること
五味渕 紀子(株式会社YPP代表取締役)
第2回
平成29年10月10日(火)
18:30~20:30
高齢者の在宅生活を支える配食サービス
高薮 信子(社会福祉法人グリーンコープ配色サービスパセリ管理者)
第3回
平成29年10月17日(火)
18:30~20:30
少子化に生き残る子育てビジネス
小西 由美枝(プリメックスキッズ株式会社代表取締役)
第4回
平成29年10月24日(火)
18:30~20:30
女性のキャリアとバランス~「私」だからできる企業経営
中村 真理(ケアオブクローバー株式会社代表取締役)
第5回
平成29年10月31日(火)
18:30~20:30
ママ世代マーケティングによる企業経営
阪部 恵以子(株式会社SOHIE代表取締役)
開催場所
武蔵大学1号館2階1203教室

表3 参加人数(定員30名)

実施日

10/3

10/10

10/17

10/24

10/31

参加人数

17

18

13

20

18

 第3は、研究会内で講演会を開催し、地域のコミュニティビジネスについて、「官民一体となった地域活性化——読谷ククルリゾート沖縄の挑戦と成果——」をテーマに、最新の情報を共有したことである。詳細は、表4のとおりである。

表4 講演会の実施内容

日時

1217日(日)14301630
※開催場所は、武蔵大学1号館1402教室である

テーマ

官民一体となった地域活性化
——読谷ククルリゾート沖縄の挑戦と成果——

参加人数

8

講師

國吉 眞哲 氏 (株式会社読谷ククルリゾート沖縄代表取締役社長)

講座内容

読谷村にある「むら咲むら」という観光施設の再建に際し、地域がどのように協力し、発展してきたのか解説してもらった。その後、平成27年から取り組んでいる琉球ランタンフェスティバルでの、行政・地域・商工会(民間企業)との連携について解説いただいたのち、参加者で議論した。

 第4は、地域のコミュニティをベースとする活性化の取り組みに関する現地調査である。
 今年度は2つの地域に対して、計2回のヒアリング調査を行った。日程、テーマ、そして主な内容は、表5のとおりである。継続調査1件と新規調査1件である。

表5 現地調査の概要

日程

テーマ等

主な内容

1

2018220日~22

現地調査
沖縄県読谷村
地域活性化

地域資源を生かした活性化策をさらに発展させるために、新たに閑散期への対応策として、琉球ランタンフェスティバルというイベントを開催し、集客している。その取り組みに関する現地調査および継続調査。

2

2018328日~30

現地調査
石川県七尾市
地域活性化

大型旅館が支配的地位にある七尾市の和倉温泉が、地域という面でのまちの魅力化に対して、どのような取組みを行っているかを調査。特に、北陸新幹線が平成273月に金沢まで延びたことによる変化。