メディア社会学科 教授 庄司 昌彦

他大学ゼミとの交流と切磋琢磨

庄司ゼミの3年生14名は、(公財)情報通信学会の「次世代ネット政策研究会(NIPC)」に参加し、他大学のゼミとの交流を積極的に行っています。この研究会に参加しているのは、青森公立大学・経営経済学部の木暮祐一ゼミ、明治大学・国際日本学部の田中絵麻ゼミ、中央大学・総合政策学部の実積寿也ゼミ、静岡大学・情報学部の高口鉄平ゼミ、中央大学・総合政策学部の中村周史ゼミ(6月のみ)、東洋大学・経済学部の生貝直人ゼミ(6月のみ)、そして武蔵大学・社会学部の庄司昌彦ゼミの6大学7ゼミです。今年度は6月と10月の2回、それぞれ2日間の会合を行いました。

この会合では、情報通信技術(ICT)やデータ活用の最前線で活躍されている方のお話を直接うかがう機会を設けています。6月の会合では、まず新宿にあるLINE本社を訪問し、社内見学と人工知能(AI)を活用したビジネスの背景や具体的なサービス開発の経緯などについてお話をうかがい、活発に質疑応答を行いました。また合宿を行う東京都多摩市の多摩永山情報教育センターに移動してからは、内閣府が主催した地域経済分析システム(RESAS)アプリコンテストで最優秀賞を受賞した多摩信用金庫・たましん地域経済研究所の中西英一郎さんを迎えて、データ活用の具体的な手法などについてのレクチャーと、政府で「証拠に基づく政策形成(EBPM)」を進めている小倉將信衆議院議員(元・総務大臣政務官)と内閣官房行政改革事務局の八木雅彦さんからEBPMについてのレクチャーを受けました。

10月の会合では、Yahoo! Japan本社でコワーキングスペースを見学し、データ活用とプライバシー保護、信用スコアサービスなどについてのお話をうかがい、教員と学生が一緒になって活発な議論を行いました。またゲスト講師として国際政治分析の専門家である川口貴久さん(東京海上日動リスクコンサルティング)をお招きし、世界各地で行われているソーシャルメディアなどを活用した選挙干渉やフェイクニュースの実態などについてお話をうかがいました。

この研究会活動のメインは学生間の交流と切磋琢磨です。6月の会合では大学・ゼミの壁を越えた混成チームをつくり、「携帯電話料金において、通信料金と端末本体の料金を分離すべきか否か?」など情報通信政策やビジネスのあり方についてのディベートを行いました。情報通信産業分野のコンサルタントであるクロサカタツヤさんやLINE公共政策室長の福島直央さんから情報通信政策についての解説を受けたあと、千葉大学の横田明美先生の指導のもとで夜遅くまで準備をし、翌日の討論に臨みました。

10月会合では、研究発表大会を行いました。5大学6チーム(武蔵大学庄司ゼミは2チーム)が日ごろのゼミ活動の成果を15分の発表にまとめ、お互いに鋭い質問をしあって、その論理性や独創性などを競いました。

◯実積寿也ゼミ(中央大学)

・邦画に対する文科省補助金の効果検証

◯田中絵麻ゼミ(明治大学)

・テレビ番組編成の変遷にかかる分析

◯木暮祐一ゼミ(青森公立大学)

・ドローンを活用した地域プロモーションと法規制

◯高口鉄平ゼミ(静岡大学)

・信用スコアのサービスとしての展開可能性

◯庄司昌彦ゼミ(武蔵大学)※2チーム

・医療現場を救うAIを活用した働き方改革

・地域課題解決とシェアリングエコノミー

わが武蔵大学庄司ゼミチームはAIと医療現場の働き方改革を扱ったチームが準優勝しました(!)。医師の長時間労働の実態と原因をさまざまな観点からデータを使って示し、働き方改革に役立つAIの活用法と具体例を3種類に整理して、普及に向けた課題・対応策などとともに紹介しました。質問の部でも、惜しくも受賞は逃したものの最優秀質問賞まであと一歩の学生もいました。

武蔵大学社会学部で学んでいる庄司ゼミの学生には、経済学的な手法による分析や、地方ならではの問題意識などは、とても新鮮に感じられたようです。また、入れ代わり立ち代わり積極的に質問をする他大学の学生の姿には大いに刺激を受けたようでした。

現在、庄司ゼミの3年生は卒業論文に向けたテーマ検討に入っています。この研究会で他大学の学生と交流し切磋琢磨した経験をふまえて、より視野の広い、優れた研究がなされることを期待しています。






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