学部横断ゼミブログ

2022.04.01

  • 先輩から未来の履修生へ

横断ゼミその後⑥ 

ブログ投稿者:山田 萌佳(メディア社会学科2022年3月卒業)

先輩から未来の履修生へ」は、これから横断ゼミの履修を考えている学⽣や興味を持っている⽅に向けて、実際に横断ゼミを履修した先輩たちが履修時やその後の経験について語ってくれるページとなっています!

6回目となる今回お話を伺ったのは、2020年夏に「学部横断型ゼミナール・プロジェクト(学生制作紹介ムービー)」を制作した大場瑞希さんと、横断ゼミその後①でも取材させていただいた八尋勇磨さんです。
彼らは2019年度後期に学部横断ゼミを履修しましたが、それ以前からの友人だったそうです。同じ時期に履修し、別々のチームのリーダーとして履修時のチームを引っ張った、ライバルであり相談相手だという2人。履修から2年経ち、その間に就活や卒業論文などを乗り越えた2人は、今何を語ってくれるのでしょうか。

<横断ゼミその後>の過去5回のインタビュー記事では、「自身の能力や考え方にどのような変化・成長があったか(→その①、その④)」「その後の活動(ゼミや就活)でどう活きたか、新たにどんな挑戦をしたか(→その②その③その⑤)」など、学部横断ゼミを履修した学生の<その後>に着目した記事の内容でした。

そこで6回目となる今回は、「履修当時の難しかったこと・失敗したことは何か」「それを今現在改めて振り返ってどう感じるか」に焦点を当て、漠然と「難しい・大変」と言われている横断ゼミが「何が・どう」難しくて大変なのか、深堀りしていきます。


撮影時のみマスクを外しています
大場 瑞希さん
学部学科:社会学部メディア社会学科 2022年3月卒業
学部横断ゼミ履修年度:2019年後期 株式会社西尾硝子鏡工業所担当チーム

八尋 勇磨さん
学部学科:社会学部社会学科 2022年3月卒業
学部横断ゼミ履修年度:2019年後期 南富士株式会社担当チーム

2019年度後期フェーズ1の様子
:履修から2年が経ちましたが、当時を思い返してみてどうですか?
八尋:履修中はもう精一杯というか、あんまり色々考える余裕がなかったというのがリアルなところです。履修直後は達成感というよりも、「しんどかった!」「終わった!」「解放された!」という気持ちが大きかった気がします(笑)。

大場:当時は自分たちを冷静に見ることはできなくて、目の前にある課題をずっとやっているという感じでしたね。


:履修中特に悩んだことは何ですか?
八尋:僕はチームリーダーの役割を担っていたので、何をやるにしても、「リーダーとしてこうしなきゃ」、「こういうことを言わなきゃ」、という思いが強すぎて、チームメンバーとうまく噛み合わず空回りしてしまうことが多く、特に人数が増えたフェーズ2ではすごく悩んでいました。

大場:僕もチームリーダーだったのでチームビルディングの悩みはありましたが、どちらかと言えばフェーズ1の方が悩みました。もう片方のチームとめちゃくちゃ比較してしまう、という時期があって。「向こうのチームはまとまっているのに…」とか、「向こうのチームは進捗順調に進んでるのに…」とか、「向こうはいい感じに八尋がまとめてるけど、俺うまくまとめられてないな…」とか。

八尋:今考えると、各々チームの色があるから比べる必要がないと分かるのですが、どうしても隣の芝生は青い的な感じで相手がよく見えてしまって。不甲斐ない気持ちになることは確かに多かったです。

2019年度後期フェーズ2の様子
:なるほど、隣の芝生が青く見えても、隣の芝生の人も同じことを思っているのですね。
大場:そう!(笑)  結局チームの雰囲気とか向き不向きがあるので、隣のチームが正解というわけではないのですが、当時は「なんでこんなうまくいかないんだろう…!」と、もがいている感じでした。

八尋:横断ゼミではみんながみんな違う悩みや考え方を持っているからこそ、お互いがよく見えてしまうのはあるあるな現象ですね(笑)。




横断ゼミ履修者がよく口にする「成長」の言葉—。
しかし履修中は余裕がなく、ただがむしゃらに突き進んでいたという2人。成長がすぐに実感できなかったことも悩んだ点だと言います。
成長は、落ち着いて自分自身を客観的に見られるようになって初めて実感できるものなのかもしれません。
2019年度後期履修生たちが制作した担当企業のCSR報告書
:チームは別々でしたが、お互い同じような悩みを持っていた中で、助け合ったり、チームを越えて支え合ったりすることはありましたか?
大場:めちゃめちゃありました。初めの頃はチームリーダーとして悩んでたけど、その時はチームの人に相談できなくて、違うチームの八尋に全部相談してましたね。

八尋:本来はチーム内で話し合うことが大事だし、それは先生方からも散々言われていることでした。今になればそれが持つ意味がわかりますが、頭がパンパンで余裕がなかった当時は無理なわけで。僕もチームの皆に自分の悩みをしっかり伝えられてはいなかった気がします。
ただ、1人で履修を決めたから1人で悩んで困るわけではないです。先生に相談する機会は多いですし、授業中に3回の機会があるキャリアコンサルタントとの面談は、もっと大事にしておけばよかったと改めて思います。

大場:あとは、部活の友達や学部のゼミの友達など、横断ゼミの事情を知らない人にも、相談したり、相談にも至らない愚痴をこぼしたりするだけで気持ちが楽になります。横断ゼミで忙しくなると相談の時間が無駄に思えてしまいがちですが、その時間は絶対大事にした方が良いと思っています。



2019年度後期の最終報告会後に行った2チーム三学部のチームリーダーが集まっての振り返りの時間。役割分担ごとの振り返りの時間もある
:当時の悩みや挫折経験は、その後のステップアップに役立ちましたか?
八尋:意外と本気を出せば色々できるなと横断ゼミで学び、特にそれを就活で活かせたと思っています。僕は公務員試験を受けたので、投げ出したいことも多々ありましたが、「横断やり切れたんだからもう少し頑張れる」と思えました。

大場:マインドやスキルを高めるきっかけを横断ゼミで作り、そこから先も引き続き力を伸ばせれば、人として強くなっていくと思います。それを履き違えて、自分のアピールのネタとして横断ゼミを利用するという捉え方をすると、すごくもったいないなと思います。

八尋:確かに。周りと協力して何かを成し遂げた経験としての成長に目が行きがちですが、個人の能力や考え方も大きくスキルアップさせてもらいました。

大場:僕は特に自分を正しく捉える方法をより学べたと思っています。中学高校では吹奏楽部、大学では放送会という自分が経験してきた全く違うジャンルのことが、学部横断ゼミの期間中に「この立ち位置、似たようなことがあったな」と感じる瞬間がありました。今まで点と点であったものが繋がって、自分の能力の限界やこれまで積み重ねてきていたことを、横断ゼミで整理できた感じがします。
:今後社会人になっていく中で、横断ゼミの経験をどう活かしたいですか。
大場:社会人になっても「横断ゼミで得た力をさらに高めて、その都度活かしていくぞ」という意識をもって、横断は横断って片付けてしまわないようにしようと思います。ただ、「横断ゼミでやったことが正しい」というように杓子定規のような考え方をするとダメなんだろうなと思っています。あくまで横断ゼミでやった経験は一つの手法に過ぎないので、そこを「横断でやったことと違うんですけど」という考え方だと、一生学生時代の自分から成長しないかなとは思います。

八尋:横断ゼミのやり方を今後そのまま持っていてもうまくいくとは限らないと思うので、違うやり方を考えてみることを繰り返せれば横断ゼミを取った意義があると思います。横断ゼミで得たそのノウハウや知識を、社会人としてのチーム活動で発揮していきたいです。

:最後に言い残したことがあればどうぞ!
大場:僕は履修を決めた当時は就活のことは全く考えてなくて、たまたま部活の同期が社会学部だけだったので、横断ゼミだったら他学部の友達できるなって軽い気持ちで入りました。なのでCSR報告書を作ることも知らずに入って(笑)。

八尋:僕も大場にガイダンスに連れていかれたことがきっかけで横断ゼミを履修しましたが、初回授業に参加した時に、思ったよりちゃんとやらなきゃなと焦りました(笑)。

大場:就活のためだったり、大学生活のやりがいのためだったり、はたまた何も考えていないでなんとなく履修したり、横断ゼミのスタートはバラバラでも、目標を一緒にすることが大事だとは思います。<CSR報告書作成>という一つのゴールに向かって全員がやれたから、最終的に満足できた結果が生まれた気がします。

八尋:あくまで結果論ではありますが、僕たちの場合は、純粋に興味関心で横断ゼミを楽しめたからこそ良いもの(報告書)ができて、結果就活にも活かせたかなと思います。「目の前のことをがむしゃらに頑張ることは実はすごく大事かもしれない」と改めて感じましたし、挑戦したり、一つのことを頑張ったりすることが楽しいと知らせてくれたのが横断ゼミでした。後輩たちには頑張ってほしいですね。

今回は、当時の苦労したエピソードと、2年経って改めて気づく横断ゼミを通した成長について対談形式でお届けしました。
履修時は大変だという気持ちが大きく、先が見えずに悩んだ中、チームリーダー同士として、そして学部横断ゼミの仲間として、チームを越えて支え合ったという2人。履修後にも更なる挑戦や失敗を繰り返したからこそ、物事に絶対や正解はないことを理解し、横断ゼミで学んだことの活かし方が見えてきたと語ってくれました。
今後の2人の活躍に期待ですね!

【在校生へのお知らせ】2022年度秋学期(後期)履修生追加募集とガイダンス開催について

授業「学部横断型課題解決プロジェクト」では、2022年度秋学期履修生を追加募集を行います。希望者は下記日時のガイダンスに参加してください。
詳しくは、学生ポータルサイト 3Sの掲示板でご確認ください。

【ガイダンス開催日】 4月7日(木) 11時30分~ 1101教室(1号館1階)
【履修申し込み期間】 3月22日(火)~4月18日(月)まで

*対象学部・学年:全学部・全学年