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2005年度活動報告

武蔵大学経済学部経営学科 高橋徳行

2005年度の具体的な活動は表のとおりであるが、解説をすれば次のようになる。

昨年度の調査結果より、浮き彫りになったことは、コミュニティ・ビジネスにおけるアントレプレナーシップの重要性であった。とりわけ、「やってみたい」気持ちが先行しがちなコミュニティ・ビジネスにおいて、課題になるのは、組織の作り込みとその継続である。アントレプレナーシップは、大きく分けて3つの活動から成っている。第1は事業機会の発見・認識であり、第2は事業機会を遂行するために必要な仕組みを構築し、経営資源を調達することであり、第3は事業や組織の維持・継続である。

そのような問題意識のもとで、今年度(2005年度)は、アントレプレナーシップの第2段階と第3段階に焦点を当てた。そこで、ある程度、明らかになってきたことは以下のとおりである。

第1は、コミュニティ・ビジネスは緩やかな人々の集まりの組織から次第に役割分担が明確な組織に時間をかけて変化していることである。ソフトな組織から出発してハードな組織に進化する中で、リーダーが生まれ、組織のルールなどが作られる。最初からハードな組織を形成する営利追求型のアントレプレナーシップとは異なる点である。

第2は、組織の維持は、非金銭的動機付けに依存する割合が大きいことである。どのような組織でも、多様な動機を持った人に支えられているとはいえ、そのウエートが大きいのがコミュニティ・ビジネスの特徴である。そのため、(だからこそ?)何をやるのか、何のためにやるのかといった企業理念が重要になる。

第3は、財・サービスの提供の対価として受け取る収入以外の多様な収入源を必要としていることである。米国のNPO法人の活動も、予算の半分は国や自治体が拠出し、残りの半分を自力で賄うといったパターンがよく見られる。仮に、経常レベルでは自力で収支を合わすことができても、設備投資(減価償却)負担まで自力で行うとなると、そのようなコミュニティ・ビジネスはほんの一握りになるであろう。

以上のように考えると、コミュニティ・ビジネスは一見、一般の営利組織と同じようなことを行っているように思えても、事業を支える経営資源やガバナンスに相当な違いがあるように思われる。

来年度(2006年度)は、この点について、さらに深く絞り込んだ調査を進めたい。
表 2005年度活動実績一覧
日時 テーマ主な内容
第1回 2005年12月7日コミュニティ・ビジネス発生の契機と組織形成1.特定非営利活動法人活き粋あさむしの現地ヒアリング
2.任意団体ふれーふれーファミリーの現地ヒアリング
第2回 2005年12月22日コミュニティ・ビジネスの維持・継続に求められる条件1.特定非営利活動法人とら太の会の現地ヒアリング
2.特定非営利活動法人やつしろ配食サービスワーカーズの現地ヒアリング
第3回 2006年2月25日コミュニティ・ビジネスとアントレプレナーシップ講演会を開催し、次の人たちが講演を行った。
1.NPO法人コミュニティビジネスサポートセンター理事長 永沢映
2.日本ベンチャー学会事務局長田村真理子
3.NPO法人日本子育てアドバイザー協会 副理事長小谷野公代
4.NPO法人せっけんの街理事長比戸壽代
5.株式会社大林組岡田明子
第4回 2006年3月18日「女性たちがつくるねりま」というテーマで講演会+パネルディスカッションを実施。武蔵大学社会学部大屋幸恵教授が中心になった実施したものであり、武蔵コミュニティ・ビジネス研究会は協賛というかたちで協力した。1.基調講演(タウンクリエーター松村みち子)
2.パネルディスカッション(白子川源流・水辺の会代表本田純、東京商工会議所練馬支部女性会会長秋山千枝子、練馬177地域ITリーダーの会会長渡部邦雄、〈コーディネーター)武蔵大学社会学部教授大屋幸恵〉

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