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2008年8月発行

武蔵大学経済学部
高橋 徳行
東京都練馬区豊玉上1-26-1
 

昨年度後半の主な活動報告

昨年度のコミュニティビジネス研究会の後半の活動は2008年2月に武蔵大学にて倉敷商店街振興連盟元会長西山敬二氏をお迎えし、倉敷商店街をどのように して活性化をしていったのかを実体験に基づき興味深いお話をきかせていただきました。ご参加いただいた方々との質疑応答や交流も活発に行われました。

西 山氏は倉敷商店街活性化にあたり、活性化に成功した地域や失敗した地域を実際に視察しています。やはり地域に根付いたビジネスや地域活性というのは外に広 くアンテナを張り巡らし、強いリーダーシップを持っている人物の存在がキーとなるのではないかと感じた講演でした。昨年度最後の現地視察に関しては、青森 県板柳町ふるさとセンターへ訪れました。ふるさとセンターは、りんごによる地場産業(1.5次産業)起こし、体験農業の推進、新しい農業技術の提供の3つ を目的に、町経済活性化の拠点施設として、昭和61年に建設されました。世界各国250種のりんごを栽培する品種見本園、りんご資料館、りんご加工場な ど、生きているりんごの博物館として機能するふるさとセンターの他、工芸館、宿泊施設、公共温泉なども敷地内にあり最近では体験学習の修学旅行者や海外か ら日本のりんご栽培技術を学ぼうとする技術者などが訪れるようになっています。

所長の鈴木清孝氏へのインタビューでは地域活性化プロジェクト発足か現在までの軌跡の詳細をお話いただきました。インタビュー内容は以下の通りです。

プラン決定後の活動
1983年プランがまとまる

≪プロジェクトの内容≫
  • りんごで地場産業おこしを行う・こんなにりんご園がある町は他にないぞという視点で売り出す弘前市や黒石市にはすでに加工場やジュース工場があったため、同じような加工場をつくるというだけの案では太刀打ちできないと考えていた
  • デパートやスーパーで売っているものを市場調査ほとんどが濃縮還元や落ちて生食用として販売できないりんごを使って生産を行っていた
  • 一方で北海道鷹巣町などのトマトジュースなど高くても良いものなら売れるという事実もあった
  • 上記のようなプロジェクト案を厚さが10センチくらいの計画書に仕上げ県の担当者にプロジェクトの説明にいくが、当時は生産面のハードが補助事業の対象であったため中々そのプロジェクトに納得してもらえなかった
  • 補助金の申請に当たっては、県の担当者ではラチが開かなかく、霞ヶ関がよしとするなら県も認めるというスタンスであった
  • 鈴木氏は霞が関の農水省に出向いて説明したところプロジェクトは認められ、指定認定と同時に補助対象としての許可がおりた
プロジェクトの実行
  • せっぱつまった状態だったので何とか前に進めることはできたが、目標としている商品ができていない状態では机上のプランなので、町民に納得のいく説明はしにくかった
  • 完成するまでの間→昭和62年に選挙この時点で竹浪町長7期目であったが自ら推進している
  • ふるさとセンターがかたちになっていなかったため、プロジェクトに対する町の反対が大きくなり立候補断念するまでに至り、反対勢力であった当時の県会議員が町長になったという事態にまで発展した

製品を販売する市場開拓
  • 鈴木氏自らデパートに足を運び販路を開拓した
  • 一番最初は3万2000本を生産し、飛び込みで営業を行っていったたまたま理解してくれた担当者がいたため1週間平台で販売をするテストケースでスタートし、1週間で250万円の売上を上げた
  • 農家にとっての新しいビジネスモデルを提供
  • りんごワークができる前の一般的な農家家族4人りんご農家の実態
  • りんご園1.5ヘクタールから2ヘクタール+水田1.5ヘクタールから2.5ヘクタールを所有
  • りんご栽培の6割を20キロの木箱4500~6000円で販売できるような特選狙って栽培し、残りは下位等級で1000円以下でのまたは規格外として100~200円で買い取ってもらっていた
  • ふるさとセンターりんごワークでは規格外も20キロで1500~2000円で買い取り、それを100%完熟ジュースに製造することを提案
  • りんごワークでは20キロ1箱のりんごから1000円で販売している720ミリのジュースが18~21本できるため上記のような値段での買取が可能となる

≪その他≫
  • 地方自治法で許可を得て、株式会社を設立して物販を始める
  • しかしながら、補助金の適正化に関する法律に違反しているとの指摘を受け民法上の財団法人に切り替えた
  • 製造、販売、卸の昨日を抱えた財団法人の例はなく、鈴木氏自ら公益法人会計協会に出向いて工業簿記商業簿記を自分で勉強した
  • 現在でも、財団法人の理事長等はみな無報酬である
  • りんごワークから得られる利益は町に寄付(多い時で5000万円以上)
  • 公社の職員に昨年から一部の職員に還元(臨時職員を対象に期末)
  • 自前の工場で、14年返済の借入金を7年で完済
  • 鈴木氏は5年前に課長補佐からりんごワークの所長となり、2億円の返済を行った
  • 最初の10年は急激に伸びた
  • 最近の10年は前年比5~10%の伸びを続けている
  • 最近は海外への取り組みを行い2005年には香港にショップをオープン
  • 直販は百貨店で買えない人を対象に行っているのみ
  • 売上比率:6割が百貨店2割が直販小さい百貨店は伊藤忠などを通す

人材教育:
  • 農家の後継者も百貨店に行き、自分が生産している商品がどのように販売されているかを研修させる係長クラスのUターン組を育成し後継者を育てる大阪1週間販売を行った人物が現在は町会議員になっているというケースもあるほど

本年度の活動計画

本年度の研究対象は以下の企業及び地域を予定しております。


豊後高田市観光まちづくり株式会社(大分県豊後高田市)
豊後高田市のさびれきった町を「昭和」をコンセプトに立て直した。立て直しプロセスにあたりアントレプレナーシップがどのように発揮されたのかを調査する。

黒川温泉 温泉街 (熊本県)
温泉街にある24 軒の旅館が温泉組合を中心にスクラムを組んで旅館街改革を行い年間宿泊数が1989 年の約17万人から2002年には約40万人急成長した。活性化に向けた同業者間の組織作りのプロセスを調査する。

株式会社いろどり(徳島県勝浦郡上勝町)
過疎の町が葉っぱビジネスで年商2.5億円までに成長。アントレプレナーシップの発揮とその後の組織づくり、採算性を調査する。

上記研究対象企業への実地調査にあたり、事前の勉強会を開催いたします。ご興味のある方は是非ご参加下さい。

2008 年8月9日土曜日 武蔵大学9号館4階会議室15:00より

豊後高田市観光まちづくり株式会社
調査担当者 関口伸一氏 トップツアー株式会社勤務 和光大学 非常勤講師
黒川温泉 温泉街の活性化
調査担当者 石原裕子


ご参加ご希望の方は メールまたはFAX にてご一報ください。
Mail:charrojp@yahoo.co.jp FAX:050-3384‐4093 事務局 石原宛

武蔵大学コミュニティービジネス研究会はどなたでもご参加いただける研究会です。研究会の活
動に関するご意見、ご提案、ご質問は大歓迎です。メールかFAX にてお送り下さい。
Mail:charrojp@yahoo.co.jp FAX:050-3384‐4093 事務局 石原宛
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