社会学部ゼミブログ

2013.01.30

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1行のタイトルに込められる情熱

ブログ投稿者:メディア社会学科 アンジェロ・イシ

1行のタイトルに込められる情熱01

3年次のゼミ生と4年次のゼミ生は対照的な心境で学期末を迎えます。4年生は卒論の口頭試問という最後の関門も乗り越えて、ホッとした気分を満喫しています。各ゼミの代表者が卒論や作品を発表するシャカリキ・フェスティバル(今年は1月30日に開催!)が卒業式前の最後の大イベントになるわけです。

 

逆に3年生にとっては、この時期のアンジェロゼミは大忙しです。ゼミ生たちは就活と平行して、1年を通してやってきた共同研究の成果物の作成に追われています。インタビュー調査で得た膨大なデータを冊子としてまとめるべく、編集・デザインの作業がいよいよ大詰めなのです。夏の合宿時に伊東の灯籠流しでゼミ生が綴った「研究成功」と「内定ゲット」の公約が重くのしかかります…

1行のタイトルに込められる情熱02
編集作業の中でも、冊子のタイトル決めに並々ならぬ情熱を込めるのがアンジェロゼミの「伝統」です。たかがタイトル、されどタイトル。ゼミ全員が複数のタイトル案を考え、激論を重ねます。研究内容をすべて網羅できているのか、表紙のデザインとの相性は大丈夫か、副題は必要か否か、日本語を母語としない読者に通じるかどうかなど、あらゆる角度からタイトルがふさわしいかを吟味します。もちろん決め手はインパクトです。皆が納得できるタイトルが生まれるまで何週間でも粘ります。
1行のタイトルに込められる情熱03
私が最も気に入っている過去の冊子タイトルを選ぶならば、スポーツとメディアの関係を探った『ワールドカップをただ観ていた人たちへ』です。副題を必要としない、ドキッとさせる挑発が効いています。北京五輪を題材にした『奥運 〜 私たちのオリンピック論』も、「奥運」という謎めいた二文字が興味をそそります(そう、あなたが想像したとおり、この熟語は中国語でオリンピックを意味します)。次の写真のとおり、その年によってタイトルの長さも趣向もずいぶん変わります。
さて、今年の3年生はどうなのかと言えば、ロンドンオリンピックにおける放送の「実況・解説」と人々の「応援・観戦」について研究してきました。そして冊子のタイトルは『五輪伝心』に決まりました。なぜ、以心伝心をなぞる題名になったのか?…作品はもうすぐ完成するので、お楽しみに!