経済学部ゼミブログ

2026.01.13

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インクルージョンを実現する「しくみ」を提案する

ブログ投稿者:経営学科 准教授 内藤 知加恵

経営学科 内藤 知加恵ゼミ
ダイバーシティ&インクルージョンをテーマに活動する内藤ゼミ。今回、ゲストに来ていただいたのは、株式会社スタディストの白鳥裕之さんと、木本俊光さんです。同社は、画像や動画ベースの「ステップ構造」で、誰でも簡単にマニュアルを作成・共有できるクラウドサービス「Teachme Biz」等を展開しています。

このシステムは視覚的な理解を助けるため、近年は障害者雇用における業務の標準化や定着支援に資するツールとしての側面が注目されています。

スタディスト社は、マニュアル活用による生産性向上を讃える表彰制度にも注力しており、2023年には、障害者雇用メンバーを中心に年間2800時間もの生産性向上を実現した事例(「Teachme Biz Award 2023」ダイバーシティ推進賞を受賞 障害者雇用チームへの業務移管により、2800時間の生産性向上に寄与)が表彰されました。また、2025年にもダイバーシティ推進に寄与した事例が複数受賞するなど、多様な働き方を支える仕組みとしての活用事例が蓄積されています。

もう一人のゲストが、石橋恵さん。石橋さんは上記の障害者雇用チームの取り組みの立ち上げを推進されたお一人であり、現在は障害者と事業主・従業員を支援するジョブコーチとして活動されています。
経営学科 内藤 知加恵ゼミ
内藤ゼミ(2年生)では、マイノリティ大学生のインクルージョンに関するリサーチをしました(英語でプレゼンに挑戦「大学生がインクルージョンを感じるとき」)。この結果を元に、ハードとソフト両面での、具体的な提案をしてみました。

このリサーチをもとに、計4チームが発表を行いました。精神障害チームが提案するのは、空き教室を利用した休憩スペース「SMILE POCKET」。アメリカの大学にある、おしゃれな休憩スペースをイメージしました。さらに、その予約システムまでが提案に含まれています。
経営学科 内藤 知加恵ゼミ
下肢障害チームは、「MSS(みんなスマイルサポート)」。Musashi にちなんだネーミングです。引き戸や自動ドアがない教室では、車いすを利用する学生がドアを開けるのはとても大変です。調査でそれを知ったチームメンバーが提案するのは、「ちょっと手伝ってもらう」ためのアプリ。学生に身近なLINEを使って、簡単に周りの学生に「HELP」をすることができます。

聴覚障害チームは、手話に翻訳するアプリ Shubutter(シュバター)。文字起こしではなくあえて手話にするアプリを提案しました。既存のアプリとの違いも示しながら、自分たちのアプリの魅力を伝えました。

トランスジェンダーチームは、トランスジェンダーに関する知識を気軽に学生が学べる「Nijique(ニジクエ)」。大学のポータルサイトからチャレンジできるので、多くの学生が、自然に知識を身に付けることができます。

すべて、自分たちがインタビューやアンケート調査から得た、「インクルージョンに必要なこと」をもとにした、地に足の着いた提案です。
経営学科 内藤 知加恵ゼミ
学生たちの発表に対して、ゲスト講師からは、ただ褒めるだけではなく、多くの改善点を示していただきました。

「そのシステムを提案する場合、導入した企業にはどんなメリットがあるのか」「HELPをして、もし人が集まらなかったらどうするのか」「既存アプリと同じように課金するよりも、別の方法があるのではないか」「非当事者にとってのトランスジェンダーに関する知識の位置づけとは」

学生からは「正直そこまで考えていなかった」「レベルが高くてびっくりした」「プレゼンをして改善点を指摘されたのは初めてだった。より良いものにしたいという気持ちが強くなった」というコメントが挙がりました。

人の発表を表面的に褒めるのは簡単ですが、それは本質を見ていないのかもしれません。学生相手でも、本気で向き合ってくださったからこそいただけた、愛あるコメントの数々。ゲスト講師の皆さんに、心から感謝いたします。

この結果をもとに、インカレゼミでの最終発表に臨みます!(次号に続く)