経済学部ゼミブログ

2025.12.03

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英語でプレゼンに挑戦「大学生がインクルージョンを感じるとき」

ブログ投稿者:経営学科 准教授 内藤 知加恵

 皆さんの周りに、障がいをもつ友人はいますか?トランスジェンダーの友人はいますか?実は気づかないだけで、身近にいるはずの「マイノリティ」大学生に焦点を当て、内藤ゼミの22人のゼミ生が調査をしました。インタビューや質問紙調査で集めたデータを分析した結果、自分たちが知らなかったマイノリティーの困り事が浮かび上がってきました。そこで、障がいとインクルージョンを専門とする先生をお招きし、ディスカッションをすることにしました。カナダ・クイーンズ大学のダニエル・サマシュ先生です。
もちろん、学生たちは英語でプレゼンテーションをします。

え、英語・・・?無理!!
おおむねこんなリアクションだった学生たちの中で、「・・・でもやってみたい!」という有志が今回チャレンジしました。英語で発表をしたり、語学の授業以外で英語を話すのも初めてと言う学生たち。しかもテーマも専門的、ということで、英語が得意な先輩にレッスンを受けました。何度も練習を重ね、ついに、プレゼンする日がやってきました。タイトルは、“When Japanese minority university students feel inclusion(日本人のマイノリティ大学生がインクルージョンを感じる時)”。
最初は緊張していたものの、全員、初めてとは思えない、とても堂々とした英語発表でした。最後は「楽しかった〜!」「やってよかった!」と感想を口にしていました。
発表の後は、ゼミ生全員で、日本語と英語を交えて、質疑応答とディスカッションです。

●日本の大学生はシャイだと私たちは思います。カナダの大学生はどうですか?
●小学校の時に男女でペアになったり、男女を意識する場面が私たちは多かったのですが、カナダではどうですか?
●私たちは、障がいやジェンダーのことを、他の人に聞く事は失礼だと思ってあまり踏み込まないのですが、カナダではどうですか?
●カナダは、人種の多様性が日本よりも高いと聞きますが、日本に来て均質性を感じることはありますか?それはどんな時ですか?

日本とカナダの違いに、みんな興味津々です。
また、困り事解決のためのアイディアについて意見を求めると、サマシュ先生からは「”Nothing about us without us (私たち抜きで私たちのことを決めないで)” という言葉があります。皆さんのアイディアを実現する際に、当事者が入ることが重要です。」という言葉をいただきました。皆、深くうなずいていました。

授業後、サマシュ先生からゼミ生にメッセージをいただきました。「全員が、難しいテーマに真摯に取り組んだことがよくわかりました。学生たちが注いだ膨大なエネルギーがはっきりと伝わってきました。」そしてプレゼンターの勇気とパフォーマンスにも、あたたかい賞賛の言葉をいただきました。「大学の授業は、どれだけミスをしても安全なんだから、何でもやってみたら良い。」とサマシュ先生。本当にその通りです。これからも、ゼミ生には、いろいろな「初めて」を楽しく経験してほしいです。