経験や学びを活かして
生徒に寄り添える
教員をめざす

人文学部 ヨーロッパ文化学科
2021年4月入学

#人文学部 #進路・就職 #在学生

歴史の先生になりたいと聞きました。教員を目指そうと思った理由を教えてください。

私が教員を目指そうと思ったのは、自分の経験を活かして生徒に寄り添える先生になりたい!と思ったからです。私は1度高校を中退し、公立の定時制高校を経て武蔵大学に入学した経緯があります。中学・高校では進路に悩む生徒も多いと思いますが、ストレートに進学するだけではない人生もあるということを伝え、教員として生徒自身が進みたい道を見つけられるような手助けができればと思っています。
 

教職課程で印象に残った授業について教えてください。

 教職課程での学びは様々ありましたが、その中でも特に「教育学特論B」という防災教育について学ぶ授業が印象に残っています。この授業は大学の集中授業期間に2泊3日で宮城県を訪問し、2011年の東日本大震災の被災地を巡ります。フィールドワークでは津波で大きな被害が出た石巻市立大川小学校に行き、語り部の方から震災以前の賑わっていた大川地区の様子や震災当時の状況を聞きながら遺構を見学しました。また、防災を専門的に学ぶ宮城県多賀城高校の災害科学科の生徒の方々と交流し、防災について語り合ったことも印象深いです。

教育実習で大変だったことや嬉しかったことはありますか?

大変だったのは、毎回の授業の準備ですね。私は母校で実習をしたのですが、1回の授業が100分とかなり長い分、授業で用意する教材が多く苦労しました。定時制ということもあり、帰宅の時間が遅い日は、家に帰ってきてから教材の準備をするとどうしても深夜までかかってしまいます。そこで、実習中は帰宅後すぐに寝て、深夜の3、4時頃に起きて準備をしていました。その反面、ある生徒から授業後に「授業が楽しかったです」と言われたのはとても嬉しかったです。また、在学中に私が所属していた部活動や委員会に入っている後輩と苦労話などを共有できたのも楽しかったです。

歴史のどんなところが面白いと感じますか?

私は歴史を学ぶ中で、過去の人びとの営みや試行錯誤を知ることができるのが面白いと感じます。私の専門である近代オーストリア史の「アウスグライヒ」はその典型例だと思います。19世紀の中央ヨーロッパにはオーストリア帝国という大国があったのですが、様々な事情から1867年に国内のハンガリー地域が独立し、1つの国に2つの国家が存在するという「オーストリア=ハンガリー二重帝国」が成立しました。これが「アウスグライヒ」です。他に類を見ないこの国は第一次世界大戦を経て崩壊してしまうのですが、こうしたユニークな歴史的事象や、その背後にある様々な民族による模索と葛藤を読み解いていくことが、歴史の魅力だと思います。

海外旅行で印象に残った国や地域を教えてください。

シュテファン大聖堂
オーストリアの首都ウィーンは印象深いですね。ウィーンは歴史ある街並みが広がっていて、歩いているだけでも楽しいです。ウィーンの中心部にはシュテファン大聖堂という教会があるのですが、ゴシック様式の尖塔は圧巻でした。
また、ウィーンにはかつてこの地を治めていたハプスブルク家の皇帝廟があり、華美な装飾がなされた棺がずらりと並ぶ光景が印象的です。この皇帝廟を訪れたことがきっかけで、私の卒業論文のテーマは「ハプスブルク家の埋葬文化」になりました。

教員を目指そうかなと考えている高校生へ、メッセージをお願いします!

教員という仕事は、自らの経験や学びを発揮しながら生徒の成長を支える職業であると考えています。私は様々な回り道をしながら、教員を目指すことを決めました。そんな経験から、教員志望の方は高校生や大学生のうちにたくさん悩んで、様々なことを経験してほしい!と思います。苦しいかもしれませんが、きっとそれはあなただけの輝きになります。
武蔵大学では自分が所属する学部の専門性を高めながら、教員になるための勉強をすることができます。また学生間の関係が密接で、教職課程の先生や職員の方々も親身に対応してくださいます。もし、あなたの回り道の先に武蔵大学があるのなら、それはとても嬉しいです。