社会学部ゼミブログ

2022.01.20

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自分の考えを伝えることはむずかしい、けど・・・

ブログ投稿者:社会学科 教授 大屋 幸恵

1グループで90分の授業をマネジメントするのは大変。文献研究だけでなく、社会学ではデータ分析も大切!
 「ゼミの武蔵」に期待して入学してくれた学生が多いにも関わらず、この2年間は新型コロナウィルス感染拡大のために、ゼミもオンラインで実施することに。
 オンライン授業のメリットも確かにありますが、初年次生(1年生)にとっては大学の学びは何もかもが初めてなので、やはり「対面」でのゼミの方がいいなというのが、教員としての実感です。説明に対する理解等の学習効果も高まりますし、何よりもメンバーとの「カンケイ」も築きやすくなり、大学におけるある種の「セーフティネット」の形成が可能になるということです。
ディスカッション中も報告者たちは打ち合わせに余念がない
 社会学部の初年次ゼミでは、大学での授業がどのようなものかの説明に始まり、ゼミにおける発表の仕方や討論の仕方、レポートの作成法など大学での学びの「基本的なスキル」や社会学的思考法を身に付けることを目的としています。
 とくに、後期は前期に学んだ「基礎」を定着させ、さらにスキルアップすることを目的としていましたが、後期当初はクラス担当チェンジもあり学生の状況もわからず、何だか「打てども響かない」感じ。学生たちも当時を振り返って、「オンライン授業だったということもあり、私の前期のゼミの受け方が受け身になってしまっていました」(MMさん)と、ちょっと戸惑っていたようでした。
ディスカッションに真剣に取り組んでいる様子はいいね
 そのような状況で、グループ報告が始まりましたが、案の定、90分の持ち時間のところを20分程度で終わってしまうようなことに・・・。教員としても「初めて」の状況に、ちょっとびっくりしたというのが本音でした。
 が、教員もあきらめずに「基礎ゼミ」で学ぶことがいかに、2年次以降の調査ゼミや専門ゼミや卒論執筆にとって重要なのか、つながっているのかを改めて懇懇と説明したところ、それまでとは打って変わって、しっかりと文献研究をした上で根拠データや動画を使って説明するなど、パワーポイントを利用しながらの立派な報告が行われました。「やればできるじゃん!
「らしさ」って何? どんな話が進んでいるのか? 報告者もディスカッションの進行状況を心配そうに見守る
 学生の感想からは、「時には厳しいことや指導を受けたが、それらは自身の基盤に加わり、自身のレベルアップがつながった。最終の報告では、緻密な調査にスライドの制作などを通して「研究」ができた」(MAさん)ことや「自分の興味が様々な方向に向くようになった」(KHさん・WAさん)ことなど、自分の成長を感じられるとのこと。さらに、「1年ゼミで学んでみて自分の意見を正確に相手に伝えることの難しさを改めて感じた。(中略)これはトレーニングしていれば身につくと思うので、今後のゼミでも意識的に頑張っていきたい」(TRさん)という感想もありました。
 1年間ですべてのスキルを獲得することはできませんが、これからも意識的にかつ積極的に自分の能力を高められるように、ゼミに、授業に取り組んでいってほしいと願っています。
 みんなの成長が楽しみです!