社会学部ゼミブログ

2019.12.17

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コントで学ぶメディアと社会とわたし

ブログ投稿者:メディア社会学科 教授 南田 勝也

武蔵大学社会学部教員の南田勝也が監修した丸善『コントで学ぶメディアと社会とわたし』が、2019年末に発売の運びとなりました。「コントで学ぶ」とあるように、ユニークな芝居とともにメディア学の領域の諸問題・諸課題を深く考える映像教材です。詳細は大学HPのこちらで紹介されています。
さて南田の担当したのは3巻「ビッグデータを考える」で、3パートそれぞれの解説で本人も登場しています。ビッグデータは「21世紀の石油」と呼ばれるほど、社会における重要度が高まり、その価値が注目されています。巨大なデータ群を瞬時に処理できるAIの発展によって、人間の行動予測や環境変動の高度なシミュレーションが可能になったからです。しかし、こと人間の行動に関しては、功罪の二面性をもつことを意識しなければなりません。プライバシー権の抵触にとどまらず、「統計的な“傾向”の言いなりになっていいのか」という哲学的人間像への挑戦が含まれるからです。そういった諸課題を、考え、感じ取れる教材になったのではないかと思います。
監修者の特権(?)で、プロトタイプの映像が手に入りましたので、早速ゼミで使ってみました。映像教材は観て終わりではなく、視聴後にさまざまに思考し、ディスカッションを行うことが重要です。コントを見ながら、なぜレストランは女学生の料理の好みがわかったのか? コンビニ客とコンビニ店員はなぜ最終的に意気投合したのか? 2人の相談者はなにに不満を抱いていたのか? そんな風に、問いを発し、想像力豊かな解答を考えてみます。
また、スマホを操作して「あなたへのおすすめ」が示されるアプリの画面を表示してみたり、なぜそれが自分に「おすすめ」されるのか思いつくことがらを挙げてみたり、AIに社会をまかせるとどういった事態が起きるか考えたりするなど、諸々のテーマを話し合い、楽しみながら、私たちを取り巻く社会とメディアについて認識を深めていきます。
ゼミ生諸氏の満足度も高いものとなったようです。パノプティコン!!