社会学部ゼミブログ

2017.10.17

  • 社会学部
  • メディア社会学科

インスタの社会的な意味を考える

ブログ投稿者:メディア社会学科 教授 江上 節子

IMG_0870、専門ゼミのインスタグラムの夏季休み文献研究の討議風景

専門ゼミには、現代の情報とコミュニケーションに敏感な12人が集まりました。前期は、広報論の理論を学び、後期は、グループでミニ研究と調査に挑戦します。社会現象となっている情報行動を分析し、その奥にある傾向や問題、新たな意味などを探究します。

「インスタ映え」という言葉が日常会話に定着したことに着目したグループは、インスタグラムについて、まだ数少ない文献を徹底的に読み込んで、その骨格を発表しました。

「ファッションのフォトジェニック消費などという言葉に踊っていてはいけない」、

「現象だけ見ていてはダメ!」、

「これは、時代のメッセージを読み取る写真集積メディアなのだ!」。

喧々諤々の議論を重ねながら、しだいに認識の枠組みを発展させていきます。最初に背中を押すのは指導教授ですが、エンジンに火がつくと、ゼミ生たちは、自主的に調査対象を絞り込み、自らフィールドへ出かけていきます。顔つきや視線が変わり、現象の奥の意味や本質を探しだす面白さに入り込んでいきます。

調査方法について学ぶ2年生のゼミでは、ホームページの果たす役割やその基本内容、機能、構造、企業姿勢の文献講読をしてから、4つの班に分かれ、調査対象の業界を決めます。学生の立場で理解し得る業界となると、コンビニ、カフェ、ペットショップ、自動車でした。業界研究をしてから、次は、ホームページの調査項目について、予備リサーチを繰り返し、40の調査項目をつくります。
  • 2年調査ゼミでの発表
  • IMG_0853、2年調査ゼミプレゼン結果の比較
IMG_0855、2年調査ゼミの討議
ホームページの情報は、今や、生活する人、消費者にとっての必須アイテムです。パソコンを見る顔に、ニヤリという表情が浮かび、「アッ、肝心の情報が抜けている」、「こういう情報は、公開してほしいよね!」、「ちょっと、デザインや色の使い方に配慮が無いなあ~」などと、ささやかな発見を出し合います。
このような作業を繰り返しながら、ホームページ評価を積み上げていきます。調査の方法は、実習を通して自分のものにしていくことできるので、皆で、ワイワイガヤガヤと検討しながら、協力して進めます。報告書が完成する頃には、学生たちは、ゼミの仲間がいたから、乗り越えることができたと振り返ることでしょう。