社会学部ゼミブログ

2017.07.24
- 社会学部
- グローバル・データサイエンスコース(GDS)
オーストラリアでコミュニケーション力、問題解決力を鍛える
ブログ投稿者:社会学科 教授 大屋幸恵
GDSコースの学生は6月から7月にかけての約1カ月、グレートバリアリーフで有名なケアンズで英語の集中トレーニングを受けました。学部長の私は、彼らの勉強ぶり、生活のようすを見にゼミ担当の垂見先生とともに現地に行ってきました。
この時期、南半球は冬にあたりますが、ケアンズは赤道にも近く、夏の東京とほとんど同じような気候です。3週間ぶりに会った学生たちは、ハードワークにもかかわらず体調を崩すこともなく、一安心といったところでした。
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ケアンズの中心街の一角です。冬でも街を歩く人々は半袖姿 -
学生達が勉強しているCLC(Cairns Language Centre)
■レベル別に分けられる少人数クラス
6月12日から7月20日までの6週間、ケアンズの中心に程近いCairns Language CentreでIELTS(留学などの際に必要な外国語能力試験のひとつ)の得点アップを目指して英語の勉強だけに専念しています。毎週月曜日にはレベルチェックテストがあり、その結果によってクラス編成が行われます。クラスは15人以下で、中国、韓国、台湾、シンガポールのアジアの国々やフランスなどのヨーロッパからの学生に混じって授業を受けます。
授業では、テキストのテーマに関連して、語いを増やすために同じ意味でも違った単語や表現を次々にあげたり、発音のチェックやリスニングと基本的な学習は日本と変わりませんが、指定されたクラスメイトと決められたトピックで対話を続けるペアワークが何回もあります。とにかく自分から話し、相手にわかってもらわなければはじまりません。内容は食習慣や健康、教育や労働など身近なテーマがほとんどです。しかし、そのようなやりとりを通じて、語学だけでなく、海外と日本の社会、文化的な違いを肌で感じる、よい機会にもなっている様子でした。
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先生はとてもフレンドリー だが、授業は緊張感がただよう -
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気の合う仲間とのランチ。ホストファミリーが作ってくれたお弁当でリラックスする学生も -
■ホームステイは楽しくも辛い?
学生たちはオーストラリアでの6週間をホームステイで過ごしています。留学生寮とは違って、現地の家庭の一員となって、衣食住といった生活を共にすることによって、よりその国の文化や価値観、人びとの生活の仕方等を体験することができます。学生たちのホームステイ先は学生の希望と受け入れ先の家族の希望がマッチするように、語学学校の校長先生が自ら選定しています。留学生を受け入れるためにホストファミリー側は事前に研修を受けなければならないということでしたが、20年以上も留学生を受け入れているベテランのホストファミリーも数多くあるとのことでした。
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ある学生のホームステイ先。学校から車で15分くらいの小高い丘の住宅地にある -
実際に学生が利用している部屋。テラスの奥にはマンゴーの木


しかしその一方で、試練もあります。特に生活をしはじめは頃には、英語力の不足もあって相手が何を言っているかわからず、とりあえず「Yes」と答えたら、あまり好きではないサワークリームが大量に出てきて失敗したり、環境に対する考え方の違いもあり、お風呂の使い方や電気の使い方で注意を受けることもあります。さらに、ホームステイ先には他の国からの留学生が滞在している場合もあり、ホストメイトとの関係もまたストレスやトラブルの原因になることがあります。
それでもなぜ、GDSコースはホームステイをさせるのでしょう?
それは、2年次以降のプログラムと関係があります。GDSコースの学生は2~3年生の間に各自が自分で決めた時期に取る「GDS実践」というクラスの準備もかねているからです。GDS実践では協定留学や認定留学、国際ボランティアや国際インターンシップなど、何らかの海外での活動が期待されているため、英語力だけでなく、現地の人と一緒に生活をすることができることも必要です。また自分の考えにとらわれず、その文化に合わせて柔軟な考え方ができるようになること、さらには、トラブルなどがあっても、自分の力で粘り強く解決していく行動力と忍耐力、さらには、相手の考えと折り合いを付けて行く調整力などを、広く身につけておく必要があるのです。