社会学部ゼミブログ

2010.05.17
- 社会学部
- メディア社会学科
野外フェスにて
ブログ投稿者:メディア社会学科 南田勝也

ゴールデンウィークまっただ中の5月1日と2日、南田ゼミ3年生有志を筆頭に、2年生も含めた一行で、宮城県のアラバキロックフェスティバルに出かけてきました。ロックフェスがゼミ活動? 遊びに行っただけじゃなくて?
なにを隠そう、私は音楽社会学という分野を専門的に研究していまして、現代社会と野外フェスティバルについての論文なども書いています。3年ゼミでは「ポ ピュラー文化から社会を見わたす/社会からポピュラー文化を見つめる」をテーマに掲げ、ゼミ生たちはしごく真面目にポピュラー文化の社会学に取り組んでい ます。趣味や娯楽がいかに社会の流れに関係していて、そこに息づく人たちが物事をどのように捉えているのか、こうしたことの発見は、学術的な掘り下げが あって初めて目の前に現れてくるのであって、社会学的に意義深い重要なテーマだと考えています。

ポピュラー文化の中でも音楽について考えたいのであれば、野外フェスは格好のフィールドとなるでしょう。フェスではさまざまなミュージシャンが一堂に集 い、各人各様のパフォーマンスを開催期間中に繰り広げます。今回のアラバキロックフェスでは出演者は総勢100組以上で、2日間にわたり、朝から深夜まで ライブを行っていました。それらをあれこれ見て回るだけでも、それぞれが奏でるサウンド、語る言葉、魅せる振る舞い、生み出す空間性などについて、自ずと 比較的な視点で向き合うことになるでしょう。時には「音楽とは何か」という根本問題をじっくり考える機会にもなります。また、参加する聴衆側のモードとし ても、前列で人と音の渦の中に飛び込んで浸るもよし、後方でじっくり歌を聴くもよし、他の聴衆のコール&レスポンスを観察するもよしと、「音楽を媒介にし たコミュニケーション」について自問するきっかけにつながります。
そして可能であればテントサイトでキャンプをするのがよいですね。端的に楽し いというだけでなく、仲間内での語らいや、見知らぬ人との交流も生まれますから。会場の音楽をBGMに星空の元でスタッキングマグの酒を酌み交わす。 ちょっとした非日常のシチュエーションですが、そこでの対話は忘れがたい記憶となっていつまでも自分の中に残ることでしょう。まあ春先の仙台の夜は心底寒 かったですが……。
そして可能であればテントサイトでキャンプをするのがよいですね。端的に楽し いというだけでなく、仲間内での語らいや、見知らぬ人との交流も生まれますから。会場の音楽をBGMに星空の元でスタッキングマグの酒を酌み交わす。 ちょっとした非日常のシチュエーションですが、そこでの対話は忘れがたい記憶となっていつまでも自分の中に残ることでしょう。まあ春先の仙台の夜は心底寒 かったですが……。
音楽でなくても、映画祭でもコミケでも文学フリマでもいいのです。「現場」に飛び込んで初めて分かることがある、というのは、すべての研究に当てはまる基 本です。私はどちらかといえば思念的な探求の方を好みますし、学生にもそれぞれが「理念」をもつよう期待したいのですが、「理念」は「経験」の裏付けに よって重層的に成長するものなのです。