社会学部ゼミブログ

2009.12.29

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  • メディア社会学科

松本ゼミのインターンシップ

ブログ投稿者:メディア社会学科:松本 恭幸

松本ゼミでは、制作実習等の授業で番組制作の基本を学んだ主に2年生、3年生の希望者を対象に、全国各地のコミュニティFM局、CATV局に約1週間のイ ンターンシップに派遣し、そこでどのように地域に密着したコミュニティFMやCATVのコミュニティチャンネルの放送が行われているのか視察するととも に、東京から来た学生の視点で、その地域の魅力を伝える番組制作を行っています。
コミュニティFM局は、毎年夏休みに鹿児島県鹿屋市のおおすみ半島コミュニティFMネットワーク(http://www.0033fm.net/ )に学生を派遣しており、2008年度は2名、2009年度は5名の学生がインターンシップに行きました。
CATV局は、2008年度が鳥取県米子市の中海テレビ放送(http://www.chukai.ne.jp/ )、2009年度が長野県須坂市のSTV須高ケーブルテレビ(http://www.stvnet.co.jp/ )に、それぞれ秋に4名の学生を派遣しました。また他にも2010年4月にCATV局が開局する熊本県人吉球磨郡山江村に、夏休みに農業研修と住民ディレクター活動の視察を兼ねて2名の学生を派遣しています。
 
インターンシップ先の局で、学生達は具体的にどのような活動をするのか、11月16日(月)から20日(金)まで4名の学生(男子学生3名、女子学生1 名)が5日間のインターンシップに行った、須坂市、小布施町、高山村を放送エリアとするSTV須高ケーブルテレビを例にとって紹介しましょう。
学生達はインターンシップ前日の15日(日)に高速バス等で長野に向かい、長野駅前で現地集合した後、教員の松本の知人で、これまで須坂市を取材で回られ た信濃毎日新聞社の増田正昭論説委員にお会いし、増田氏の案内で月曜からの番組制作の下見を兼ねて現地を訪れ、番組の素材になりそうな地元の話題について お話をうかがいました。
 
翌16日(月)からは、いよいよインターンシップが始まります。朝9時にSTV須高ケーブルテレビに行き、そこ で丸山康照代表取締役社長、成田優子取締役営業本部長兼企画・広報・渉外担当・番組審議会事務局長から、それぞれCATV局が地域で果たしている役割につ いてお話をうかがいました。そして午後は放送課のスタッフの取材・撮影に、学生達は自らレンタカーを運転して同行し、その現場を見学させていただきました。
  •  松本ゼミのインターンシップ
    須高ケーブルテレビが入っている長野電鉄須坂駅前のビル
  •  松本ゼミのインターンシップ02
    須高ケーブルテレビで丸山社長の話をうかがう学生達
  •  松本ゼミのインターンシップ03
    グルメ番組の取材に同行後、撮影した料理をその場でいただく
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過去に放送されたローカルニュースを見ながら自分達が撮る番組を構想
一通りCATV局のコミュニティチャンネルでのローカル番組制作について学んだ後、局に戻ってからさっそく自分達で翌日から取り組む、東京から来た学生の 視点で見た須坂市の魅力を伝える番組制作に向けた企画会議です。ここまで一応、教員の松本の方で引率して局の方と引き合わせをましたが、後は学生達に丸投 げで、脇で黙って見ているだけです。企画会議では、前日に増田さんからうかがった情報も踏まえ、様々なアイディアが出された後、「蔵の街」須坂を取りあげ た番組を制作しようということになりました。
初日の夜は、STV須高ケーブルテレビの若手社員による歓迎会があり、学生達は全員二十歳過ぎでお酒が飲めたため、夜遅くまで盛り上がりました。ここまで教員は同席しますが、翌17日(火)の朝には学生を置いて、午後の授業に間に合うよう東京に新幹線で戻ります。
 
 
この後、残った学生達は、須坂市役所を訪れ市長を表敬訪問(これは市長のブログでも紹介されました)するといった行事をこなしつつ、金曜夕方に完パケで提 出する番組の制作に必死で取り組みます。大学から業務用ビデオカメラ、映像編集ソフト(FinalCutPro)が入ったノートPC(MacBook)、 業務用ビデオカメラ、外付けのマイク、三脚、レフ板等の必要な機材を借りて、みんなで手分けして持ってきました。そして局の中の空いているテーブルのス ペースを借りて、そこで毎日、昼間に撮って戻って来た映像素材の編集を、夜遅くまで取り組みました。
 
そして金曜まで頑張った結果、無事、番組は完成し、翌日の「STVニュースウォーカー」の中で放送されました。学生達は最後の日は、高山村の温泉に一泊してくつろいだ後、東京に戻ってきました。
こうした地方の放送局でのインターンシップを体験した学生は、就職に際して必ずしも東京の大手のマスコミ一本で志望先を考えるのではなく、地方に行って自 分が学生時代に学んだことを活かし、地域づくりのための番組づくりの仕事に携わることを真剣に考えるようになり、インターンシップに行くことの意味は非常 に大きいです。
 
 
松本ゼミでは来年度、新たに島根県のCATV局への学生の派遣を考えており、今後、学生のインターンシップ先をより多くの様々な地方の局へと広げていきたいと思います。