社会学部ゼミブログ

2009.11.15
- 社会学部
- メディア社会学科
質問紙に映る「顔」
ブログ投稿者:メディア社会学科 南田勝也
南田ゼミの2年生の演習では、質問紙調査を行っています。社会調査士資格G科目に対応することもあって、調査仮説設計・質問票作り・配布と回収・コーディング・統計ソフトによる分析・報告書作りと、一年を通じた計画的な作業をつづけています。
本演習では、外に出歩いたり制作を行ったりということはせず、実習室のなかでの作業が主となります。とくに後半は、PCに向かって延々と統計ソフトを操作します。地味な作業といえばそうなのですが、その作業を通じた驚きと発見もしっかりとあります。
本演習では、外に出歩いたり制作を行ったりということはせず、実習室のなかでの作業が主となります。とくに後半は、PCに向かって延々と統計ソフトを操作します。地味な作業といえばそうなのですが、その作業を通じた驚きと発見もしっかりとあります。

写真は、ペーパーに一生懸命「数字」や「記号」を書き込んでいる場面です。といってもテストを受けているわけではありません。回収した質問票に、色付きペ ンで各設問への回答のナンバーを書き込んでいるのです。(この作業をナンバリングといいます)。全体で300票を回収したので、ひとり頭20~25票のナ ンバリングが必要となります。
たとえばWeb調査であればこうした作業は必要ないのですが、実習でいろいろなことを手作業で行うのは大切なプロ セスだと考えています。なぜなら、手作業で取り組むことによって、質問紙に回答してくれた人たちの「個性」が浮かび上がる瞬間を感じとることができるから です。
ゼミ生は(作業の苦労を紛らわすため?)思うがままに声を上げています。
たとえばWeb調査であればこうした作業は必要ないのですが、実習でいろいろなことを手作業で行うのは大切なプロ セスだと考えています。なぜなら、手作業で取り組むことによって、質問紙に回答してくれた人たちの「個性」が浮かび上がる瞬間を感じとることができるから です。
ゼミ生は(作業の苦労を紛らわすため?)思うがままに声を上げています。

「この人は月のお小遣い、いくらでも使えるんだって!」
「あー、仮説にぴったり当てはまる人、いたよー」
「隅っこにメッセージ書いてくれてる (^_^)」
「あー、仮説にぴったり当てはまる人、いたよー」
「隅っこにメッセージ書いてくれてる (^_^)」
扱っているのは、一見して無機質な「数字」なのですが、そこに多様で異質な他者の「顔」を見てとることができます。この世界は、ひとりとして同じでない個 性的な顔をもつ人たちの幅広い感性によって成り立っています。社会調査とは、そのことを実感する機会なのだと、私は考えています。
ですから私 は、回収された一枚一枚の質問紙を、単なるデータ票とみなすのではなく、丁重にあつかうよう指導しています。アンケートに答えてくれる人の協力なくして社 会調査は成立しません。背後にある人間の顔を想像することを通じて、はじめて数字上の操作やカテゴリー分類の作業は意味をもつのです。
社会調査は、社会に対する想像力を蓄え、見知らぬ他者への理解力を深める場であり、ひとつひとつの作業のなかにエキサイティングな展開が待っているのだと、そのようなことをゼミ生には感じ取って欲しいと願っています。
ですから私 は、回収された一枚一枚の質問紙を、単なるデータ票とみなすのではなく、丁重にあつかうよう指導しています。アンケートに答えてくれる人の協力なくして社 会調査は成立しません。背後にある人間の顔を想像することを通じて、はじめて数字上の操作やカテゴリー分類の作業は意味をもつのです。
社会調査は、社会に対する想像力を蓄え、見知らぬ他者への理解力を深める場であり、ひとつひとつの作業のなかにエキサイティングな展開が待っているのだと、そのようなことをゼミ生には感じ取って欲しいと願っています。