社会学部ゼミブログ

2008.04.11

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「トイレの社会学」に挑戦した小玉ゼミ

ブログ投稿者:メディア社会学科 小玉美意子

「トイレの社会学」に挑戦した小玉ゼミ
写真:夏合宿でハンガリーの民族舞踊を習うゼミ生

昨年度の小玉ゼミの白雉祭(武蔵大学の文化祭)への出し物は「トイレの社会学」。毎年、学生たちの好きなテーマを選び、それを大学祭の展示にするのだ が、このテーマ選びが中々難しい。候補となったテーマでは「憲法改正是か非か」というのもあった。軽い乗りのテーマが多すぎる昨今、こういう真正面からの ガチンコ勝負も捨てがたかった。が、結局、不真面目そうで、実は人間の根源的な問題であり、ユーモラスなところのある「トイレ」がテーマとなった。

さて、その問題とどう取り組むか? 夏休み合宿で議論して決めることになった。千葉県の白子の海岸近くで、朝から昼過ぎまでは議論、そして夕方は夕涼みに海岸で花火そしてダンス、というように、硬軟取り混ぜてのスケジュールで臨んだ。

結局、4班に分かれてこのテーマを追求することにした。

一つは、トイレを地理的・歴史的にさぐること。平安時代の貴族のトイレから、排泄物が畑の肥やしになっていたこと、また、乗り物の中のトイレの変遷など、 知る人ぞ知る話題を発掘。その一方で、インターネットで世界のトイレマークを集め、子どもが隣のトイレを除いている可愛い絵柄から抽象的なデザインまで、 トイレも文化的な背景を持っていることを研究した。

二つ目は、トイレの心理学。トイレは、人をほっとさせたり考え事に向いていたりする。それゆえにか、落書きも多い。それを写真に撮って展示しようと思ったが、展示に適さない内容も沢山あって困らせられた。

面白い試みは、「トイレの都市伝説」。『トイレの花子さん』など、トイレにまつわる幽霊や妖怪の話は多い。こういったものをオーディオ・ビジュアルに表現をして、展示に変化をつけた。

もっとも社会学的だったのは、「災害時のトイレ」。ここでは、阪神大震災や中越大地震の時など、いかにトイレが大問題であったかを示すとともに、緊急時の設備や備品を展示して、「トイレこそ命」であることをアピールした。

小玉ゼミの目標は「興・調・文・話」。即ち、物事に興味をもち、調べ方を学び、そして文章にし、その上で上手に話せるようにすること。それらを白雉祭とい うイベントを通して習得する。・・・こうして、人間としての総合力を身につけて卒業し、社会で花を咲かせてもらいたい・・・これが私の願いである。