社会学部ゼミブログ

2008.01.25
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- 社会学科
「それじゃ、これでひと段落ということで。お疲れさま」。
ブログ投稿者:社会学科 矢田部圭介
それまで張っていた肩がすとんと落ちて、全身からすうっと力が抜けていくのがわかります。
とたんに、別な方から「ええっーー、こんどはわたしかあーー、ああ、どうしよう…」という声が。
卒論も提出し終わって一息ついたはずの4年生のゼミでのひとこまです。
この時期、矢田部が担当している4年生のゼミでは、書き上げた卒論の報告会をやっているのです。ただし、たんに報告するだけではつまらないので、1月半ば以降に予定されている口頭試問対策を兼ねて、なのですが。
報告担当者の卒論は、事前にゼミのメンバー全員に配布されます。で、それを全員が読んできて、当日は担当者から自分の卒論についての簡単な報告のあと、その卒論に関して、みんなで質問しまくる、という段取りです。
いっ たい自分の卒論の意義はどんなところにあるのか、逆に弱点はどこなのか。読み手はどこに着目するのか、どこが分かりにくくてもっと説明が必要なのか。こう いった口頭試問で指摘されたり質問されたりしそうなことは、自分で自分の卒論をいくら繰り返し読み直していても分からないので、ゼミのメンバーの協力を得 て、この機会にはっきりさせておこうというわけです。
さすがに口頭試問がひかえている、と思うと、質問する方もされる方も力が入るよう で、ついつい時間もかかりますし、ところどころで教員からの意地悪な質問や注意やつっこみなども入るので、報告担当者はへとへとになるようです。で、次の 順番の担当者は、それを見ていてさらにプレッシャーをうけているというしだい。
この卒論報告会&口頭試問対策は、卒論を出し終えた安心感から気が抜けそうになる季節に「心地よい」緊張を──たぶんゼミの学生さんはけっして「心地よい」なんていわないでしょうが…──取り戻してくれるのにちょうどいい機会なのです。
それに、口頭試問も含めて、こういった機会がないと、せっかく長い時間をかけて自分で書き上げた論文に、あらためて向き合うきっかけもないですから。
じつは、卒論は、書き上げたあとの方が大事なんじゃないかと、ときどき思います。
書いている最中は、とくに締め切り間際になればなるほど、夢中でとにかく仕上げることしか頭にありません。
で も、少し時間をおいてそれを眺めて、他人に読んでもらってコメントをもらうことで、自分で自分のやった作業について評価することもできるようになるし、う まくいったところもうまくいかなかったところも把握できるようになるし、なにより、じつは、こうすればよかったんだ、ああすればよかったんだという、新た な発見もありますから。
たぶん、自分のやってきたことを自分でとらえ直して、これからに生かしていくためには、少しの時間の猶予と仲間の協力が必要なのでしょうね。
4年生にとって、大学での、そんな作業もこれで最後です。大学でのこうした経験が、卒業していく学生さんたちの糧となることを祈っています。
とたんに、別な方から「ええっーー、こんどはわたしかあーー、ああ、どうしよう…」という声が。
卒論も提出し終わって一息ついたはずの4年生のゼミでのひとこまです。
この時期、矢田部が担当している4年生のゼミでは、書き上げた卒論の報告会をやっているのです。ただし、たんに報告するだけではつまらないので、1月半ば以降に予定されている口頭試問対策を兼ねて、なのですが。
報告担当者の卒論は、事前にゼミのメンバー全員に配布されます。で、それを全員が読んできて、当日は担当者から自分の卒論についての簡単な報告のあと、その卒論に関して、みんなで質問しまくる、という段取りです。
いっ たい自分の卒論の意義はどんなところにあるのか、逆に弱点はどこなのか。読み手はどこに着目するのか、どこが分かりにくくてもっと説明が必要なのか。こう いった口頭試問で指摘されたり質問されたりしそうなことは、自分で自分の卒論をいくら繰り返し読み直していても分からないので、ゼミのメンバーの協力を得 て、この機会にはっきりさせておこうというわけです。
さすがに口頭試問がひかえている、と思うと、質問する方もされる方も力が入るよう で、ついつい時間もかかりますし、ところどころで教員からの意地悪な質問や注意やつっこみなども入るので、報告担当者はへとへとになるようです。で、次の 順番の担当者は、それを見ていてさらにプレッシャーをうけているというしだい。
この卒論報告会&口頭試問対策は、卒論を出し終えた安心感から気が抜けそうになる季節に「心地よい」緊張を──たぶんゼミの学生さんはけっして「心地よい」なんていわないでしょうが…──取り戻してくれるのにちょうどいい機会なのです。
それに、口頭試問も含めて、こういった機会がないと、せっかく長い時間をかけて自分で書き上げた論文に、あらためて向き合うきっかけもないですから。
じつは、卒論は、書き上げたあとの方が大事なんじゃないかと、ときどき思います。
書いている最中は、とくに締め切り間際になればなるほど、夢中でとにかく仕上げることしか頭にありません。
で も、少し時間をおいてそれを眺めて、他人に読んでもらってコメントをもらうことで、自分で自分のやった作業について評価することもできるようになるし、う まくいったところもうまくいかなかったところも把握できるようになるし、なにより、じつは、こうすればよかったんだ、ああすればよかったんだという、新た な発見もありますから。
たぶん、自分のやってきたことを自分でとらえ直して、これからに生かしていくためには、少しの時間の猶予と仲間の協力が必要なのでしょうね。
4年生にとって、大学での、そんな作業もこれで最後です。大学でのこうした経験が、卒業していく学生さんたちの糧となることを祈っています。