社会学部ゼミブログ

2008.01.08

  • 社会学部
  • メディア社会学科

ゼミじゃないけどゼミ

ブログ投稿者:メディア社会学科 小田原敏

ゼミブログ、と聞いて、ゼミのことでも書こうかと思ったが、いや、それより、「ゼミ的」側面のほうがおもしろいだろうと考え方針転換。
 
たっ た今、昨日メールをよこした学生が研究室にやってきた。自分の講義を受けた子でもないし、(まだ)ゼミ生でもない。聞けば、海外研修をしたいのだという。 たしかに昨年ふたりの海外研修希望者の面倒をみたので、私も、ということなのだろう。海外研修という制度は、簡単に言えば目的を持った海外旅行に大学が資 金援助を行うというもの。1ヶ月ほどの期間で30万も出してくれる。うらやましい制度だ。
 
彼女は、ディズニーのことを調べたいということ だった。そのためには、まず日本で入手できる情報、書籍や論文、そして記事などは可能な限りあたっておいて、その上で現地に行かないと意味がない、とアド バイス。さらに、「そういう本、あまりないんです」と言うので、その場で、大学が契約しているいくつかのオンラインデータベースで調べてあげた。あるデー タベースではヒット数が多すぎて表示できないほどだった。
 
「1年(の基礎ゼミ)でこういう調べ方やらなかったの?」
「いえ…」
「オンラインデータベースは使ったことないの?」
「はい…」
 
3年生では珍しいが、1年では、ネット検索(GoogleやYahooなどのhtmlデータの検索)しか知らない子が多い。平気で「ネット検索したけどあり ませんでした」などと言う。そんな時は、「ネット上の情報って誰が何のために作っているの?」と聞いてみる。その時点で誰もがきょとんとした顔をする。当 たり前のことだが、ネット上にあるのは「誰かがみんなに見せたい、知らせたいと思って載せている情報」がほとんど。「(自分が)知りたい情報」と「(誰か が)知らせたい情報」の間には大きな違いがあるわけだ。
 
海外研修に行きたいという彼女も、オンライン検索を見せると急に顔が明るくなっ た。何か宝の山を見つけたような感じだった。彼女が海外研修に行けても行けなくても、そのためにやったデータベース検索をはじめとした準備作業は、きっと 後で大きな意味を持ってくるだろうと思う。
 
こんな学生の相談、いや個人指導ゼミ、しょっちゅうなのでした。