リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ
2024.09.13
- 総合科目
総合科目「リーダーシップ実践」(集中授業)
ブログ投稿者:リベラルアーツ&サイエンス教育センター(LASEC)教授 踊 共二
この授業は学部学科の違いを超えて必要とされる幅広い知識と実践力を養うための「総合科目」の1つです。参加者はまず春学期に「リーダーシップ論」という講義を聴き、リーダーの類型について学び、たとえば指示型、支援型、委任型、ビジョン型、変革型、調整型、サーバント型などの多様なリーダー像を知ったうえでこの集中授業に参加し、実社会で活躍するリーダーたちと現場で交流することになります(希望者向けの少人数授業です)。
2024年度は9月初旬に、武蔵大学と連携協定を結んでいる山梨県小菅村で1泊2日のプログラムを実施しました。この村は多摩川源流域にある人口600人台の「限界集落」です。村内の訪問先は、村政の中心である村役場、地域振興プログラムを担うNPO法人「多摩源流こすげ」の本拠地(廃校を利用)、村内のスマート物流(ドローン配送)の基地と店舗、夜も開いている無人コンビニ、家庭ごみや林業廃棄物を用いた土壌改良剤(堆肥)製造施設、生活排水を浄化して川に戻す高性能の下水処理施設、村の名産物のイワナ・ヤマメ・ニジマスの養魚場、ワサビ田、地産地消の拠点として道の駅、移住者用・訪問者用のタイニーハウスなどです。それぞれの場所で、住みつづけられる村であるために奮闘するリーダーたちのレクチャーを受けました。質疑応答の時間も設けていただきました。大学での座学も実施しました。事前学習ではスイスの山村での酪農業とツーリズムの「抱き合わせ」振興策、スポーツを通じた地域おこし(オリンピック開催地のとりくみも含む)、過疎地域でのスマート物流と宅配各社の共同配送事業について学びました。事後学習では大都市圏(東京都豊島区)での少子高齢化対策や防災の課題などを参考事例としてとりあげました。授業担当者は私(歴史学)と田村昌大講師(スポーツ科学)です。専門家・実務家のゲストも3人お招きしました。以下、参加者の声です。
社会学部メディア社会学科1年 後藤匠輝
この授業を通じて何人もの優れたリーダーに出会うことができました。とくに小菅村の村長は村の再生と発展に全身全霊でとりくみ、さまざまなプランをたて、実行に移しておられます。たとえば高齢化で買い物にも苦労する住民のためにドローン宅配を実現し、築百年を超える古民家を改装してホテルにして収益をあげ、雇用を生み出してこられました。ビジョン型のリーダーの典型だと思います。ただし、チーム(役場の人たち)の声もつねに吸い上げておられます。フォレストアドベンチャーの施設づくりの提案は役場の職員から出たものだそうです。その点では支援型、調整型のリーダーでもあると思いました。住民との日常的なコミュニケーションも大事にしておられ、役場や食堂や村道でたまたまお会いする人たちとも親しく言葉を交わしておられます。
人文学部英語英米文化学科1年 岩崎奏未・和田なお
現地でのプログラムを企画し、すべての訪問先に付き添い、各施設の責任者たちや一般の村民の方々との交流の仲立ちをしてくださったNPO法人のご担当者の機敏で的確なリーダーシップに感銘を受けました。村の自然環境、住民の生業から地区ごとの世帯数まで正確に把握しておられ、どんな質問にもたくさんの答えを返してくださいました。リーダーに求められる資質が全部そろっているような方でした。フォレストアドベンチャーのマネージャーからも多くのことを学びました。この方はレジャーや研修で来られた方々の主体性を重視し、森林体験の方法に関する指導や助言はほとんど行わない方針をとっておられるとのことです。指導員に依存すると、一人ひとりの自主性やチームワークが発揮できなくなるからだそうです。いわゆるセルフリーダーシップ(目標をたてて自分自身をけん引すること)が大切だと強調しておられました。リーダーシップにはそういう要素があることをはじめて知りました。
この授業を通じて何人もの優れたリーダーに出会うことができました。とくに小菅村の村長は村の再生と発展に全身全霊でとりくみ、さまざまなプランをたて、実行に移しておられます。たとえば高齢化で買い物にも苦労する住民のためにドローン宅配を実現し、築百年を超える古民家を改装してホテルにして収益をあげ、雇用を生み出してこられました。ビジョン型のリーダーの典型だと思います。ただし、チーム(役場の人たち)の声もつねに吸い上げておられます。フォレストアドベンチャーの施設づくりの提案は役場の職員から出たものだそうです。その点では支援型、調整型のリーダーでもあると思いました。住民との日常的なコミュニケーションも大事にしておられ、役場や食堂や村道でたまたまお会いする人たちとも親しく言葉を交わしておられます。
人文学部英語英米文化学科1年 岩崎奏未・和田なお
現地でのプログラムを企画し、すべての訪問先に付き添い、各施設の責任者たちや一般の村民の方々との交流の仲立ちをしてくださったNPO法人のご担当者の機敏で的確なリーダーシップに感銘を受けました。村の自然環境、住民の生業から地区ごとの世帯数まで正確に把握しておられ、どんな質問にもたくさんの答えを返してくださいました。リーダーに求められる資質が全部そろっているような方でした。フォレストアドベンチャーのマネージャーからも多くのことを学びました。この方はレジャーや研修で来られた方々の主体性を重視し、森林体験の方法に関する指導や助言はほとんど行わない方針をとっておられるとのことです。指導員に依存すると、一人ひとりの自主性やチームワークが発揮できなくなるからだそうです。いわゆるセルフリーダーシップ(目標をたてて自分自身をけん引すること)が大切だと強調しておられました。リーダーシップにはそういう要素があることをはじめて知りました。