リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2025.03.24
- 総合科目
スポーツを通して学ぶ「身体の多様性」
ブログ投稿者:リベラルアーツ&サイエンス教育センター(LASEC) 准教授 荒牧 亜衣
本学総合科目「心と体」実践セクションの科目の一つに、「アダプテッドスポーツ・ワークショップ」という演習形式の授業があります。
受講生は、授業の前半に行われる講義や実技体験を通じて、スポーツの多様性を学びます。パラリンピック競技大会のクラス分けやオリンピック競技大会における性別二元制の課題等についてもペアやグループで議論を重ねることによって、「身体の多様性」を尊重することの意味やスポーツに参加する権利を保障することのむずかしさについても考えます。
授業の後半では、前半の学修成果を踏まえ、グループに分かれて、新しいスポーツをデザイン、考案する活動に取り組みました。
授業の最終回に実施した発表会では、道具や空間の使い方を工夫しながら、それぞれのグループが考案したオリジナルなスポーツが披露されました。発表会を終えた受講生からのコメントの一部を紹介します。
「体験することが重要であるということである。聞くだけではできそうだな、簡単かもと感じるものでも、実際に体験することで分かるむずかしさやコミュニケーションの大切さ、目が見えないことや自由に動けないことに対する恐怖心のような感覚も自分自身で体験しないと理解できないと思う。また、スポーツを考案する上ですべての人に対して平等なルールをつくったり、用いる道具も考えたりする必要があったので、そこはとてもむずかしかった。この授業を通して、スポーツを考えルールを作成することと、実際にスポーツを体験することの2面的に経験することができてとても良かった。」
「他の人の視点によって気づかされることが多くあり、他者がつくったスポーツに対して客観視することができた。その視点を自分の班のスポーツに対しても向けていきたいと感じた。」
「既存のスポーツにオリジナリティを加えたものから全く経験したことのないような形のものまで、幅広い種類のスポーツを体験したが、どれも誰でも簡単にできるようなわかりやすいルールになっている点に共通点を感じた。」
「ブラインドでやるスポーツが何種類かあり、鈴の音だったり、アラームの音だったりと、工夫がされていて楽しかった。普段は気にしない音も、目が見えないと雑音を気にして、いつもとは違う聴こえ方がした。また、座ってやるスポーツは、思うように体が動かせなかったり、瞬発力が衰えたりしてしまうので、自分の中で動きやすい姿勢や角度を見つけることも大事だと思った。」
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スマートフォンの音を活用したグループ -
アイマスクを使って音を頼りに動く
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座位でラケットを使い、シャトルの落下地点のポイントを競う -
ラケット操作と座位での移動を課題としたグループ