リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2020.01.21
- 国東農業研修
ほろほろ、難波淳一さんのお話 佐伯麻弥(2019年実習-04)
刺身の盛り合わせ(サーモン、タコ、鯛、カンパチ)、サラダ2種、チキン南蛮、鳥のたたき、アジのりゅうきゅう、とり天、おらんだ、団子汁、白芋の煮物、マカロニサラダ、ゆでブロッコリー、やせうま、に加えて学生一同は白飯を注文した。
肉も魚も野菜も、どの料理も本当においしかったのだが、中でも郷土料理について記しておきたい。まず、「りゅうきゅう」について。昔大分の漁師が沖縄の人からレシピを教わったから、というわけでこの名がついた。魚の保存を効かせるために切った魚を醤油やみりん、薬味が入ったタレに漬けたもの。この日はしょうゆと胡麻、2種類の味のりゅうきゅうをいただいた。「おらんだ」は、ニガウリとナスの炒め物を甘めに味噌で味付けした料理で、調理の時出る大きな音から「おらんだ(叫んだ、という国東の方言)」と名前が付いた。「やせうま」は平麺のうどんの上に甘いきな粉がかかっているおやつ。むかし貴族の娘が都から流され、行き着いた大分で、乳母である“八瀬”に「何か美味いものを作れ」と命じて作らせたものだからこの名がついたという。たらふく食べた後にデザートとして出され、ここで最後に炭水化物か、と思ったものの、甘いものは別腹とはまさにその通りでぺろっと完食した。
郷土料理とは別に、私が気になったのは 鳥のたたきだ。関東では鳥は完全に火をとして食すのが当たり前のため、地域による食文化の違いをここで実感した。鶏肉の表面を香ばしく炙り、中身が生の状態でたれに絡めた料理だ。「鳥って生で食べられるんだ、、、」とびっくり仰天だったが、生だからこその食感がとても美味しかった。
食事の合間に店主の難波さんに料理の説明のほかに国東での暮らしやお店の経営についてお話を伺った。人口が減り、働き手が少ない国東市で事業を成立させるのは大変なことだ。人手が少なくても効率よくお店を回せるように経営スタイルも考慮しなければならない。その事情もあり難波さんはお店の場所を移すのだそう。
料理を提供とお店が成立しているのは、第一次産業の方のおかげなのだと難波さんは語っていた。生産者が作った食材の無駄を出さず、かつ欠品を防ぐために過去の数年分の売り上げデータを分析し、仕入れを行っているという。お話を聞いていく中で難波さんの食品及び生産者への敬意と責任感の強さを感じた。
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いただいた料理の一部。白い小さめの丸い皿がりゅうきゅう、茶色っぽい丸皿がおらんだ。撮影日時: 2019:09:02 19:48:56 -
鳥のたたき 甘辛いタレと上に散らしたねぎが食欲をそそる。撮影日時: 2019:09:02 19:50:07
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1日目の最後にゆっくり食事を楽しんだ。この後続々を料理が運ばれ、豊かな国東の食を体験。撮影日時: 2019:09:02 19:49:26 -
ほろほろの難波さんから、今日の料理の素材と料理方法、店経営の哲学のお話をうかがった。撮影日時: 2019:09:02 20:26:58