リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2020.01.21

  • 国東農業研修

横山さん ねぎ農家研修 坂本拓朗(2019年実習-06)

9月3日私たちは長廣さんのお家で朝食を頂いた後それぞれの研修先に向かいました。私はねぎ農家として営む、横山さんの農地にて体験をさせていただきました。体験させていただいたのは収穫されたねぎを売れる状態にする「調整作業」というものです。味一ねぎは収穫された時の状態だと茎が3~4本ぐらいに分かれ、枯れて萎びた葉などが根本付近にくっ付いています。それらを取り除いて茎が2本になるようにし、売りに出せるようにするのが調整作業になります。この作業は思っていた以上に神経を使うもので、私は何回か根っこの部分を折ってしまいました。そして、茎つまり、ねぎの食べるところを取るわけですが、茎は一番外側にある大きな葉がついている部分から取っていくため、調整されたものは収穫されたばかりのものに比べて、食べられるところは半分くらいになってしまします。しかしこの作業をしないと、出荷されねぎが東京に着く頃には内側から3番目までの外側の葉が茶色く枯れた状態になってしまうため、取り除かなければ売り物にならないと話していました。私たちは30分ほど作業をしたわけですが、全体の量に比べればほんの少ししか出来ていませんでした。ねぎ農家ではこの作業は1日の作業の一つでありこれ以外にもやることがあると聞きました。

 

作業もそこそこに、私たちは横山さんからねぎ農家としての生活とねぎ農家になった経緯についてお話を聞きました。まず、味一ねぎはビニールハウスで栽培することで、一年を通して収穫できます。横山さんの家ではねぎの他に水耕栽培で作るサラダ用のレタスも育てているそうです。これらの野菜は無農薬で作られており、横山さん曰く「農薬を使うと安心して食べられるものが作れず、また使う本人が一番被害を受けるから使わずに作るようにしている」と話してくれました。

 

その後できた作物はどのくらいのお金になるのかなど、「自分もねぎ農家になろうかな」と考えてしまう話も聞けました。しかし、聞けたのは良い話だけではありません。味一ねぎの特徴はビニールハウスで一年中収穫できるという部分ですが、裏を返せば一年中作業をしなくてはならないという話になります。また、台風によりビニールハウスが壊れることもあり、天候にも左右されます。そして、これ以外にも中国からの輸入されてくる安いねぎにより、厳しい立場にあると語っていました。

 

横山さんは自分がねぎ農家になった経緯についても話してくれました。横山さんはもともと銀行員として都心の銀行に25年間務めていました。当時は主にコンピューター関連の仕事を行なっていたそうです。しかし、横山さんは会社という組織に勤め定年まで仕事するという考え方が合わず、そして「別の仕事もやってみたい」という思いから移住を考え始めたそうです。その時国東では移住者を募っており、農家になりたいというよりも「別の場所でやったことのない仕事をやりたい」という思いから始めたそうです。

 

自分はこの話を聞いて人生におけるフットワークが軽いなと思いました。一部の最近の説では「転職することが珍しくなくなる」時代が来るという話もあるらしく、そう考えると横山さんの考えは先進的な様に感じました。一つのものに縛られるのではなく、ある程度自由に生きるやり方もあるのだなと話を通して知ることになりました。

  • ビニールハウスの中にある作業場で横山さんの奧さんに教わりながら調整作業の体験。撮影日時: 2019:09:03 09:47:58
  • 横山さんよりねぎ農家の話と移住してきたことに関しての話を聞く。撮影日時: 2019:09:03 11:29:15
  • 他のメンバーと合流し、横山さん夫妻を囲んで記念撮影。撮影日時: 2019:09:03 12:30:08
  • 横山さんからネギの調整作業の基本を指導を受け、調整作業の目的を聞く。撮影日時: 2019:09:03 09:50:57