リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2020.01.21
- 国東農業研修
河野式シイタケ栽培について 佐伯麻弥(2019年実習-13)
国東半島ではシイタケの栽培にクヌギの木を使うのが主流である。河野さんもまた、シイタケ菌の住処であるほだ木にクヌギを使っている。クヌギの木は伐採しても切り株から再び萌芽し、15年ほどたてば高さ10メートルを超す立派な幹ができる。河野さんは一度切ってから13、14年かけて成長し、幹が固くなりすぎていない木を用いる。そして切った木は幹の中に含まれる水分量が30~50%になるまで乾燥させる。この工程は水分を飛ばしてシイタケが木の養分を吸いやすくすると同時に、中の雑菌を殺すという、大変重要な意味を持っている。ただ、あまり乾かしすぎると今度はシイタケ菌も育つことができなくなってしまうため加減が難しいという。そうしてシイタケが快適に育つことができる原木を用意したら、穴をあけて植菌し「伏せこみ」を行う。伏せこみとは植えた菌が木の内部まで浸透するように風通しの良い、日光が少しさす木陰に置いておく工程だ。シイタケは一度生えたら4年ほど同じほだ木で収穫できるという。
ここまでお話を聞き、この日までにねぎやブドウ農家の方に商品の規格について聞いてきたが、果たしてシイタケにも厳しいチェックが存在するのかが気になった。河野さん曰く、シイタケは収穫したものはすべて出荷できるそうだ。ただ、大きさや形によって用途、価格が異なるために選別をしっかりと行わなければならない。
作ったものの多くが商品、すなわち収入源となり、廃棄が少ないとはシイタケはなんてすばらしい農産物なんだろう、と強く感心した。しかしまた、膨大な量のシイタケを仕分けるのは根気の要る作業だろうなとも思った。河野式栽培方法のほかに品評会の際のエピソードや乾燥シイタケの種類、ランク、保存方法など、様々なお話を聞いた。
私も乾燥シイタケを一袋、お土産に買ったので洋子さんの料理を思い出しながら自宅で調理してみようと思う。
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朝ごはんの後栽培方法や乾燥しいたけの種類などについて忠臣さんから伺う。撮影日時: 2019:09:05 08:53:04 -
嬉しいことに通常価格よりもお買い得であった。栽培の工程や手間について思い出しながら調理したい。撮影日時: 2019:09:05 08:52:48