リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2020.01.21

  • 国東農業研修

萱島酒造 納冨泰一(2019年実習-02)

松原さんに七島藺について教えてもらった後、萱島酒造へと向かった。萱島酒造は明治6年(1873年)に酒造りをはじめ、今年146年目の5代目である。代表銘柄「西の関」は西が西日本、関は横綱の意味で「西日本の代表酒」になりたいと命名された。お酒の出荷先は大分に70%、その他の九州に20%、残りは日本全国、ベトナム、中国、ロンドンである。私たちが訪れた時期は10月の仕込みに向けての準備期間であった。

 

まず、初めに萱島酒造がこだわっているお酒の原料について紹介する。主に使用している米は地元のヒノヒカリとニコマルなどお酒に適したお米を使用している。お酒造りに適した米とは割れにくく、雑味が少なく、デンプンが多い米である。また、吟醸酒には兵庫県産の山田錦や大吟醸酒には広島県産の八反錦を使用しており作る酒によって使用する米に多少の違いがある。使用している水は地下88mからの地下水でやや軟水の甘めの水である。昔からおいしい水だそうだ。

 

私たちは萱島酒造の酒造りの工程を案内してもらった。釜場では米をよく洗い、水切りをして1日で3トンから4トンの米を50分程で蒸す。仕込み蔵では最大で5mあるかいという道具を使ってかき混ぜる。仕込み期は蔵人が交代制で1ヶ月24時間ずっと温度が上がると仕込み水や氷をkg単位で入れたりして出来を調整する。温度が高くなると味が変わり、出来が変わってくるので蔵人の感覚が頼りになる。

 

移動の途中、酒造り時に使用する道具を洗っている人たちに出会った。酒造り時に使用する道具は洗剤や薬品は使用できないので酒造りに使用する地下水洗いで何度も洗うそうだ。

 

歴代の作られたお酒が貯蔵されている貯蔵庫に入った。ここには一番古いので昭和38年物があった。古くなるにつれてお酒の色が茶色くなるそうだ。古い酒は古酒と呼ばれる。古酒とは新しい酒の一世代前からそう呼ばれる。23℃ぐらいで保存されていて、それ以上温度が高いと発酵が進むので温度管理は厳重に行われていた。

 

お酒の造られる場所はテレビでは以前に見たことがあったが、実際にその場に立つと酒樽が思った以上に深くてびっくりした。実際の製造現場に立ち入ることで匂いや雰囲気、歴史など感じることができた。ありがとうございました。

  • 仕込み期は立ち入ることのできない酒樽の上。撮影日時: 2019:09:02 16:00:38
  • (手前)酒と酒粕に分ける機械 (奥)地下水で道具を洗っている人たち。撮影日時: 2019:09:02 16:34:17
  • 萱島酒造の歴史ともいえる貯蔵庫。撮影日時: 2019:09:02 16:37:43
  • 写真の左から古い順 色の変化。撮影日時: 2019:09:02 16:40:10
  • 最後に記念撮影 併設されている売り場にて。撮影日時: 2019:09:02 17:12:56
  • 冷房装置のない明治時代には酒貯蔵庫の厚い壁を中空にして断熱材ととして籾殻を入れていた。撮影日時: 2019:09:02 16:54:03