リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2020.01.21

  • 国東農業研修

研修後レポート【吉田朱音】(2019年実習-25)

田染の景色、夕日とのコントラストがとても美しかった。(撮影:吉田)
私がこの研修に参加しようと思った理由は、短い大学生活の中で多くのことを経験したいと思ったからである。また、社会科の教師を目指しているので実際に農業や歴史を肌で感じることで将来今回の経験が活かせる日が来るのではないか、と考えたからである。実際、国東研修で過ごした日々は私の中でかけがえのない経験になった。この研修では多くの人に出会い、話を聞き、自分の意見を言う機会があった。様々な人の人生を知り、自分の将来に活かせることもたくさん教えてもらった。

 

例えば、人生観について多くの人が語っていたことは、若いうちに何でも経験しておいたほうがいいということである。年を重ねれば重ねるほど身体は自由が利かなくなり、やりたいこともやれなくなってくる。若いうち特に学生のうちは自由度が高いから学びたいことを学び、やりたいことに挑戦することが大切だとおっしゃっていた。自分より長い時間を生きている人の人生を聞くことはなかなかないので、とても貴重な経験だった。

 

もうひとつ私が印象に残っているのは、松木さんの「総合知」という言葉と、櫻井さんの「必ず片方の足は自由に動かせるようにした方が良い」という言葉である。「総合知」とは最終日にお世話になった松木さん曰く、1つのことに集中するのではなく多くの分野のことをある程度は知っておく必要がある、ということである。「例えば、百人一首でも何でもいい、今は必要ではない知識や情報だとしても、いつか使うかもしれない、そんなことを大事にしてほしい。」とおっしゃっていた。また、先哲資料館の櫻井さんは、「片方の足は自分の専門分野に、もう片方の足はどこにでも行けるようにとっておきなさい」とおっしゃっていた。この2人は違うことを言っているようだが私には共通点があると感じた。両者の考えから、1つのことを深く学ぶことも重要だがそれだけでは人生は豊かなものにならないのではと思った。人生を私が語るなんておこがましいが、1つのことや考えに縛られてはいけないと今回の研修で学んだ。

 

そのほかにも、人と話をすることがこんなにも有意義な時間になるなんて思ってもみなかった。懇親会や各見学の場で人から話を聞き、自分の意見を述べそこからまた人間関係が形成されていくのを実感できた。初対面の人と顔を見て話すのはすごく緊張したが、得るものの方が何倍も多かった。さらに、研修生の4人とはとてもいい関係を築くことができた。

 

この研修に参加しなければ今日の私はいない。国東農業研修に参加できて本当に良かった。一生の想い出になった。