リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2020.01.21

  • 国東農業研修

研修後レポート【納冨泰一】(2019年実習-24)

私がこの研修を参加しようと思った理由は非日常的な体験を通して自分の視野を広げ、またそこから学んだことを元に今後の大学生活について考えたかったからだ。

 

私はこの研修を通して2つのことを考えた。

 

1つ目は実体験を通して学ぶことの大切さである。普段は教室で教授が一方的に話している受動的な講義が多く発言も求められないしその話題については間接的なのであまり考えられない。しかし、国東研修では実際にいろいろな場所に行ってそのことについて学んだり考えたりする能動的な研修であったのでとても面白かった。私がとても実感したのは農家さんたちの苦労である。なぜなら、農家さんは商品を購入する消費者を常に意識していないといけないからだ。例えば、長廣さんのところのねぎでは見た目をよくするために、本来なら食べられるところを取り除いたり、土が付いていないように根洗いをしたりしなければならない。また、都留さんのところのブドウでは色や形、大きさを意識したり、本来おいしいのものは種ありブドウだけれど、消費者が食べやすいものを好むため種がなくなるように処理したりしなければならない。「消費者が値段を決める」この言葉が象徴しているように常に農家さんは消費者を意識して農作業を強いられている。そこから農家さんの苦労がうかがえた。このことは実際に農家さんに伺ったり、体験させてもらえたりしたからこそ発見できたことである。

 

2つ目は新たな出会いの素晴らしさである。このプログラムに参加していなかったら出会うことのなかった他学部の学生や先生、現地の人々との新たな出会いはとても刺激的なものであった。また、その人ごとの過去の経験談や体験談、人生観についての話などを聞くことを通じ、これまでになかった新たな考えを得たり考えたりできたので何もかもが新鮮でとても面白かった。藤原さんの里の駅むさしをどのように経営しているかのお話やほろほろの難波さんの人が少ない地域でどうやって店を経営していくかのお話、櫻井さんの歴史や文化を知ることの大切さのお話、松木さんの総合知を高めることがいかに重要であるかのお話と物を見るときにどこを見て考えるかのお話、三河市長の今の日本の若者を表す「ゆでがえる」のお話、長廣さんや林さんの現在の農家が抱える具体的な問題のお話など色々と考えさせられた。

 

私は今回の研修に参加できて非常に良かったと感じている。なぜなら、「このような機会は大学生活でもなかなか経験できることではないし、まして大人になるとさらに困難なものである」と感じるからである。また、自分は下宿をしており、最近では大人数で食卓を囲む機会がなかったのであの食卓を囲んで食べることはとてもほっこりとして印象深い。なので、みんなで食卓を囲んでご飯を食べながら様々な話題について語り合った時間は今でも名残惜しく感じる。そのため、この出会いに感謝をしてこれからの大学生活はこの研修で学んだこと生かせるように日々歩んでいきたい。