リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2020.01.21

  • 国東農業研修

元ブドウ農園の再開発 坂本拓朗(2019年実習-18)

昔ばなしの家を後に、私たちは宇佐市の特産である「安心院ブドウ」のブドウ園が密集している地域に行きました。そこは比較的山に分類される地域で、栽培用のビニールハウスがあり、栽培が盛んであることが分かりました。しかし、案内してくださった松木さんは働き手が少なくなったことでピーク時に比べかなりブドウ園が減ったと話していました。そして、働き手がいなくなったかつて農園だった場所には木々が生い茂り、農園としての面影は残っていませんでした。農業という産業自体は全体的に衰退しているため、この研修旅行に来てから何回か人材不足に関しての話はよく聞きました。そのため、いくら特産といっても衰退するのは仕方がないと感じました。何より、ブドウは育てるのが大変で手間がかかり、身体的な負担も大きく高齢化が進む現代では一部の農園を手放す高齢者も多いと話していました。

 

この事態に対し行動を起こしたのは、国と企業でした。国としてはかつて農園だったところが野に帰るという現象自体が面白くなく、もう一度山を切り開き、その土地を農地として利用する方向で話が進んだそうです。

  • 開発中の土地を前に松木さんからの話を聞く私たち。撮影日時: 2019:09:06 15:36:43
  • かつてはぶどう農園だった場所は、今もう一度切り開かれ「現代の棚田」に。撮影日時: 2019:09:06 15:32:26
私たちは実際に開発が進んでいる場所を見にいったのですが、そこには重機によって切り開かれ、段々畑状に整備された土地が広がっていました。松木さんはこの光景を「現代の棚田」と表現していました。私たちが実際に見にいった土地は伊藤園で使われる茶の原料畑として使われるそうです。また、この土地を開発するのに多額の国家予算が注ぎ込まれているそうで、緑が生い茂る山の中にポツンと広がるその場所を見て「そこまでのお金と労力を使ってまでして、切り開いてまでしてやることなのか」と感じました。