リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2020.01.21

  • 国東農業研修

個人研修 納冨泰一(2019年実習-19)

農業がどんなものなのか、実際の農家さんの暮らしがどんなものなのか体験を通して知りたいと思ったので個人農業研修を長廣さんの下で行った。長廣さんはビニールハウスでねぎ栽培をされている。ビニールハウスは土地面積60アールで17棟あった。この研修では農業の良いところ、工夫しているところ、大変なところを主に教えていただいた。

 

なかでも農業のいいところは自分が社長であって好きに仕事ができるところである。そして、ネギ栽培は年中可能なのでビニールハウス17棟を空きなくサイクルさせてねぎを栽培させることで安定した収入が得られる。しかし、近年は異常気象の影響を受けねぎを思うように成育できず、昔に比べると大変であるそうだ。

 

また、ねぎの収穫、根洗い、調整、出荷、土壌の消毒の作業を体験した。収穫ではなれない姿勢だったので腰が痛くなった。根洗いはねぎの根を空気と水で洗う機械を用いる。一人がねぎの根を整え機械へと流し、もう一人が流れてきたねぎを回収し箱に入れる作業である。僕はねぎを回収し箱に入れる作業をした。調整はねぎの長さを分別したり、傷んでいるねぎを取り除いたり、ねぎ見た目をよくするためにした場を処理する作業のことである。ここでは本当は食べられるが消費者が野菜を買う際に判断する見た目を重視して行われていることを知った。ここでのねぎの廃棄は想像以上に存在した。

 

ねぎを引き抜いてから出荷するまでにかなりの量が廃棄される。また、本来ならねぎは土のついたままの状態で出荷するほうがいいらしいがそれはできない。そこには消費者に合わせるための作業が必要とされている為である。したがって、農家が値段を決めるのではなく、消費者が値段を決めるとさえ言われる。このことを聞いた時は衝撃だった。ただ、普段の自分を思い返すと確かに見た目のきれいなものを選んでいた。農家さんたちはここまで消費者のために手間をかけて栽培から出荷までをしていることが分かった。実際に農業がどのようなものか、また暮らしがどのようなものかが体験できて良かったです。本当にありがとうございました。

  • 居残り研修の納冨君を空港に迎えてくれた長廣さん、大分県の旅に出てしまった他の学生と異なりこれから東京へと向かう佐伯さん。撮影日時: 2019:09:06 17:46:32
  • 日照不足や水のいきわたっている量の違いで成長に差が出る(撮影:納冨泰一)
  • 調整作業でねぎの根を並べているところ(撮影:納冨泰一)
  • 調整作業で出たねぎの廃棄の一部(撮影:納冨泰一)