リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2020.01.21

  • 国東農業研修

地域おこし協力隊との懇談 坂本拓朗(2019年実習-10)

私たちは市長さんとの話の後、国東市役所にて地域おこし協力隊の人たちと話をしました。地域おこし協力隊は主に国東市の抱える地域としての問題に取り組んでおり、現在は移住者のための「空き家バンク」の登録や観光業に力を入れている市の団体になります。そして、今回は協力隊の林新太さんと大関久里佳さんとお話しできる機会がもらえました。林さんは挨拶にて自分の現在行っている活動に対して詳しく話してくださり、その話し方から国東に対しての熱が伝わってきました。大関さんは横浜からの移住者であり、子育てについて考えた際に国東のような環境が良いと考え移住してきたそうです。

 

まず林さんと大関さんは国東の抱える問題などを中心に国東市の行っている活動について話してくださりました。国東市が現在力を入れている主な活動として挙げられるものは、移住者への対応と、観光業です。そして、この問題はどれも「人口減少」という問題に関わっており、過疎化が進む多くの地域が取り組んでいる問題になっています。国東もその例外ではなく、それに対しての活動を行っています。移住者に対しては主に金銭的援助を行っており、医療費の免除などの生活にかかるお金の負担を軽くしています。また、観光業に関しては「空港に外国人がくるのにも関わらず国東には訪れない」という現状があり、それを誘致する形で活動を行っているそうです。現に外国人観光客の中には日本の田園風景や田舎の暮らしに興味がある人もいるらしく、その人たちに国東の風景を見せたところ感動していたという話もあると聞いています。

 

国東市では地域の活性化のためにこのような取り組みをしているわけですが、これらの活動には良い点だけではなく、進める上での課題も多く取り残されています。まず、観光業が直接的に移住者の誘致に結びつかないという問題があります。昨今、日本の至る地域にて人口対策の一つとして観光業への参入が行われていますが、それで成功している地域は一部であり、観光業を発展させる上で欠かせない人材の確保が少子高齢化により難しい状況にあります。実際に国東でもこの問題は存在しており、初日に伺った難波さんからもお店を閉めてしまった親友の話がありました。その人がお店を閉めてしまった理由が「お客が来ない」からではなく、「一人じゃ回せない量のお客さんが来ているため」ということから国東でも人材不足が深刻だと窺えます。また、ただの観光ではうまくそこでの生活および長期的な移住に結び付かないことが多いそうです。そして、協力隊が最も観光業で懸念している問題として、今の国東の持っている良い地域の形に傷がつくことだと話していました。例え人口が増えたとしても、人との繋がりが濃いという形が「国東」という形が変わってしまうのであればそれは違うと国東に対しての愛を深く語ってくれました。

 

この話し合いを通じて私はメディアなどを通じては伝わりづらい、地域問題に直接関わる人の苦悩と、地域に対する愛情を少しだけ触れられた気がしました。また、自分の中での地域問題に対しての考え方も変わったと感じられます。

 

協力隊の林さん、大関さん貴重なお話をありがとうございました

  • 現在では市長室だけにある貴重な一枚。撮影日時: 2019:09:04 12:33:59
  • 地域おこし協力隊の林さん(左)と大関さん(右)との講談。撮影日時: 2019:09:04 10:52:29
  • 充実した懇談を終えて記念撮影。撮影日時: 2019:09:04 12:16:50
  • ふるさと応援隊との懇談会を設定し司会をしてくださった藤本さん。撮影日時: 2019:09:04 10:41:04
  • 私たちの名刺と交換しながら、和やかなお別れとなる。撮影日時: 2019:09:04 12:21:36
  • 市役所の窓から見える山口県祝島と国東半島とのつながりを聞いた後、研修でお世話になった藤本さんとも別れ市役所前で記念撮影。撮影日時: 2019:09:04 12:45:51