リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2019.03.19
- 国東農業研修
朝日観音・夕日観音 木村渉吾(2018年実習-16)

田染荘の棚田を目の前に下車し、毛虫の集合住宅ともいえる一本の木を横目に、ゲートを開いて山へと入る。「虫・ヘビに注意!」の文字におびえながら、ご立派な蜘蛛の巣を壊して進む。木の間から見える太陽を目指して、うねる石段をたどっていく。道が雑草で隠れ、どっちへ続いているのか迷い迷い進むと、岩がくぼんだ所へ出る。朝日観音のもとに到着である。ごつごつした岩が突き出る崖肌に気を取られると、細い道で足を踏み外しそうになる。危険な冒険を経ての参拝である。

道を戻って山の反対側の夕日観音へ。もともとは何人いらっしゃったのだろうかと想像しながらお地蔵様に一礼し、振り返って太陽が沈むだろう方角を一望する。険しい山道を上った先に、夕日を見るためのベストポジションを見つけた昔の人々はどんな気持ちだったのだろう。腰を下ろして、軽食をとった。休憩の後は、見晴らしの良い展望台へ。
展望台では田染荘の景観が見渡せる。田染荘には、曲線で細かく区画された田園の風景が谷筋に沿って広がっている。夏のこの時期は、緑一色の水田の鮮やかさが、田と田を区切る曲線の不規則さを際立たせる。これは中世から今日までほとんどそのままに、村の人たちの手によって守りぬかれた景観である。その歴史的経緯から、田染荘は国の重要文化的景観に選定されている。4日目にして疲れがたまっていた私たちも、展望台からの景色には圧倒され、心も晴れやかだった。
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この爽快感をなんとか写真に収められないかと奮闘した。撮影日時: 2018:09:05 09:57:57 -
夕日観音から灯明台のある展望所の学生たちを撮影。撮影日時: 2018:09:05 09:53:08