リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2019.03.19

  • 国東農業研修

七島藺工房の見学、松原さん訪問 石井海道(2018年実習-13)

ブログ投稿者:丸橋珠樹

私たちは里の駅むさしにて昼食を購入した後、次の目的地である松原さんの七島藺工房に向かいました。私たちが向かう途中に突然の大雨。台風が近付いていたこともあり急いで七島藺工房へ向かいました。

 

まず、畳には2種類あります。1つ目は藺草で作られた畳。2つ目は七島藺で作られた畳です。七島藺とは、主に畳の原料となる植物です。現在、ほとんどの家庭では藺草の畳が占めています。七島藺表は、藺草の畳より5~6倍の強度をもち、かつては柔道場の畳や多くの庶民に親しまれていました。しかし、現在では七島藺を生産しているのは大分県国東市のみとごく僅かになってしまいました。そのため、現在では七島藺の畳は非常に希少で高級品として扱われています。

 

七島藺の畳の製造工程はまず、一定の量をとって束にし、折れたものや大きいものなど材料にならない部分を手作業で叩きつけることによって振り落としていきます。次に畳を編むために必要な太さにするために、七島藺を半分に割く作業を行います。この作業は基本的に機械で行われています。七島藺の束を機械に入れると自動で適切な太さに割かれ出てきます。かつては現在のような機械がなかったため、弦を張り、そこに七島藺を通して割いていきます。私は手作業と機械の2種類を体験させて頂きましたが、手作業で割く作業の後に機械を使用した時はその効率の良さに驚きました。その後、乾燥作業を行うために倉庫のような所に七島藺を保管します。乾燥させると水分が抜けて7、8kgの七島藺は1kgほどと大変軽くなります。

  • 約50年も前の古い道具を使って手作業で七島藺を割く体験。撮影日時: 2018:09:04 13:19:12
  • 畳一枚分のまだ刈り取ったばかりの七島藺の重さ(約27kg)を体験。撮影日時: 2018:09:04 13:30:51
  • 七島藺を復活させた松原さんから、その思いを語っていただいた。撮影日時: 2018:09:04 13:38:24
松原さんの七島藺工房の見学を終え一緒に記念撮影。撮影日時: 2018:09:04 13:57:04
私達は見学を一通り終わると、先ほどまでの雨が嘘のように晴れていました。私たちは松原さん達にお礼を告げ次の場所へ向かいました。私たちはお土産として石垣芋を頂きました。私は初めて食べたのですが、ほんのりとした甘みが口の中に染み渡り、非常に懐かしい味がしました。また、お別れの際に、奥様手作りの七島藺で編んだ馬の工芸品を頂きました。
七島藺だけに言えることではありませんが、後継者問題は深刻な問題であり、七島藺を栽培する者も少なくなっており、後世に七島藺を残すためにはより考えていかなければいけないと感じました。