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2019.03.19
- 国東農業研修
ねぎ農家研修 横山さん 木村渉吾(2018年実習-07)

私たち三人(木村、石井、新井)は、横山さんのネギ農家を訪れた。田んぼ道を入って、ビニールハウスの前で横山さんとその奥さんに出迎えていただいた。さっそくネギの調整作業のお手伝いをした。ネギといっても大分のネギは、東京でよく目にする白い長ネギではない。細くて緑色の小ネギである。横山さんに小ネギのおいしい料理を聞いたところ、やはりネギ焼きが主流のようである。しかし、どんな料理に入れてもおいしいというのが小ネギである。
大分を訪れたこの夏の時期は、農家さんにとっては、最も大変であり、最も楽しい収穫の時期だ。小ネギの調整作業もその過程である。収穫したネギを、出荷できる状態に整えるのがこの作業。農家さんは、販売されるときの見た目に非常に気を遣う。消費者に手に取ってもらうために、たくさんの配慮がなされている。例えば、販売されるときに虫のついている商品は、まず手に取ってもらえない。だから、無農薬栽培が流行っているとはいえ、ある程度の農薬を使うことは仕方のないことである。
いうまでもないが、農作物は形が同じものなどない。形が悪いものから、傷んでいるものまでさまざまである。それらを選別することも農家さんの仕事である。小ネギは収穫した状態では、古い葉がすでに枯れかかっていて先端が茶色い。調整作業では、枯れそうな葉を取り除き、緑色の葉っぱだけになるようにする。さらに、出荷される状態は「一芯一葉」と言って、一つの芯に一つの葉がついているような形に整えられる。つまり、それ以外の葉は使えそうなものまですべて破棄される。もったいないと思うが、そうしなければ消費者には買ってもらえない。
調整作業を一通り終えた後は、横山さんご夫婦にお話を伺った。農家を始めた経緯などいろいろな話をしていただいた。特に印象的だったのは「自分の子には農業を継がせるつもりはなく、やりたいようにやらせた。」とおっしゃったことだ。今の時代、農業は世襲制ではない。横山さんは、新しく農業を始めたいという人に後を継いでもらうそうだ。横山さんの長男さんは、東京の品川区で区議会議員として働いている。
最後には落花生(ピーナッツ)の収穫を体験させていただいた。南米原産の落花生はその名の通り、受粉した花が落ちるように伸び、地中で実を生むという珍しい特徴を持つ。
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地面から引っこ抜くと、根っこのようにたくさんの落花生が現れる。撮影日時: 2018:09:03 11:24:24 -
横山さん夫妻に温かく迎えていただいた。お菓子もたくさんいただいた。作業を終えお別れの記念撮影。撮影日時: 2018:09:03 11:32:44 -
横山さんから人生の歩み方のヒントをいただき、お別れ。撮影日時: 2018:09:03 11:33:47