リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2019.03.19

  • 国東農業研修

2018年度 白雉ねぎ焼き 古谷凪沙(2018年実習-35)

長廣さんから届いたねぎ。ひとつひとつがお店で売るように丁寧に梱包されていた。その作業までがどれほど大変かがよくわかり感謝の気持ちでいっぱいになる。撮影日時: 2018:11:01 10:59:01

今年もやってきた。武蔵大学の大学祭、通称白雉祭である。ここは国東半島農業研修メンバー最後の力の見せ所である。

 

私たちは毎年、研修でお世話になっている長廣さんから大分味一ねぎを送っていただき、味一ねぎを使ったねぎ焼きを販売している。ねぎ焼きとはお好み焼きの生地の上に大量の小ねぎと肉をのせ焼いたもので、白雉祭では毎年大人気の商品である。この出店は大分味一ねぎの魅力を皆さんに知っていただくということが目的であり、ねぎも長廣さんを通じて大分味一ねぎ生産組合から無償で提供していただいている。メンバーの数も少ないので、文化祭初日のみの出店となっている。

 

事前準備では毎年使用している鉄板や調理道具の手入れを行った。昨年は異例の300枚以上を売り上げた(それまでは毎年250枚ほど)。打倒昨年度の売り上げ枚数を目指し皿や箸などを少し多めに準備。大分から航空便で大分味一ねぎが5箱、全体で11kg、そして「大分味一ねぎ」の幟が届いた。発泡スチロール箱いっぱいに詰められたねぎを見ておもわず「おぉ・・・!」と声が出る。ついに今年もこの日が来たか・・・!と2年目の私はわくわくである。毎年研修メンバーは6人前後であるため機材運びからテント設営まで人手が足りない中力を合わせ準備、作業を行う。少人数だからこその一人一人の役割の大切さやそれぞれの責任などを感じる。ちなみに、昨年はこのタイミングでねぎ焼きのためし焼きを行ったが、今年は5月の時点で、今年のメンバーの顔合わせも兼ねて交流会と名づけたねぎ焼きパーティーを行い、材料や調理手順、そして美味しさを確認した。

準備においての余談を1つ挟む。白雉祭では出店専用のブルーシートというものがあり昨年購入したものを使ってよいことになっている。しかし、今年は丸橋先生が間違えて別の授業用に専用ブルーシートを埼玉県飯能の間伐体験研修地へ発送してしまったため再度購入することに。今後同じことを繰り返せば研究室がブルーシートだらけになってしまう、なんてこともあり得るかもしれない。来年以降の研修生たちはしっかり専用ブルーシートをキープしておこう。
  • 白雉祭準備の様子。国東半島農業研修の活動内容についての説明パネルを作成。撮影日時: 2018:11:01 11:41:20
  • 設営が終わったテント。会計の準備や鉄板の準備に追われる。撮影日時: 2018:11:03 09:29:23
ねぎ焼きを焼いている様子。1枚の鉄板で12枚のねぎ焼きを焼く技は昨年の白雉祭で学んだ技術である。撮影日時: 2018:11:03 12:24:56
さて、白雉祭当日である。集合はなんと朝の7時。気合いが入りすぎた私は6時15分に研究室に到着、先生よりも早く来てしまったため研究室前の階段に一人座り込むことになった。とても早い集合ではあったが、メンバー全員時間通り集合、早めに来た一部メンバーは持参したご飯と先生が漬けた梅干しで朝食をとった。朝7時の大学には白雉祭実行委員以外誰もいない。私たちの気合の入りようである。
異例の300枚を売り上げた昨年は、焼き慣れてきた昼頃には、1枚の大型鉄板上で12枚のねぎ焼を焼くスタイルに変更し効率よく焼いた。また、過去に研修に参加したたくさんの在学中の先輩方が手伝いに来てくださった。今年は先輩方も忙しかったようで手が借りられなかったため基本は7人での作業となったが、開店直後から12枚焼くスタイルをうまく組み立てることに成功。途中昨年参加者の岡田さんの力も借りつつほぼ7人で回し切ったのは今年のメンバーのチームワークの高さがみられるのではないだろうか。しかし自団体の活動も忙しい中私たちを手伝ってくれた岡田さんの存在は大きい。岡田さん、ありがとうございました!さて、回転効率がよかったためたくさんのねぎ焼を作って売ることができ、おおめに用意していた皿は途中で買い足すことになった。最後は生地がなくなり販売終了。
  • 大勢のお客さんをさばくのに、いかにして、手際よく焼き上げるか?流れ作業をチーム一丸となってこなしていく。足らなくなった食材買い付け、生地つくりなどバタバタとしたがお客さんには満足してもらえた。撮影日時: 2018:11:03 12:25:12
  • 昼の最盛期には1時間で100数十人押しかける。毎年の人気で、テントには長蛇の列。撮影日時: 2018:11:03 12:24:31
具材の一つ豚ばら肉を炒めて焼き作業をスムースにする。撮影日時: 2018:11:03 09:09:16
そして昨年の記録を大幅に上回る400枚以上を売り上げた。毎年大人気で食べたくても食べられなかったという人が大勢いるが、今年はより多くの人においしさを知っていただけたのではないかと思う。「ねぎがたくさん入っているから辛いのかと思ってたけど辛くなかった!」「想像しているねぎとは違った。」「食べやすくておいしい!」といった声も多く聞かれた。また、ねぎ焼きを買った後、一口食べてそのおいしさに驚きテントまで戻ってきて作り方を確認しに来た方や、2枚目を買いにもう一度並んで買っていく方もいた。「え、ちょっと待ってこれおいしい!」とのリアクションにこちらまでうれしくなる。
今年の4月に卒業した国東研修生たちが、丸橋研究室に勢ぞろいしてくれた2018年の白雉祭だった。撮影日時: 2018:11:03 13:27:57
毎年白雉祭に来ていて、必ずねぎ焼きを一番最初に食べると話してくださった方もいて驚きである。なんとここ10年ほど食べに来てくださっているそうだ。2年目の私を覚えていてくださり「去年も作ってたよね?」と声をかけてくださった。ねぎ焼きファンの存在に、ねぎの魅力は確実にお客さんに伝わっているのだ!と嬉しくなった。また、昨年研修の後半でご一緒させていただいた山崎学長や昨年卒業していった、過去に研修に参加した歴代の先輩方もねぎ焼きを買いに来てくださった。特に、昨年ともに研修に参加した仲間である2人の先輩が来た時には思わず大声が出てしまった。再会に歓喜である。そして先輩方は研究室に集合して丸橋先生と久しぶりにお話をしていったそうだ。どうりで今年は丸橋先生が全然テントにいらっしゃらないと思った。私だって久しぶりに先輩方とお話ししたかった!!!先輩方と先生の楽しそうな集合写真を見てうらやましいという気持ちがいっぱいである。

実際の研修中は多くの人に出会い話を聞き、メンバーそれぞれが人とのつながりを感じたと思うが、私は白雉祭もまた人とのつながりを感じることができる場であると思っている。見ず知らずの方に研修についてお話したり、わざわざ感想を言ってくださる方がいたり、たくさんの方とつながる機会をここでもまたいただいている。本当に貴重な経験をさせていただいているのだと、改めてこの研修と研修に携わる方々に対して感謝の気持ちでいっぱいになる。

 

さて、今年の白雉祭には「しらきじグランプリ」なるものがあった。どの出展団体がよかったかを会場やウェブで投票をしてもらい1番を決めるというもので、投票期間は白雉祭が開催される2日間である。正直、毎年大人気のねぎ焼き、その人気を世に知らしめるいい機会だと思い一人静かに闘志を燃やしていた。一つ懸念すべきことがあるとすれば、私たちは1日目しか出店をおこなわないため2日目に来たお客さんにはねぎ焼きのおいしさを知ってもらうことができないという点である。しかしなんとしてでも「グルメ部門」上位3位には食い込みたいところであった。実際に初日を終えてホワイトボードを見るとなんと1日目の時点で国東半島農業研修グループ、堂々の1位!!実は私、本番当日はすっかり投票のことを忘れひたすらねぎ焼きを作りお客さんに食べてもらうことばかりで頭がいっぱいであった。

 

しかし、「投票お願いします!」とお客さんに声をかけずとも、多くのお客さんが「あのねぎ焼きがよかった。」と投票をしてくれたということである。たくさんのお客さんに大分味一ねぎのおいしさを知ってもらうことができたのではないかととてもうれしく思った。そして2日目。結果が気になって仕方がなかった私は他団体での活動を終えた帰りにちらっと投票所をのぞいてみた。すると驚くべきことに前日よりも投票数が増えぎりぎり1位をまだキープしている状態!もちろん初日に食べて2日目に投票をした方が多いのだとは思うが、私の目の前にいた男性は「昨日食べたかったのに食べれなかった!!」と言いながら農業研修グループに投票をしてくれていた。この男性以外にも、「2日間やると思っていたから食べ損ねた。」と残念そうに話してくれた友人もいる。白雉祭は大分味一ねぎの宣伝の場とばかり思っていたが、それだけではなく大勢の武蔵学生に対して国東半島農業研修という活動があることの宣伝の場にもなっているのだなと思った。白雉祭のねぎ焼きがきっかけで研修に参加する人がいればいいなと思う。

準備日にメンバーで記念撮影。撮影日時: 2018:11:01 13:26:20

白雉グランプリ投票所の様子。上から2段目の右奥から2番目が国東農業研修グループへの投票である。たくさんの人がねぎ焼きに投票をしてくださった。グルメ大賞の投票ボード。2日目の夕方の結果。古谷凪沙撮影

 

もちろん、グランプリ「グルメ部門」1位はこのまま国東半島農業研修がいただいた。例年よりも多くのねぎ焼きを作りより多くの人にそのおいしさを伝えられたということが実感でき、とてもうれしかった。景品でいただいたグルメ券1万円分もうれしかったのも事実である。いつか農業研修で出会った大分の方々に白雉祭のねぎ焼きを食べていただける機会があればいいなと思う。

 

今年も大成功のねぎ焼き屋台、うまくいったのは本当にたくさんの方の助けあってのことである。国東半島の方々から武蔵大生まで、たくさんの人に感謝である。本当にありがとうございました!(古谷)

以下は参加メンバーの感想である。

 

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私にとって今年の白雉祭は大学4年間で初めての学園祭でした。そのため、学園祭の準備日から雰囲気がよく分からず非常に不安でした。しかし私一人でやるわけでないので、他の仲間たちも手際よく行動してくださり、非常にスムーズに当日を向かえることが出来ました。白雉祭当日、私たちは朝7時に研究室に集合し準備に取り組みました。ねぎ焼きに使用する送って頂いた大分味一ねぎの調理や生地を作成しました。そして皆んなの協力のおかげで学園祭開始の時間に間に合うことが出来ました。お客さんもたくさんねぎ焼きを買ってくださり、多くの方々が美味しいと言ってくださいました。そのため私も非常に嬉しかったです。さらに今年はなんと去年の記録を大きく上回る、400枚以上も売ると言う記録を残すことが出来ました。また、今年はお客様投票でグルメ部門の1位を決定するイベントが行われ、見事に1位になることが出来ました。今回のねぎ焼きをきっかけに多くの人々が大分味一ねぎの美味しさを知ってもらえたらなと思います。この度は、このような機会を設けていただき本当にありがとうございました。国東半島農業研修に関わる全ての人々に感謝致します。(石井)

 

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入学してから3年になるが、自分自身は初めての白雉祭出店だった。準備から全部自分たちで行い、正直ここまで大変だとは思っていなかった。しかし、テントを組み立て机を並べ、鉄板とガスコンロをセットし、のぼりを立て、出店の形を作り上げただけでそれなりの達成感を得ることが出来た。昨年までのねぎ焼きの話は聞いていたが、想像以上の大繁盛であった。「去年は売り切れで食べれなかったの」と、嬉しそうにねぎ焼きを食べるお客さんを見ると凄くやり甲斐を感じ、良い経験になったと思う。「凄く美味しかったわ」と感想を言いに来てくれた人に、「大分味一ねぎは近くのスーパーでも購入できますので、是非!」と宣伝することも出来て、出店の目的の一つである味一ねぎの宣伝も叶ったので、やって良かったと心から思えた。(落合)

 

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私は白雉祭の参加自体が初めてだったので、かなり不安でした。当日は集合時間が早すぎると思っていたが、ねぎを切ったり、肉を切ったりするうちに祭りの開始時間が迫っていたので驚いた。今回、私は主に生地作りを担当した。7人ほどで作業を分担していたので、生地を作る担当が、減っていき大変だった。また、短い時間だったが、店を方で生地を広げる作業もした。初めは、勝手がわからず作業の流れを乱してしまったが、最後の方は作業にも慣れ楽しむことができた。お客さんの中には、味一ねぎやこの国東農業研修の活動に興味を持ってくださる方もおり、この活動の意義を感じた。少ない人数で店を回すことができて、とてもやりがいのある充実した時間を過ごすことができた。このような機会をくださり、ありがとうございました。(渡部)

 

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私はこの研修に参加し、はじめて「ねぎ焼き」という食べ物を知りました。ねぎ焼きと聞くと、多くの人は焼き鳥でいうねぎまのねぎのみを焼いた食べ物を想像するかと思います。しかし、それはネギの中でも白ネギというものであり、ねぎ焼きという食べ物には小ねぎを使用します。小ねぎとは、青ネギを若取りしたもので、他にも細ねぎ、万能ねぎなどと呼ばれています。万能ねぎという名前の通り、小ねぎはさまざまな料理に使うことができる食材です。しかし私の食事のなかで小ねぎが料理の主役として扱われる機会が多くはありませんでした。したがって、ねぎ焼きをはじめて食べた時に感じたねぎの本来の美味しさに驚いた事を今でも覚えています。この「ねぎ焼き」はねぎ本来の旨味を最大限に引き出すことができる料理だと感じました。そして同時に、私のようなあまりねぎを食べてこなかった人達にこの美味しさを伝えたいと強く思いました。白雉祭当日、この日に向けての研修メンバーの余念のない準備のおかげで、大分味一ねぎと書かれた幟が出ている私たちのテントには学生から地域の方々まで多くのに人々で溢れていました。その中には、美味しかったという理由で追加して買って下さった方や、帰り際に、一言「ねぎがとても美味しかった」とテントに出向き言って下さった方など、ねぎ焼きは多くの方々から絶賛の声をいただきました。そして、見事にグルメ部門において一位に輝くことが出来ました。

 

私はこの白雉祭を通して、ねぎ焼きという料理の存在を知り、ねぎ本来の旨味を感じれたこと、またそれを多くの地域の方々に教えることができたことがなによりも嬉しく思いました。これからもこの国東半島農業研修を通して、より多くの方々に大分味一ねぎの美味しさ伝えていけたら良いなと思います。最後に、今回の白雉祭におけるねぎ焼き出店が大成功に終わった影の立役者である大分ブランドねぎ「大分味一ねぎ」を提供してくださった農家の方々に感謝申し上げます。(新井)

 

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国東半島研修のメンバーとして文化祭に参加することができたことは、今ではとても良い思い出です。ねぎ焼きは大成功でした。知ってる人がたくさん買いに来てくれて、みんなに美味しかったと言ってもらえたことはとても嬉しかったです。しかしその成功の裏には、たくさんの苦労があったことも忘れられません。その日は、朝早くに集合し、大量のねぎを切る作業から始まりました。厳しい規制の中、7人という限られた人数で行わなければならず、非常に苦労しました。大慌てで生地を作り、肉を焼き、なんとか準備が終われば、ひたすらねぎ焼きを作り続けました。たくさんのお客さんに来ていただき、休む暇はありませんでした。そんな苦労を乗り越えて、ねぎ焼きは完売することができました。私たちは、達成感の気持ちでいっぱいでした。文化祭という基本は自由参加の行事に、ここまで本気で取り組んだことは私にとって、初めての経験でした。文化祭で良い思い出を作ることができ、私はとても満足です。(木村)

 

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白雉祭お疲れ様でした。大学に入ってからこのような行事に参加したのは初めてで少しワクワクしていました。人数が多い訳ではないので、準備の段階から結構苦労しました。けれど、しっかり開始時間に営業を始めることができました。大きな鉄板でねぎ焼きを作るのは思ったよりも大変でした!PRもしつつなんとか、早い時間に売り切ることができ、お客様に美味しく召し上がっていただくことができたのでこちらもとても楽しかったです。さらに、グルメ賞も取ることができ、白雉祭に参加してよかったと思えました。来年は、ねぎ焼きを売る側でなく買いに行く側で白雉祭に参加したいと思います。(笑)(山﨑)