リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2019.02.01

  • 国東農業研修

白雉祭でのねぎ焼き販売本番 2017年11月4日 古谷(2017年実習-35)

11月4日には例年継続している「大分味一ねぎ」をつかったねぎ焼きを出店します。事前に試し焼きをして美味しさを学生自らが実感し、作業手順に慣れ、予算、必要調理器具の点検などを行います。昨年は、武蔵大学出身の国東市役所職員岩武さんが白雉祭に来訪してくださり、皆、とても喜びました。

 

今年も白雉祭でねぎ焼きを作るにあたり、10月20日、ためし焼きを行った。ためし焼きでは、どれくらいの材料でどれだけのねぎ焼きを作ることができるのか、時間はどれくらいかかるのか、どのような流れで作るのかを把握するという目的がある。全員エプロンを忘れてきたりお好み焼き粉に直接水を投入して生地がだまになってしまったりとアクシデントは多くあったがなんとか完成、一口食べてそのおいしさに絶叫する。各自最低、一人一回ずつは焼いてひっくり返す練習を行った。また、学生生活課の職員の方にもねぎ焼きを差し入れした。とても喜んでくださり、今年のねぎ焼きはねぎのカットサイズが大きめでいいねとの感想をいただいた。大きめにカットすることでねぎそのものの味や触感が楽しめる一品になった。当日うまくいくだろうかという不安を抱きつつもためし焼きを終える。その後白雉祭で使用する鉄板の設置練習や当日の日程確認を行い、各自帰宅した。

  • これまで研修旅行に参加した在学生も駆けつけてくれて、大量の大分味一ねぎをしたごしらえ中。撮影日時: 2017:11:04 09:42:06
  • 豚バラ肉を一枚3等分していつ。みばの良いねぎ焼きを作り、一枚づつ均等になるように。撮影日時: 2017:11:04 09:44:32

11月4日、白雉祭当日。今年は天候不順でねぎが集まらない中、長廣さんが私たちのためにねぎを確保してくださった。長廣さん、本当にありがとうございました。貴重な大分味一ねぎを手に「成功させなければ!」という気持ちが強まる。

 

この日は朝の準備段階から歴代国東半島農業研修参加者であるたくさんの先輩方が手伝いに来てくださった。「これってどうすればいいんだろう?」とあたふたしている中、先輩方の存在はとても心強かった。屋台営業開始直後は慣れない鉄板の温度に困惑し、なかなかうまく焼けず多くのお客さんを待たせてしまうことになってしまったが、先輩のアドバイスやサポートをいただき最終的には一枚の鉄板で10枚のねぎ焼きを作れるまでになった。

  • 本番前に切り取ったねぎの根で鉄板の調子を整えているところ。撮影日時: 2017:11:04 09:33:55
  • 下ごしらえとして、大量の豚ばら肉に前もって火を通す作業。撮影日時: 2017:11:04 09:43:31

ここで、いつか農業研修に参加するであろう後輩へ。ねぎ焼きの鉄板は非常に熱く、特に手元近くは異常なほどの高熱を発している。調理中はビニール手袋をはめなければならないのだが、調理中に少しでも手元付近の鉄板に手を近づけようものならビニールが溶け手に張り付いてくる。なかなかに痛く、そして熱い。焼く作業をする人は下に軍手などをつけてから焼いたほうが安全かもしれない。

 

当日、お昼時には並びすぎて列を折り返さなければならないほどにねぎ焼きは大盛況だった。これだけたくさんの方が食べに並んでくださるとは思っていなかったためひどく驚き感動した。当初250枚ほどの販売を予定していたが実際は300枚超のねぎ焼きが売れた。途中でお好み焼き粉やソース、割りばしなどがなくなってしまいこちら側も大慌てで、先生にお願いして近くのスーパーで買い足してもらった。それだけたくさんの人にねぎ焼きを食べてもらえたのだと思うととてもうれしい。

 

販売を終え流し場であと片付けをしていると隣で洗い物をしていた武蔵大生の方に「ねぎ焼きの方ですか?」と話しかけられた。「ねぎ焼き食べました!すごくおいしかったです!あれは何かのサークルなのですか?」と聞かれ、国東半島農業研修についてどんな活動をしたのかなどを話すと、「研修には参加するかわからないですけど、でも来年もまたねぎ焼き買いに行きます!」と言ってくださった。研修には興味を持ってもらえなかったのかもしれないが、それでも「おいしかった」というその感想を伝えるためにわざわざ話しかけてくださったことがとてもうれしく、今日一日頑張ってよかったと心の底から感じた。

 

ほかにも多くの知人が「おいしかった」と言ってくれた。多くの人々に大分味一ねぎが伝わったという達成感もあるが、作ったものを「おいしい」といってもらうことの喜びを学んだ。国東半島での研修後、河野さんがまこもを送ってくださった際に丸橋教授から「食べたらその感想を電話で伝えてください。」と言われた。電話は緊張して気恥ずかしくていやだなと思いながらも勇気をもって電話をしたのだが、今回のねぎ焼きを通して「こういうことだったのだろうか」と直接その感想を伝えることの大切さを実感したように思う。

 

今回、ねぎ焼きを通じてまた多くの人々とのつながりが増えたことをとてもうれしく思う。特に歴代参加者の先輩方とは農業研修の話について盛り上がったりと、楽しくお話させていただく場面が多くあり印象に残っている。来年もまた研修に参加するかどうかはまだわからないが、今年参加した先輩として来年以降先輩方のねぎ焼き技術を後輩に継いでいけたらと思う。先輩方、準備期間を含め当日も遅くまで手伝いをしてくださりありがとうございました。

 

 

以下は、参加した学生からの短い感想です。

 

○白雉祭では、大分の味一ねぎを使ったねぎ焼を出展した。これは毎年恒例であるという。文化祭の開催前、研修でお世話になった長廣さんに簡単なメッセージを添えた依頼書を出して、ねぎを届けてもらう。研修参加者である私たちは、研修に協力していただいたお礼として、味一ねぎの宣伝を行うのだ。4年間の学生生活の中で、文化祭に出展者として参加するのは初めてだった。もちろんのこと、エプロンを着けて料理を出すことも。準備を進めていくと、頭で理解していることと実際の作業の煩雑さとの乖離を実感して、やってみなければ分からないこと、体得できないことがあることに改めて気づかされる。それでも、むしろそれだからこそ、その経験は研修全体を締めくくるものであったし、国東への宝の記憶となって今に残っている。理解してしまえばきっと簡単なことでも、そこにたどり着くためには、きっと労を重ねなければならない。紀元前、ユークリッドの残した「学問に王道なし」という言葉の真意は、楽をするなということというよりは、誰もが自分の経験を以て自己を形作っていくことの重要さを意味するものなのだろう。「盛年不重来 一日難再晨 及時当勉励 歳月不待人」。一日に二度朝を迎えることはなく、若いときは二度と戻っては来ない。過ぎ行く時は待ってはくれず、じゃあ何時やるか、「今でしょ」(古い)。(並木)

 

○正直、白雉祭でねぎ焼きを売る前までは、どうせお客さんも「あれおいしかったね」程度で終わってしまうだろうな、なんてことを考えていた。しかし当日実際に作っていると、去年食べられなかったから食べに来たと言ってくださる一般の方や大分味一ねぎを買ったことがあると話してくれる方など、多くの人に興味関心を持っていただけていたということがわかり、驚くと同時にとてもうれしく思った。今回の、そして歴代の出店の意義を感じることができた。今年もまた多くの人に大分味一ねぎのよさや国東半島農業研修について伝えられたのではないだろうか。私たちのために忙しい中手伝いに来てくださった歴代農業研修の先輩方、不作であまりねぎが収穫できない中私たちのためにねぎを確保してくださった長廣さん、本当にありがとうございました。(古谷)

 

○「3度目のネギ焼き」2015年度国東研修に参加し、早2年。今年の白雉祭は私にとって3度目のネギ焼きであった。長年(3年目)のコツを伝えられ、売り上げも良好だったと聞き、心嬉しい結果となった。また2017年度研修生とは、同じ土地に訪れた経験が会話のなかでリンクし、面白い報告を受けるなど素敵な交流ができたと感じている。毎年新しい研修生を迎えてくださる方々に改めて感謝の気持ちでいっぱいとなった。(野寺)

 

○私が国東の農業研修に参加したのは2015年、大学2年生のときでした。沢山の貴重な体験や素敵な景色を見ることでき、とても楽しく、かけがえのない経験となりました。さて、私はお手伝いとしてねぎ焼きに並ぶ人の列整理を主にしていましたが、その時にお客さんと話す機会が多くありました。話を聞いていると、「去年、ねぎ焼き食べて美味しかったから今年も楽しみにしていた。」という声が多くあり、毎年ねぎ焼きを楽しみにしてくれる人がこんなにもいるのだなと驚くと同時に嬉しくなりました。今後もねぎ焼きを通じて味一ねぎの美味しさを広めていけたらいいなと思いました。(山口)

  • 店前に研修旅行の歴史や活動を紹介するパネルも設置してそろそろ販売開始。撮影日時: 2017:11:04 10:18:30
  • 列が伸びて手際よく焼きを進めるにはチームワークが一番、連携もうまく行った。しかし、人気店なのでお茶を飲む暇もない。撮影日時: 2017:11:04 11:48:11

○第一に、天候不順にも関わらず私たちのネギ焼きに使うネギを確保して下さった長廣さんに心から感謝申し上げます。ありがとうございました。今回私は初めての白雉祭参加で、‘ネギ焼き’という言葉を聞いて頭に浮かんだのが、ネギがそのまま焼かれている姿でした。家族も友達も皆、私がネギのみを焼くのだと思っていました。試し焼きの際にようやく全様が明らかになり、そのあまりの美味しさに感激しました。ネギの美味しさが伝わるよう、例年よりも少し大きめのサイズに切ったところ、シャキッという食感をうまく残すことができました。また、試し焼きのために買い出しに行った武蔵大学の近所のスーパー、ライフに並んでいた大分味一ねぎを見て、とても嬉しかったのを覚えています。ライフからの帰り道、私はニコニコして両手に大分味一ねぎを10束抱えていたので、きっとすれ違う人々にいくらか宣伝できたと思います(笑)。さて、白雉祭の当日、結果からいうと学内一番の大盛況でした。先輩方から毎年行列ができるほど大人気だと聞いていましたが、実際に目の前に並んでいるお客さんを見てみてやっとネギ焼きのスゴさが分かりました。私は会計責任者という役割を担っていたため、終日お会計係を務めており、鉄板からは離れていました。しかし、その分お客さんの様子を誰よりも間近で見ることができました。皆さんネギ焼きの匂いやネギがたっぷり盛られている姿を見て、口々に「美味しそう…!」と言っていました。私の家族や友達も食べに来てくれて、ネギの美味しさを絶賛していました。先輩方も、共に大分へ行った仲間も一丸となって大分味一ねぎの美味しさを宣伝したので、多くの人々にその魅力が伝わったと思います。改めて、大分でお世話になった皆さん、お手伝いに来て下さった先輩方、大分への旅を共にした仲間、そして丸橋先生に、この場を借りて感謝します。ありがとうございました!(渡戸)

 

○文化祭おつかれさまでした。国東から帰ってきて、それまでとはまた違ったことで色々と悩んで落ち込んでしまい、文化祭当日でもなんだか元気が出せずに迷惑をかけてしまいました。申し訳ないです。また、文化祭では、国東研修の先輩方が助けに来てくださってとても助かりました。ねぎ焼きの生地の調理や火の加減、ソースの不足などで分からないことや問題が起き、経験のない6人では大変厳しい状況になったと思います。みなさん、本当にお世話になりました。ありがとうございました。(乳井)

 

○私は当日、受付係を担当していたのでお客さんの反応を間近で見ることができていたのですが、チケット代わりに渡していた大分のパンフレットを見て「大分ってこんなところもあるんだ!」「今度行ってみたいね!」等と会話してくれる方が非常に多かったです。また、味一ねぎについても興味を持ち「買うよ!」と言って下さった方も多く、少しは大分や味一ねぎをPRできたかなと嬉しく思いました。台風の影響があったにもかかわらず、武蔵大学にねぎを送って下さった長廣さん、改めてありがとうございました。(岡田)

 

○初めての白雉祭は、忙しさであっという間の一日となりました。ねぎ焼きの焼き方も知らなかった私は、当日忙しくなるまで右も左もわからず実感もありませんでした。当日の朝から遅刻してしまい、申し訳なさとともに現地に着きすぐにエプロンを着て、ねぎを切り始めたかと思うと、気づけば鉄板と向き合っていました。目の前で待っているお客さんを目線の中に入れながら、交代しながらひたすらねぎ焼きを作っていきました。美味しいと後日言いに来てくれる友達の言葉に私はとてもいい気分になりました。(平野)

  • 次から次へと列が途切れることもなく300数十枚を焼き、食材が尽きてしまった。撮影日時: 2017:11:04 12:08:24
  • 白雉祭での販売終了後、用意した食材がすべて完売し、疲れたけれど達成感のあふれる満足のイベントだった。ずしりと重い売上箱を持って記念撮影。撮影日時: 2017:11:04 15:32:05