リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2018.06.06

  • 国東農業研修

ネギ農家横山さん研修 渡戸(2017年実習-06)

  • 横山さんのビニールハウスの前、たわたわに実った稲をバックに記念撮影。 撮影日時: 2017:09:02 12:18:04
  • 私たちの質問に答えながらも作業の手は休まない。サラリーマンからの転職の経緯などを聞かせていただいた。 撮影日時: 2017:09:02 11:40:30

長廣さんのお宅で美味しい朝食をいただいた後は、長廣さんと同じくネギ農家の横山さんのもとでネギの調整作業を体験させていただきました。実際に自分の手でやってみて分かったことですが、この「調整」という言葉の裏には実に収穫されたうちの4割から5割が廃棄されているという現実がありました。消費者は見栄えで選ぶため、食べられるにも関わらず、ネギの外葉は販売している間に変色して見栄えが悪くなるからという理由で全て取り除くそうです。さらに、この調整作業というのは全工程の約7割もの時間がかかるそうです。調整が終わりサイズごとに箱に詰められたネギは確かに綺麗な見た目でしたが、その結果消費者、つまり私達は農家さんが売った価格の2倍以上の値段でネギを買っているという事実も知り、生産者・消費者の双方にとって無駄のあるこのシステムに私は疑問を抱きました。

 

横山さんはネギ農家になる以前は大阪で銀行員として働かれていました。そのため、奥様は消費者側の気持ちも生産者側の気持ちも両方分かる今となっては、スーパーに売っている野菜の値段が多少高くても買うことができるとおっしゃっていました。そこで私達は横山さんがネギを栽培しようと思ったきっかけが知りたいと思い、お聞きしたところ、実は偶然日経ビジネスの大分特集の欄に「農業しませんか?」という言葉を発見したこと、ネギは季節に関係なく周年栽培が出来ることを理由に新幹線の中で決めてしまったそうです。決断の潔さにとても驚きました。また、横山さん夫妻からは、「この8月は関東地域の日照時間が過去最低で10月くらいには生野菜の価格が上昇する可能性がある。価格が安定しているからと言ってカット野菜等の工場産のものではなく、将来の自分のためにも太陽の光を沢山浴びたミネラルたっぷりの野菜をたべるように」とのアドバイスをいただきました。