リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2018.06.06
- 国東農業研修
長廣さんねぎ体験 岡田(2017年実習-05)
この日は研修生が2班に分かれてそれぞれの農家さんにお世話になり、私達の班は長廣さんのもと、農業研修を行いました。
長廣さんの小ねぎ畑に向かうと、いくつかのビニールハウスが立ち並ぶエリアにたどり着きました。小ねぎという作物は、例えばいちごのように1年に1回しか収穫できないものとは違い、1年中いつでも種を植え、収穫することが可能なため、どの時期にも収穫ができるよう計算して育てられています。前述したいくつかのビニールハウスと言うのは、種を蒔いて芽が出るのを待つハウス、成長途中のハウス、もう収穫できるハウスと成長段階別に分かれているという事です。この特性の為たとえ1つのビニールハウスで栽培が失敗してしまっても、ビニールハウス1部屋分にかかる種代1万円分だけに被害額を抑えられ、また違うハウスで育て直すことが1年中可能なためやり直しがききやすく、小ネギは農業初心者にも向いている作物だそうです。長廣さんも今現在初めて農業をする数人に小ねぎ栽培を教えているそうなので、農業を始めてみたい方はコンタクトを取ってみると良いかもしれません。
私たちも実際に小ねぎの収穫作業体験をさせていただきました。収穫方法は、片手でねぎの根元の少し上を持って引きます。無駄な力を入れる必要がなく、するすると抜けていくのが楽しかったです。長廣さんは普段この作業を朝というか真夜中の2~4時にしているとのこと。農業の大変さを実感しました。今回は体験なので、カゴ1つ分程抜いたらトラックに積んで、長廣さんの家に持ち帰りました。
この次は根洗い作業というものに入ります。根洗いと言っても水洗いするわけではなく、ローラーのような機械を使って強い空気を吹き付けて土を吹き飛ばし根を短く切り、切られたネギを揃えてまたかごに詰めなおすという作業をします。根が短くなったことで、少しずつ商品としての形が整っていくように感じました。
続いて選別作業の体験に入ります。選別作業というのは葉が黄色くなった、短すぎる、長すぎるなど規格に合わないねぎを取り除き、小ねぎの三枚ある葉のうち傷みやすい一番外側の葉をはがして捨てていく作業です。この作業の中で捨てられたねぎや葉は食べられるものがほとんどであるにも関わらず「売れないから」という理由ですべて捨ててしまいます。少し食べてみても新鮮でおいしいものばかりでしたので、簡単ではないですが見た目で選んでしまう消費者の意識を変えることができればいいのにと感じました。
この体験の中で、このあたり一帯の農業利用水を蓄えている溜池にも連れて行っていただきました。都会ではあまり見ないおたまじゃくしが泳いでいたりとここならではの生き物を見ることができ、新鮮でした。長廣さんは小さい頃、毎日この池で泳いだり釣りをしたりと遊んでいたそうです。まだ準備段階でしたがしいたけのほだ場にも行き、この経験がその後田染のしいたけ農家河野さんの話を聞いた際のより深い理解に繋がりました。
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根洗い作業の様子。機械で根洗いされた小ねぎの端を揃えて箱に詰め、選別作業場に持っていく。 撮影日時: 2017:09:02 10:57:36 -
根洗いが終わったねぎをまとめる作業中。左端は研修視察に訪れた斎藤さん。 撮影日時: 2017:09:02 10:57:23