リベラルアーツ&サイエンス教育ブログ

2017.09.19
- 国東農業研修
2016年国東研修(19)空木峠池

最終日の早朝、おふじでの最後の朝食をとり、河野さんと一緒にホダ場に行き、帰るまでの間、私たちは、虻の脅威に晒されたのだ。物凄い数の虻に集られ、耳元で羽音が止まない。帽子を深く被り、全身を完全防備し、なるべく止まらないように意識した。
そしてもう一つ、忘れてはならないこと。私たちは見てしまったのだ。「水色眼鏡」や「夕焼け小焼けの赤」で知られる、トンボの肉食の本性を!彼等は虻を捕まえて、あちらこちらでお食事をしていた。その姿を一度見てしまうと、少なくとももう、指先に止めたいとは思わなくなる。こちらでは見られない、自然ならではの厳しさを目の当たりにし、私の体は緊張と恐怖で強張った。
そしてもう一つ、忘れてはならないこと。私たちは見てしまったのだ。「水色眼鏡」や「夕焼け小焼けの赤」で知られる、トンボの肉食の本性を!彼等は虻を捕まえて、あちらこちらでお食事をしていた。その姿を一度見てしまうと、少なくとももう、指先に止めたいとは思わなくなる。こちらでは見られない、自然ならではの厳しさを目の当たりにし、私の体は緊張と恐怖で強張った。

戻って来た後は、河野忠臣さんと丸橋先生と研修メンバーで小崎川の水源に位置する江戸時代に作られた溜池へ登ることにした。ガードレールのない場所、急斜面の坂、凸凹した道など、自然のアスレチックのようでなかなかスリルがあった。辿りついた場所は、「空木峠池(溜池)」と「改修記念碑」だ。緑の芝生と広々とした眺めが、ゆったりとした時間の流れを感じさせる。池とそれに映る深い緑の森のさざめき、重なるように木々が生い茂っている揺らめきは見飽きない。空気も水の流れも一体となって、多様な音を鳴らす。聞こえてくるそれらがすごく心地よく、それまでの緊張感といったものが解れた。その後、再び虻と戯れる羽目になったが。
記念碑には忠臣さんの名前が刻まれていた。1億3700万円をかけて、改修する以前の話も伺った。「池守」という調節係が居て、大雨が来たら穴を閉めに行くという責務があったのだそうだ。水圧が強く、命を落としかねない危険な仕事である。それでも、水をいかに確保するかが重要だったのだ。今は国が管理することになり、去年から補助金も出るようになり、状況は改善された。
昔は、鮒や鯉が泥の多いところに生息していたらしい。今はもう居なくとも、水が美しく澄んでいるところは変わらない。元気なあめんぼたちがそれを証明してくれる。
心に余裕が無くなったときにはもう一度、この池を撮った動画を見てみようと思う。壮大な自然の恵みが癒してくれるだろうから。